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山陽線、呉線高架化計画縮小か?

 広島県と広島市は、広島市東部と府中町、海田町を通る山陽線、呉線を高架にする連続立体交差事業を行っています。山陽線4.6キロ、呉線1.7キロの合計6.3キロが高架化されます(市町別に分けると、広島市1.9キロ、府中町1.1キロ、海田町3.3キロ)。総事業費は960億円で、広島県220億円、広島市160億円、府中町25億円、海田町49億円、JR西日本55億円で、残りを国が負担します。1999年に都市計画され、2022年度に完成する予定の計画です。

 ところがこの計画、広島市の財政難を理由に、高架区間の短縮を検討しているのです。もともとこの高架化は2015年度に完成する予定でしたが(2022年度に延期されたのも財政難が原因です)、ついに完成しない危険性が出てきたのです。見直しのきっかけは、昨年4月に広島市長に就任した松井市長が、全事業の抜本的見直しを表明したこと。広島県と広島市は今年2月から、工法や高架区間の短縮などの検討に入りました。

 そこで出てきたのが、一部区間の高架化を行わない案。この場合、広島市だけでなく海田町も高架化の中止を迫られます。広島県は対案として、道路整備などを行う方針です。なお、府中町については、広島市と府中町による向洋駅周辺の土地区画整理事業が進んでいることもあり、高架化事業を継続します。

 これに対して、海田町が反発しています。町長も町議会も高架化の見直しには反発しています。用地買収が広島市は6割程度しか進んでいないのに対して、府中町、海田町を担当する広島県は9割も進んでいます。用地買収で立ち退いた町民もいます。10月23日に山岡町長と町議9人が湯崎広島県知事と松井市長を訪れ、計画通りの高架化実施を求める要望書と意見書を手渡しました。この高架化の縮小は、自分の町の財政難ではなく、広島市の財政難のあおりを食っての話なので、海田町が反発するのもわかります。

(追記)
 その海田市付近の高架化ですが、海田市駅付近も高架化することになり、向洋駅付近と併せて2区間4キロを高架化します。海田市駅と向洋駅の中間は高架化せず、地上のままです(代わりに道路が立体交差されます)。

 この見直し案は2015年6月に関係自治体間で合意され、ようやく実現に向けて動き出すことになります。完成見通しは、先に着工する向洋駅付近が2020年代後半、海田市駅付近が2030年代前半です。
(参考:中国新聞ホームページ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201210100046.html、http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201210240144.html、http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=161901&comment_sub_id=0&category_id=112、広島県ホームページ http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/105/1171608892723.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20150616ddlk34010587000c.html)

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