「たこフェリー」復活ならず、解散
明石と淡路島の岩屋を結ぶ明石淡路フェリー(愛称:「たこフェリー」)は、税金を使った明石海峡大橋など高速道路の大幅な値下げの影響を受け、2010年11月から運行を休止しています。
「たこフェリー」を運営する第三セクター(株主は明石市、淡路島にある3市、淡路ジェノバライン社(淡路市)の5者)は、運行再開を考えましたが、新たなフェリー船の購入費用や明石海峡大橋との競合による採算の厳しさからうまくいきませんでした。2011年10月には筆頭株主の淡路ジェノバライン社と淡路市が二輪車と旅客のみを運ぶ小型フェリー船を購入して運行を再開する計画を進めましたが、明石市などの反対で実現しませんでした。その後、2011年12月の段階で兵庫県と明石市、淡路島3市はフェリーの再開断念を決め、残る株主の淡路ジェノバライン社との調整を進めてきました。5月21日の臨時取締役会で運行再開断念と第三セクター解散の方針を決め、そしてついに5月29日の株主総会で運行再開断念と第三セクター解散を正式に決定したのです。この背景には、2014年度から明石海峡大橋の通行料がさらに下げられることもあります。将来性が見込めないのです。
今後は、第三セクターは清算会社となり、桟橋や可動橋などの処分を進めます。しかし、第三セクターには約8000万円しか残っていないのに対して、桟橋(兵庫県の許可を得て設置されています)の撤去には5~6億円かかるといわれています。お金がありません。そこで、第三セクター側は災害等のために撤去しないで残すことを県に求めています。
そして、お金とは別の重大な話があります。明石海峡を渡るのは高速船(淡路ジェノバライン)もあるので、自転車や徒歩の旅客は代替手段があります。しかし、明石海峡大橋を渡ることができない125cc以下のバイクについては、代わりの交通手段がありません。ミニバイクの代替策についてはこれから考えるようです。
(追記1)
8月27日から、明石港・岩屋港にある可動橋や標識、水道施設などの撤去工事を始めます。工事期間は10月15日までで、明石淡路フェリーに残っている資金で行われます。なお、数億円の撤去費用がかかるとされている桟橋については、明石市・淡路市が中心となって利用方法を検討します。
(追記2)
現在は観光バス駐車場とコインパーキングとして使っている、「たこフェリー」の明石港乗り場跡地(約8500平方メートル)について、マンション開発会社に売却する仮契約を結びました。明石駅から徒歩10分のところにあるこの場所を、跡地の西側はマンション、東側は商業施設とする予定です。
(参考:神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005094415.shtml、http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005072984.shtml、毎日jp http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20120823ddlk28020334000c.html、http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130122ddlk28020346000c.html)
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