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秋田新幹線新型車両は「スーパーこまち」&烏山線EV-E301系投入

 JR東日本から、新たな話が2つ出ました。

 まずは秋田新幹線から。秋田新幹線に新型車両E6系を投入することはすでに過去の記事で書きました。そこで、E6系を使用する車両には「こまち」とは別の名前を付ける可能性があることを書きましたが、その名前が決まりました。「スーパーこまち」です。名前の付け方が安直なような気もしますが、2014年春にはすべてE6系での運転となり、時速320キロ運転します。このときには名前を「こまち」に統一するようです。「スーパーこまち」は時速300キロ運転のもの(「スーパーこまち」)と時速275キロ運転のもの(「こまち」)が混在する1年間だけの、暫定的な名前のようです。

 「スーパーこまち」は2013年3月から、東京-秋田間で4往復運転します。E6系は当初4編成投入され、2014年春までに24編成(新たに製造する23編成+量産先行車1編成?)を投入する予定です。「スーパーこまち」は時速300キロ運転を行い、東京-秋田間を今より5分速い、3時間45分で結ぶ予定です。

 東北新幹線で時速300キロ運転する「スーパーこまち」は、東京-盛岡間で追加料金がかかります。「はやぶさ」と同じく、東京-盛岡間で500円です。東京-秋田間で「スーパーこまち」を利用した場合、17310円かかります(普通車指定席、通常期)。

 話は変わりまして、烏山線。これまで非電化区間の新たな環境負荷の低減を図るため、「蓄電池駆動電車システム」の開発を進め、実験を行ってきましたが、一定のめどが立ったようで、新たな段階に進みます。2014年春ごろに「蓄電池駆動電車システム」を採用した新型車両の先行車2両(1編成)を烏山線(東北線宇都宮-宝積寺間を含む)に投入し、営業運転を行います。先日記事で紹介した「グループ経営構想V」のスケジュールどおりです。

 烏山線は距離が蓄電池搭載容量に適しており(フル充電した場合で約40キロ走ることができます。ちなみに烏山線の長さは約22キロです)、かつ直流電化区間との直通運転ができるために選ばれました。電化区間である東北線では普通の電車と同じように架線からの電力によって走行するとともに蓄電池への充電も行います。非電化区間である烏山線では蓄電池の電力で走行し(回生ブレーキで生まれた電力を、蓄電池に充電することも行います)、終点の烏山駅に設置する専用の充電設備で折り返し中に充電します(駅部分だけにある剛体架線を通じて充電します)。これまでのディーゼルカーのようにエンジンから排気ガスが出ることもなく、二酸化炭素・騒音の低減を図ることができます。60%も減らすことができます(ハイブリッド車両のキハE200系の二酸化炭素低減効果は10%です)。

 車両形式名は全く新しいものが与えられます。EV-E301系です。EVはEnergy storage Vehicleから来ています。EV-E301系は3扉ロングシートの2両編成で、トイレはありません。イメージ図を見る限りでは、首都圏を走っている電車みたいです。当面は1編成のみの投入ですが、数年かけて残りの3編成も置き換え、最終的には烏山線のディーゼルカーすべてをこの新型車両に置き換える予定です。

(追記1)
 秋田発着の「新幹線回数券」に限り、「スーパーこまち」にも乗車することができます。追加料金もいりません。この点は、特急料金を別で払わないといけない「はやぶさ」と異なります。

 なお、これまで、秋田発着の新幹線回数券は男鹿、八郎潟、羽後本荘などでも追加料金なしに利用できましたが、2013年3月16日発売分からは設定区間が東京都区内・仙台市内-秋田間となり(秋田までなら値段は変わりません)、男鹿などに行くときには秋田からの運賃が必要となります。

(追記2)
 JR東日本は2013年11月27日、烏山線に導入する蓄電池駆動電車の愛称を「ACCUM」に決めたことを発表しました。先進性、バッテリー、環境性能などをキーワードに2013年8月に愛称を公募したところ、1382件の案が寄せられましたが、その中から蓄電池を意味するaccumulatorにちなんで、「ACCUM」が採用されました。「ACCUM」を応募したのはたった1件だったようです。

 「ACCUM」にはロゴマークも添えられます。架線、蓄電池、モーターの流れを示す矢印を三角形で表現した図です。車体の前面と側面につけられます。

(追記3)
 EV-E301系の導入費用は、充電設備と1編成の合計で18億円です。車両は量産すれば安くなると考えられています。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121105.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121104.pdf、http://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=1070、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20121107k0000m040052000c.html、http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20131128ddlk09040201000c.html、下野新聞ホームページ http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20121106/916524、Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/business/news/151026/bsd1510260500001-n4.htm)

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