JR東日本、三陸4駅舎をリニューアル、山田線の線路敷活用中?
JR東日本盛岡支社は、気仙沼、盛、釜石、宮古の4駅をリニューアルします。この4駅の駅舎は東日本大震災でも大きな被害はなかったのですが、建設から61~82年が経過しており、リニューアルすることにしたのです。リニューアル工事はすでに行っていて、12月上旬の完成を目指しています。
リニューアルされる4駅舎にはそれぞれテーマがあります。気仙沼は「漁港のまち」。三陸海岸をイメージした「岩」を表現したデザインで、岩を模したアプローチゲートを、入口上部のひさしで表現しています。盛は「海岸のまち」。待合室の窓や入口で、「碁石海岸穴通し磯」をイメージしています。ルーバー状のひさしを配置し、利用客を迎え入れるゲートとにぎわいの場となるゲートを表現しています。釜石は「鉄のまち」。駅舎全体に「鉄」をイメージしたルーバーを配置し、「風」を表現したデザインです。宮古は「浜のまち」。浄土ヶ浜をイメージした「砂浜」を表現したデザインで、屋根の形状を利用し、灯台を表現したシンボルゲートを設置しています。
また、気仙沼駅に関しては、12月1日から新たに4本の列車が駅舎に面した1番線から発着します。これにより、大船渡線の列車21本のうち19本が1番線から発着することになります。跨線橋を使わないといけないのはたったの2本です。震災前は気仙沼は一ノ関方面、前谷地方面、盛方面の3方向に行くことができましたが、一ノ関方面以外は運休が続いています(BRTや代行バスによる運転)。跨線橋を使わないといけない2番線や3番線をほとんど使わなくても済むのでしょう。
ここで気になるのは、鉄道が復旧していない盛駅。三陸鉄道(吉浜-盛間)は2013年の春に復旧しますが、三陸鉄道の駅舎はJRのとは別です。JRは当分、鉄道の駅として使う予定はありません。導入が決まったBRTの待合室として活用するのでしょうか?
さて話が変わり、地元がBRT構想を拒否した山田線。今、線路敷の上を走っているのはダンプカーです。釜石東中学校の校舎を解体したときに発生したがれきを撤去するため、釜石市の要請を受けたJR東日本盛岡支社が復旧工事が始まるまでの間なら良い、ということで許可したのです。付近の道路は(車高の高い)ダンプカーが通れなかったり(線路をくぐるアンダーパスです)、浸水してしまったりしたからです。JR鵜住居駅付近の津波で流された線路跡100メートルほどに砂利を敷いて道路にしています。このような話は陸前高田市の大船渡線でもあります。農地復旧の工事車両のため、250メートルを道路として使っています。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jr-morioka.com/pdf/press/pdf_1350365901_1.pdf、朝日新聞ホームページ http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000001210120001、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2012/10/20121017t75011.htm)
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Comments
偏狭な鉄路への執着は、残念ですが単なるエゴとしか思えません。
JRが復旧を拒んでいるのは、そもそも営業係数が
震災前から大幅に赤字だったからですし、
何でもかんでも震災前と同じように、公費で復旧せよ
というのは、筋が違うと思います。
Posted by: MAY | 2012.10.24 04:10 PM
MAYさん、おはようございます。
* 偏狭な鉄路への執着は、残念ですが
第三セクターのように赤字の責任を自分で取るならいいですが、単にJRに甘えているだけです。
そもそもJRで運営しないといけないような需要はありません。
Posted by: たべちゃん | 2012.10.25 08:08 AM