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九州新幹線、早くも利用者減少

 昨年3月に全線開業した九州新幹線。実質開業初年度の2011年度は利用者が部分開業時代に比べて大幅に伸びました。3月11日までのちょうど1年間(366日)の数字で、博多-熊本間は対前年比137%の896万人、熊本-鹿児島中央間は対前年比165%の514万人です。しかし、今年の夏ごろから対前年比で減少しているのです。

 JR九州が10月31日に発表した九州新幹線の利用実績によれば、10月(29日までの速報値)の博多-熊本間の利用者数は対前年比95.3%(1日平均2.57万人)、熊本-鹿児島中央間は対前年比91.0%(1日平均1.42万人)でした。対前年比で減少するのは、博多-熊本間が4か月連続、熊本-鹿児島中央間が6か月連続です。

 九州新幹線の利用者が減った原因の一つとして考えられるのが、東京スカイツリー。周辺施設を含めた9月までの来場者は2000万人を超えました。特に昨年は東日本大震災の影響で東日本への旅行が敬遠されました。実質開業初年度の昨年度の利用が多かったのもそのためですが、その反動が来ているのです。昨年は関西方面から「みずほ」「さくら」に乗って来ていた人が、今年は東京に向かっているのです。山陽新幹線新山口-博多間の乗客数も、6月から対前年比で減少しているようです。

 新幹線利用者の減少は、JR九州全体に波及します。2012年4月からのJR九州の運輸取り扱い収入(JR他社管内の販売分を含む)は、前年から3億円減った1203億円。わずかながら減っています。九州北部豪雨で大きな被害を受けた豊肥線は運休を続けていますが、新幹線の不振のほうが経営的には問題のようです。JR九州は新幹線(短距離はともかく、中長距離は結構高いですが)で稼いだ収益の大半を設備リース料で持って行かれます。九州外から新幹線で来た客に観光列車や商業施設を利用してもらうことで、稼いでいるのです。新幹線の利用者が減ると、その稼ぐ分野の利用者も減るのです。

 九州新幹線の割引切符は開業当初から低迷が続く短距離区間用(筑後船小屋に代表されるように、九州北部に駅をつくりすぎました)のものが主体でしたが、最近は「限定!さくら早特往復きっぷ」のような中距離用もあります。1年目の数字があまりにも良かったという面はありますが、テコ入れは必要でしょう。関西方面から観光客を呼ぶためには、割引切符の設定は必要です。今は専用のカードを持っている人だけしか適用がなく、事実上ないと言える状態です(一時は「お試し 熊本・鹿児島早特往復きっぷ」というものもありましたが)。JR東海などが発売している「『のぞみ&九州新幹線』早特往復きっぷ」のように、博多まで「のぞみ」しか使えない切符でも構わないので、何らかの割引切符の設定が望まれます。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20121101k0000e020154000c.html、Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/business/news/120312/bsc1203122159011-n1.htm)

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