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大阪市バス、6月にも資金ショート?

 赤字続きの大阪市交通局のバス。経常損益は28年連続の赤字で、累積赤字は2010年度末の段階で過去最高の604億円にも上ります。これまでバス事業の赤字は地下鉄事業からの繰り入れである程度カバーしていましたが、橋下市長は地下鉄の黒字は地下鉄に使う方針で、繰り入れを凍結する方針を出しています。バスは地下鉄網を補助する効果があるので、繰り入れにはある程度の合理性があるのでしょうが、繰り入れに頼ってばかりでどうにもならないというのも事実です。補助に値しない、「赤バス」クラスのどうにもならない路線はつぶさないといけないでしょう。2011年度はバス運転手の給与原資がないことなどから凍結を行いませんでしたが、2012年度からは凍結を行う方針です。

 しかし、地下鉄事業からの補填がなければ、バス事業はピンチに陥ってしまいます。6月の段階で、資金繰りがつかなくなってしまう可能性があるのです。2012年度末での資金不足の額は42億円にもなります。このような状況ではどうにもなりません。4月1日に就任した、元京福電鉄副社長の藤本交通局長(市長の方針で民間の鉄道関係者が、市の交通局長に起用されました。民間出身者が市の交通局長になるのは初めてのことです)は、地下鉄からバス事業への繰り入れがなければどうにもならないと考えています。キャッシュフローが赤字になり、経営できなくなるからです。バス運転手の給与カットを行うことによって地下鉄事業からの繰り入れを市長に求める考えです。繰り入れができなければ、銀行からの借り入れも検討します。

 さて、バス運転手の給与カットについては、交通局は将来的に38%カットする案をまとめています。これについて藤本局長は、4月中に削減額を決定するとともに様々な経費削減を行う方針です(給与削減も含めて、交通局では約20億円の経費削減を目指します)。経営破綻しているバス事業存続のため、望ましい賃金体系を労使で話し合い、場合によっては白紙から検討し直すこともあるようです。経費削減ができれば、カット率も若干下がるかもしれません。民営化については、任期の4年以内に道筋をつける予定のようです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120411/waf12041108570004-n1.htm、asahi.com http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201204110014.html)

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