JR西日本、ホーム柵はロープで
高速で側を列車が通りぬけるホームはかなり危険。JR西日本の管内では昨年までの5年間で転落が30件、列車との接触が61件起き、19人が死亡しました。国交省は1日の利用者が10万人以上の駅に対してホームドアの導入を求めていますが、導入はなかなか進んでいません。2012年9月現在でホームドアのある駅は539ありますが、10万人以上の駅では235駅中、34駅(14%)しか設置されていません。
ホームドアは地下鉄のように同じ車両だけが走るところは設置しやすいのですが(JRでも山手線のように同じ車両だけが走るところは設置が進んでいます)、JRは様々な車両が走り、ホームドアを設置しにくいのです。現在ホームドアがあるのは、JR東日本が13駅、JR西日本とJR東海がそれぞれ3駅です。JR西日本で設置されているのはJR東西線の北新地、大阪天満宮と山陽新幹線新神戸だけで、10万人以上の12駅(大阪、京都、天王寺、三ノ宮など)にはいずれも設置されていません。JR西日本の場合、アーバンネットワークの快速は3扉車、普通は4扉車で運行することが多く、これまでのホームドアでは対応できません(2駅でホームドアが導入されているJR東西線の場合は、「直通快速」も4扉車に統一しました)。
そこでJR西日本が開発を考えているのが、ロープを昇降させる方式の転落防止柵。この昇降式ホーム柵は、ホームに1.3メートルの柱を5~10メートル間隔で設置し、複数のロープで結んで転落を防ぐものです。列車が入ると、柱は自動的に上がり、ロープも扉より高い位置に動きます。列車の出発時には柱やロープは元の高さに戻ります。これなら、3扉車・4扉車の両方に対応できるようです(もちろん、柱は3扉車・4扉車のどちらの場合でも扉のない部分にあります)。設置時期や費用は未定ですが、ホームドアよりは安くつくようです(北新地駅では約3.5億円かかりました)。
3扉車と4扉車の両方に対応することができるホームドアというものも開発されていますが(JR西日本グループでも開発しています)、まだ実用化には至っていません。多くの駅に設置しなければならないので、費用もかかります。簡易なものと言え、ある程度の効果があるものなら、導入する価値はあるでしょう。
(参考:YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20121114-OYO1T00298.htm、鉄道コム http://www.tetsudo.com/news/772/JR%E8%A5%BF%E3%80%81%E6%98%87%E9%99%8D%E5%BC%8F%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%9F%B5%E3%82%92%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%81%B8/)
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