首都高速都心環状線、地下化? それとも撤去?
国交省の有識者会議は9月19日、首都高速の都心環状線(約15キロ)を将来撤去し、一部地下化を含めて、新ルートを整備しなおすという提言をまとめました。建設から40年以上が経過し、老朽化が著しく、また日本橋の上に高速道路が走るという場面に象徴されるように景観を害しているとの指摘もあるからです。
ただし、ここでの最大の問題はお金。撤去して、地下トンネルを整備するのにかかる費用は約4.3兆円になるとの試算もあります。リニアの東京-名古屋間の建設費が約5.4兆円ですから、それとあまり変わりがない数字になってしまうのです。提言の中では、できるだけ税金を投入せず、料金収入で賄うべきとしていますが、料金収入で賄おうとするとかなりの値上げが必要になるかもしれません。財源がはっきりしない以上、地下トンネルにするのが理想と言っても実現可能性は不明確なところがあります。
そこで出てきたのが都心環状線を単純に撤去し、地下トンネルをつくらない案。中央環状線(2013年度末に中央環状品川線が開通します)や外環道が完成すればそこが迂回路になり、東京を通過するだけなのにわざわざ都心まで行かなくても済むようになります。お金のかかる地下トンネルをつくらなくても何とかなるという目途が立っているとも考えられます。
(参考:朝日新聞9月20日朝刊 中部14版、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121006-OYT1T00566.htm)
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