大阪モノレール、東大阪方面に延伸か?
大阪空港-門真市間などを結ぶ大阪モノレール。彩都線と合わせて28キロあります。開業当初は厳しい経営状態だったのですが、2001年度から黒字になり、2010年度末では約12億円の黒字になっています。長期借入金も1998年度末の段階で約650億円ありましたが、こちらも順調に減り、2010年度末には約227億円になっています。しかし、1997年に門真市まで開業してからは、支線にあたる彩都線はできたものの、以南の建設は長い間止まっていました。ところが、東大阪方面に延伸する動きがあるようです。
延伸する動きがあるのは、門真市から近鉄奈良線の交点までの約8.7キロ。近畿自動車道に沿って延伸します。大阪モノレールには大風呂敷の話もありますが、実は2004年に出された国の近畿地方交通審議会の答申で、東大阪市までの延伸構想が出されていました。ところが、大阪府の財政難などを理由に構想は事実上凍結されていました。これが実現に向かって動き出すことになるのです。松井大阪府知事も延伸には前向きで、具体的な事業費のほか、延伸によりどれくらい利用者が増えるのか調査をする方針です。
ただし、延伸先の近鉄奈良線には、駅がありません。八戸ノ里と若江岩田の中間にあります。モノレールが延伸されても、近鉄に駅がないと意味がありません。そのため、手前の近鉄けいはんな線荒本駅(地図で見る限りでは、隣の大阪市営地下鉄中央線・近鉄けいはんな線の長田駅のほうが近そうですが。荒本では、近鉄の運賃も必要になります)までの約6キロの延伸を目指す案もあります。
延伸に伴う事業費(近鉄奈良線まで延伸した場合、約900億円)については、これまでレールや駅などの設置は大阪府が行ってきたため、府の予算で賄うことになるようですが、実際に運行を行う大阪モノレールの黒字も使って資金調達する可能性もあるようです。先ほども述べたように大阪モノレールの経営は順調で、延長により近鉄奈良線沿線などから伊丹空港に行くのが便利になり、利用者が増えると予測されています。
しかし、伊丹空港は廃止の可能性もある空港です。急ぐのは関空アクセスの強化であり、伊丹アクセスの強化ではありません。貨物線の地下化(ただし、開業時期はさらに遅くなり、2019年度末になるようです)やなにわ筋線などの関空アクセス向上策を行うのが優先されます。たくさんの路線を一気につくるほどの予算はありませんから。
あともうひとつ気になるのが、おおさか東線や今里筋線に近いこと。確かに都心から放射状に伸びる路線は整備されているのに対して、衛星都市同士を結ぶ路線は整備されていません。そういう意味では鉄道があったほうがいいのかもしれませんが、どうしても採算性が厳しくなりやすいというのもあります。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120509/waf12050907280001-n1.htm)
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