気仙沼線BRT、8月20日運行開始
気仙沼線のBRTによる仮復旧工事は順調に進んでいて、このたび、沿線学校の2学期の開始時期に合わせて、8月20日に「暫定」的ながら運行を開始することになりました。
8月20日に運行を開始するのは、現在運休している気仙沼線柳津-気仙沼間(ミヤコーバスによる振替輸送中)。陸前階上-最知間(2.1キロ)のみ専用道を通行し、あとは国道45号などを通行します。バスは踏切だったところから専用道に出入りします。他の車両が入ることのないよう、一般道との交差点には信号機や遮断機を設置する予定です。BRTではJR線の乗車券(普通乗車券、定期券、回数券等)がそのまま使え、運賃を現金でバス車内で支払うこともできます。ミヤコーバスへの振替輸送は8月19日で終了しますが(運行区間も震災前の本吉-気仙沼間に戻ります)、BRTの運行はミヤコーバスに委託するようです。
駅は原則として鉄道時代の駅に近い場所にできますが、南三陸町の仮庁舎があるベイサイドアリーナにも駅を設けます(志津川-清水浜間)。ベイサイドアリーナ駅への運賃は志津川と同一で(志津川-ベイサイドアリーナ間の運賃は180円)、(役所が開庁している)昼間時間帯のみ停車します。また、津波で近隣が壊滅状態となった南気仙沼駅は市立病院に近い県道沿いに移設します。本吉駅、陸前階上駅の駅舎改修を行い、津波で流された最知駅の駅舎整備を行います。運行状況を確認できる「ロケーションシステム」も導入します。改修・整備が行われた3駅については待合室にモニターを設置し、それ以外の駅ではQRコードを携帯電話に読み取らせることでバスの位置が確認できるようにします。
驚きなのは本数。以前にも書きましたが、本吉-気仙沼間で24.5往復、一番少ない柳津-志津川間でも15往復あります。鉄道時代の1.5~2倍の水準です。朝は最短10分間隔で運行され、昼間でも1時間間隔です。所要時間は一般道の利用が多いバスだけに鉄道時代よりも遅いのですが(専用道が増えればその分速くなるようですが)、本数はローカル線とは思えないほどです。運賃は鉄道時代と変わりません。
8月20日の運行開始を「暫定」としているのは、専用道をさらに増やし(6割を専用道にする計画です)、ハイブリッド車両を導入し、ほかの駅においても駅舎の整備を行うためです。年内に完成する予定ですが、そのときには本吉-気仙沼間を中心に増発も行います。運賃は鉄道時代と同水準にするようです。
なお、同じ三陸のJR線でも、大船渡線と山田線については、別記事で書きます。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jr-morioka.com/pdf/press/pdf_1342575516_1.pdf、http://www.jr-morioka.com/pdf/news/pdf_1343983664_1.pdf、河北新報社ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120714t15014.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120719t13026.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2012/07/20120719t15021.htm)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(0)(2024.09.16)
「JR東日本」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 中央東線で遅れる原因は?(2024.09.15)
- 北千住の「みどりの窓口」が復活(2024.09.14)
- 田沢湖線に快速(2024.09.01)
「バス」カテゴリの記事
- 「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(0)(2024.09.16)
Comments
とうとう始まるのかという感じです。
BRT化した鉄道路線(未成線を含む)というと富山地鉄とか五新線が思い浮かびますが、前者は今春に廃止されてしまいましたし、後者も休日は1往復しかなくなるなど衰退につながっているのが現状です。
本数が増えて喜んでいるのもつかの間、すぐに震災前の鉄道の本数と同レベルになってしまうのではないかという気がします。
(これはバス転換した深名線でも同じような現象です)
「震災復旧までの暫定処置」というのがこれらの事例と異なりますが、個人的には復旧まで代替バスを継続している方がコスト面で有利と考えているのですけどね。
Posted by: うえしょう | 2012.08.02 12:31 PM
うえしょうさん、おはようございます。
* 本数が増えて喜んでいるのもつかの間、
本数が増えても利用者が少なければ、削減されるのは仕方がないことでしょう。
震災前でも鉄道でなければならないほどの需要はなかったのですから、(国や県からの補助が期待できない)JR東日本としては、これでも精一杯の努力はしているのでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2012.08.03 06:23 AM