JR東日本、「グループ経営構想V」策定
JR東日本は10月30日、通算5回目となる経営構想「グループ経営構想V<ファイブ>」を策定しました。今年4月に発表した「今後3 年間(2012~2014 年度)の重点課題」をベースに、2020年ごろまでの社会環境の変化を見据え、経営の基本的方向性と具体的に実行していくことをまとめたものです。それでは、この「グループ経営構想V」から気になる事項をピックアップしていきます。
東京圏から見ていくことにします。山手線は、2015年度までに東京、品川、新宿などの大規模改良予定駅等を除き、ホームドアを設置します。山手線以外の駅についても、目の不自由な人の利用が多い駅を中心に、関係機関と協議しながら設置を目指します。
いくら人口が増えている東京圏でも、これからはそう増えるわけではありません。これまでピーク時間帯の輸送量増強を中心にやってきましたが、これからはデータイムの利便性向上や着席サービス・直通サービスの強化をやっていきます。その現れが2014年度に開業する東北縦貫線です。常磐線、東北線、高崎線が東京駅及び東海道線方面に乗り入れます。速達性や着席サービスに対するニーズの高い中央線については、着実なサービス改善を目指します。特急の活用なのでしょうか? それともグリーン車をつけるのでしょうか? 「東京メガループ」(武蔵野・京葉・南武・横浜各線)については、他線区との直通運転の強化やデータイムの利便性向上に取り組みます。相模鉄道との直通運転にも取り組みます。地方自治体などとの連携により、新駅を戦略的に設置していきます。既存駅のホーム増設にも取り組みます。
地方圏についても「Suica」を導入します。すでに仙台と新潟に導入しているので、首都圏から近いということも合わせると、長野になるのでしょうか? 乗ること自体が目的となるような列車づくりも行います。SLやジョイフルトレインのことでしょう。ただ地方については、JR東日本が営利企業である以上、運営の効率化も重要なテーマになります。正直言って、鉄道としての特性が活かせない路線もあります。そういう路線については、鉄道以外の方法で交通手段の確保をすることも考えています。岩泉線はまさにその例で、三陸のBRT化もその一環なのでしょう。稼働率の低い設備を撤去し、輸送動向を踏まえて輸送力を減らします。
新幹線については、2013年春に東北新幹線宇都宮-盛岡間で時速320キロ運転を行う予定ですが、その時速320キロ運転をさらに拡大することを目指しています。拡大するのは大宮-宇都宮間でしょうか? それとも、整備新幹線の盛岡-新青森間でしょうか? 最終的には時速360キロを目指します。
また、鉄道ならではの魅力ある旅の提案や非日常性を感じられる車両空間の提供などを目的とする、新たな看板車両となるような豪華車両をつくります。JR九州の「ななつ星」に触発されたのでしょうか?
新しい列車制御システムとして、CBTCの常磐線各駅停車への導入を進め、ATACSの首都圏での展開を目指します。次世代車両制御システムであるINTEROSの導入に向けた準備を進めます。2014年から蓄電池駆動電車システム「NE Train スマート電池くん」を実用化します。電化区間において、架線から電気を取るのではなく、蓄電池にためた電気を利用して電車を走らせる、「架線レス運転」というのも研究しているようです。
(追記)
富田JR東日本社長の話によれば、中央線にグリーン車を入れることも考えているようです。ただ、今の10両編成の一部をグリーン車に変えるのではなく、11両以上の編成にして対応するようなので、ホームの延伸をしてからのことになります。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121013.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/feature/news/20121221org00m020010000c.html)
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