北海道新幹線、青函トンネル内でも時速200キロ超運転検討へ
北海道新幹線は2015年度末に新函館まで伸びる予定です。途中、(すでに在来線が使用している)青函トンネルを通りますが、ここは新幹線開業後も在来線と共用するため、在来線特急と同じ時速140キロに制限されます。新幹線とすれ違うと、貨物列車が不安定になり、風圧で脱線する恐れがあるからです。
ただこれだと、新幹線のスピードが遅くなってしまいます。新青森-新函館間で57分、東京-札幌間で5時間1分(2035年度末に札幌まで全線開業したときの数字)かかってしまいます。もし、青函トンネルも時速260キロで走ることができるならば、それぞれ39分、4時間43分と18分短縮されます。そこで、国交省は貨物列車とすれ違わないようにダイヤを調整することによって、青函トンネルでも時速200キロ超での運転をしようとしています。12日に専門家らの検討会議をつくり、今年度中にも貨物列車とのダイヤ調整方法などをまとめます。
しかし、青函トンネルは貨物列車にとっても重要路線。1日に多いときで51本、通常でも42本が通過しています。これではダイヤを調整できたとしても至難の技で、時速200キロ超で走ることができるのは1日数本にとどまる可能性もあるようです。また、以前にも書いたように、貨物列車とすれ違う時だけ減速するシステムを開発したり、上下線の間に壁を設置したりする方法も検討しているようですが、費用が問題となっているようです。
それでも青函トンネル内で時速200キロ超運転しようとしているのは、時速140キロ運転にとどまることによって、一部県に建設費を値切ろうとする動きがあるからとも考えられます。そういう動きに対抗するために、何とかして時速200キロ超運転をしようとしているのでしょう。
(参考:朝日新聞7月11日朝刊 中部14版)
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