水戸岡氏、鉄道車両のデザインから引退?
熊本県南部の第三セクター鉄道、肥薩おれんじ鉄道とくま川鉄道は、九州新幹線800系などを手掛けた工業デザイナー水戸岡氏のデザインによる列車を投入します。
肥薩おれんじ鉄道は、2013年3月に所有する車両2両を改造して、観光列車を走らせます。定員は70名程度で飲食用のスペースもあるようです。車両の改造費用は国からの補助金約5000万円を充てるようです。休日を中心に年間200本程度の運行を計画していて、沿線外からの集客を図ることによって、増収を狙います。
このように肥薩おれんじ鉄道が観光列車に力を入れるのは、沿線住民の利用に期待が持てないため。肥薩おれんじ鉄道は2004年に九州新幹線が部分開業したときに誕生しました。初年度の利用者は188万人だったのですが、2010年度は151万人約2割減少しました。これに対して、国内外のツアー客向けの貸切列車の運行は増えています。年間80本程度だった貸切列車の運行ですが、2010年度は102本、2011年度は122本に増え、2011年11月の運賃収入は前年同月比6.2%の増加です。
そして、くま川鉄道。くま川鉄道には8両の車両がありますが、いずれも老朽化しているので、観光列車2両を当面残し、2013、2014年度の2年間で5両を製造します。最終的には5両体制となるようです。車両のデザインはこちらも水戸岡氏です(観光列車も水戸岡氏デザイン)。
実はくま川鉄道が新たにつくる車両は、水戸岡氏の最後の車両デザインになるようです。長年活躍されてきた水戸岡氏の集大成と言える車両はどのようなものでしょうか? 期待が持たれます。
(追記1)
肥薩おれんじ鉄道で2013年3月から走らせる予定の観光列車の愛称が「おれんじ食堂 九州西海岸食楽列車」に決まりました。
「おれんじ食堂 九州西海岸食楽列車」は紺色の2両編成で座席は全車指定席。約40席です。新八代-川内間約120キロを3時間かけて走ります。途中、有人駅10駅に停まるようです。1日3便、年間200~230日運転します。沿線のレストランなどと提携して、地元の食材を使った料理を列車内で提供する予定です。乗客が事前に料理を予約し、レストランが食材や料理を車内に持ち込んで調理するようです。
(追記2)
2両残っていた観光列車(「KUMA1」、「KUMA2」。ただし、2014年の「田園シンフォニー」の導入により観光列車としての役目を終えていました)は老朽化のため、2016年度中に廃車する予定です。1989年から使用されていました。
そのため、2016年の5月、6月中の日曜日(6月5日を除きます)に、最終運行を予定しています。最終運行日は1日5往復します。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/otona/railwaynews/11/kumamoto/20120331-OYT8T00271.htm、http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20120913-OYT8T01690.htm、西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/305402、http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/321032、くまにちコム http://kumanichi.com/news/local/main/20120628003.shtml、くま川鉄道ホームページ http://www.kumagawa-rail.com/blog/2016/04/816/、「鉄道ジャーナル」2016年9月号 鉄道ジャーナル社)
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