仙石線と東北線が松島町内で接続、乗り入れへ
仙台と石巻を結ぶ仙石線は、東日本大震災で一部区間が運休したままです。その仙石線について、新しい話が出てきたのです。JR東日本と宮城県が、仙石線から東北線に乗り入れることを考えています。石巻地域の復興を後押しするとともに、利用者の利便性向上につながると判断したようです。高速バスに対抗する意味合いも当然あるでしょう。現在、最終調整段階のようです。
仙石線と東北線は、松島町内でほぼ並行します。仙石線の松島海岸-高城町間、東北線の塩釜-松島間で両方の線をつなぐ接続線を新たに敷き、石巻からやってきた仙石線の車両はこの接続線を通って東北線を走行します。仙石線が全線復旧する2015年中に工事を完了させる予定です。これにより、震災前の快速で63分、震災後に臨時で走っている小牛田経由の快速で最速64分の仙台-石巻間が、停車駅が減ることもあり(快速は東北線に入っても通過運転するのでしょうか?)、10分程度短縮されるようです。事業費は車両費などを除いて約20億円、JR東日本は宮城県に用地買収に関する協力を求める予定です。接続線の予定されている場所は国指定の特別名勝である松島の保護区域内にあり、事業着手には文化庁などとの調整が必要になるようです。
仙石線と東北線を接続させるアイデアは、急に出てきたものではありません。以前からそのような要望はありましたが、仙石線は直流、東北線は交流という電化方式の違いがネックになっていました。その問題をクリアするため、JR東日本はディーゼルカーを使うことを考えています。しかし、乗り入れる列車がどの程度の規模になるかわかりませんが、それなりの本数になるなら、交直流電車を投入することを考えてもよいでしょう。ディーゼルカーがたくさん走るのなら、何のために直流電化になっているかわかりません。距離が短いので、車両はロングシートのE501系でもいいです。常磐線の古くなった車両が使えます。
(追記)
10月18日、仙石線と東北線の接続について、JR東日本・宮城県から正式な発表がありました。
仙石線高城町付近と東北線松島付近を結ぶ単線の接続線を新たに整備し、仙台-石巻間を走る仙石線の一部列車が、東北線に乗り入れることになります。仙台行きは高城町通過後に東北線に、石巻行きは塩釜通過後に仙石線に乗り入れます。朝夕の通勤・通学時間帯を中心に快速がある程度の本数、乗り入れることになります(昼間も乗り入れます)。東北線乗り入れ用の車両はディーゼルカーを使い、首都圏で使われている交直流電車は使いません。また、東北線経由だと走行距離が変わるため、運賃をどうするかは今後検討するようです。宮城県は、用地取得への協力のほか、資金面でも協力することを検討しているようです。
反対に東北線(小牛田方面)の列車が仙石線(本塩釜方面)に乗り入れるための接続線は、当面は検討しません。地元からの要望の強い、石巻線石巻-女川間への乗り入れについては、石巻駅の改修が必要になるため、今後の検討課題としています。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121016t11013.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121019t11021.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121019t11012.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130315t13019.htm、JR東日本仙台支社ホームページ http://www.jr-sendai.com/wp-content/uploads/2012/10/press_20121018-sensekisen.pdf)
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Comments
はじめて投稿します。
よろしくお願いします。
※わからない事だらけで、失礼あったらお詫びします。
さて、この構想ですが、個人的には仙石線の方に松島駅を作るのではないかと推測しています。
乗り入れ箇所のすぐ近くに松島駅があるのに、乗り入れ先の東北本線の塩釜駅まで行かないと乗り換え出来ないのは、不便と思われます。
明日に詳細発表がある予定ですが、現在でも路線自体は繋がっているので、軌道強化と平面交差を作るだけなら、20億円規模の投資&用地買収への説明が足りないと思ってます。
※交差部の近くに駅があれば、乗り入れの時間調整も容易となるので。
また、たべちゃんさまが言われている、交直流車両につきましては、やっぱり難しいのではないかと思います。
第1に用地的な問題で、デッドセクションを設けるとなると、現在運行している高城町までの列車にも影響を与えると思います。
※仙石線と東北本線でもっとも接近している所は、複線並みに接近しています。
また、震災前でも日中は快速と各駅の毎時2本でしたので、交直流車両を導入するほどの人の流れがあるかと言われると微妙な本数です。
個人的には、JR東日本で開発中の蓄電池車両が実用化され、投入されるのを密かに期待してます。
これが投入できれば、石巻の先の女川までの運行も可能となるので、「復興への貢献」としてJRの企業アピールも考えると、実用化の目処さえつけば、あながち無いとも言い切れないような気がしてます。
Posted by: てっちゃん | 2012.10.17 11:45 PM
てっちゃんさん、おはようございます。
* 明日に詳細発表がある予定ですが、
現時点では乏しい情報で判断しているわけですから、正式な発表を待ちたいところです。
* また、たべちゃんさまが言われている、
ディーゼルカーが多数運行すれば、高城町以遠の電化設備はいらないですね。
Posted by: たべちゃん | 2012.10.18 06:20 AM