和歌山電鐵のキャンペーンは意外と地元頼り
猫のたまが駅長を務めるなど、話題に事欠かない和歌山電鐵。確かに観光客も増えているようですが、赤字体質には変わりがないようです。話題になっているからと言って、儲かっているわけではないようです。2011年度決算も8117万円の赤字(どうやら、老朽化した設備の修繕費が経費の4割を占めているようです。変電所の修繕は県の支援で行われましたが、線路や信号などは古いままです)で、和歌山、紀の川両市からもらえる年間8200万円の運営支援資金により、ようやく埋めている状態です。この経営状況は、南海から経営を引き継いだ2006年度から変わりません。しかも、運営支援基金は経営移管してから10年間、2015年度まででなのです。
そこで、沿線住民や自治体、和歌山電鐵などでつくる貴志川線運営委員会は、乗客数増加を狙って「チャレンジ250万人 あと4回多く乗って永続させよう」というキャンペーンを行います。和歌山駅ホームに今は使われていない駅名標を活用して「カウントボード」を設置し、そこに今年度の累計利用者数、対前年比及び対目標比を表示します。毎月1回新しい数字を記入します。和歌山電鐵の乗客数は南海時代最終年の2005年度は192.2万人でしたが、2011年度は218.2万人に増えました。しかし、和歌山電鐵が運賃収入で経営が成り立つには年間250万人が必要です。和歌山電鐵沿線には約8万人住んでいますから、年間にたった4回(2往復)すればいいのです。毎日無理して鉄道に乗る必要はなく、忘れたころぐらいに乗れば十分達成できる数字なのです。
観光客狙いの和歌山電鐵にしては、地元頼りのキャンペーンは意外なような気もします。しかし、和歌山電鐵は県庁所在地和歌山と直結していて、大都市大阪にも近いです。観光客に頼らざるを得ないローカル線とは違うのです。ウケ狙いの観光電車ではなく、増発やスピードアップで利便性を向上し、沿線の利用者を増やすという「王道」が和歌山電鐵には求められるところです。
(参考:わかやま新報 http://www.wakayamashimpo.co.jp/2012/08/20120824_17157.html、両備グループホームページ http://www.ryobi.gr.jp/archives/pressrelease/%E5%92%8C%E6%AD%8C%E5%B1%B1%E9%9B%BB%E9%90%B5%E3%80%80%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8250%E4%B8%87%E4%BA%BA%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89)
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