JR九州は「きらめき」など間引き運転、西鉄は編成短縮
厳しくなることが予想される今年の夏の電力事情。九州の鉄道各社も、いろいろな取り組みを行います。
JR九州は、7月2日~9月7日の平日(8月13~15日を除く)、12~15時に走るものを中心に、特急「きらめき」(小倉-博多間)3往復と、福間-二日市間の普通11本(一部区間のみ運休するものを含む)を運休します。また、同じ期間、門司港-久留米間の普通9本の車両数を削減します。所定では6両の電車が3両になるなどの変化です。いずれも博多近辺の列車で、運転本数が多いため、運休などをしても大きな影響はないと判断したのでしょう。
西鉄は、間引き運転はしないものの、それ以外の方法で節電を行います。7月2日~9月7日の平日(8月13~15日を除く)、西鉄大牟田線(甘木線を除く)で、通常4~6両編成で運行している列車の一部を1両減らします。2両編成のワンマン列車を除いた上下618本のうち、約1/4の152本が通常より短い編成で運転されます。12~15時に運行する列車がメインですが(この時間帯はおおむね半分以上が通常より短い編成で運転します)、朝夕の通勤・通学のラッシュでも通常より短い編成で運転するものがあります。輸送力としては5%減りますが、7%の節電効果があるようです。西鉄サイドも輸送力をなるべく減らさないように定員の多い車両を使うようにするようです。
そのほかに、7月2日~9月7日の間(こちらは休日等も含みます)、列車や駅の照明の消灯(昼間)・一部消灯(終日)や、通過・交換待ち列車のときに開けるドアの数を減らして冷気が逃げるのを防ぐなどの対策をとるようです。待合室や事務室の冷房温度も28度にします。
福岡市地下鉄も、西鉄と同じように間引き運転はしません(ただ、さらに電力事情が厳しくなれば、減便の検討も行うようです)。しかし、7月2日~9月7日の間、昨年の夏に行った駅照明の一部消灯、駅冷房の設定温度引き上げや早朝の冷房運転取りやめ、駅電照広告の一部消灯のほか、今年は新たに駅券売機の一部停止(10~16時、券売機191台のうち、約50台を停止します)、列車内照明の一部消灯を行い、1%の節電を新たに行い、合計10%の節電を行います。
そのほかの鉄道も節電を行います。間引き運転を行うのは熊本市交通局(熊本駅-健軍町間の運行本数を1割程度削減します、ただし熊本市交通局ホームページにはその旨の記載はありません)や北九州モノレール(7月2日~9月7日の平日(8月13~15日を除く)、午後、3往復減らします。なお、乗客の健康を考え、冷房温度は26度のままです)。長崎電気軌道は今のところ間引き運転は行わないようですが、計画停電で信号機が消えれば、いくら電気があっても運行できないと危惧しています。路面電車ならではの問題です。間引き運転以外の節電策としては、熊本市交通局は早朝、夜間の冷房を止めます。長崎電気軌道や鹿児島市交通局はブレーキを使わずに走る惰行運転を行い、完全に止まらないようにします。完全に止まると、再び動かすのにかなりの電力を使うからです。
(追記)
JR九州はさらに、9月7日までの平日のうち(8月13~15日を除く)、前日に需給逼迫警報が出た場合は、日豊線小倉-新田原間の普通8本、福北ゆたか線博多-篠栗間の普通8本も運休となります。その措置は、当日に需給逼迫警報が解除された場合でも実施されます。
(参考:JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/GeneralFrameset?OpenFrameSet、西鉄ホームページ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2012/12_032.pdf、福岡市交通局ホームページ http://subway.city.fukuoka.lg.jp/cgi-bin/topics/tpd.cgi?gid=10558、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/120612/kgs12061202030000-n1.htm、http://sankei.jp.msn.com/region/news/120615/fkk12061502070000-n1.htm、YOMIURI ONLINE http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120623-OYS1T00593.htm、熊本市交通局ホームページ http://www.kotsu-kumamoto.jp/Content/asp/topics/topics_detail.asp?PageID=3&ID=404&pg=2&sort=0)
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