あおなみ線SL実験走行は2013年2月16、17日
以前にも書いたあおなみ線SL実験走行の話ですが、その日程が決まりました。2013年2月16、17日です。
実験走行は、JR西日本から滋賀県内で季節走行しているC56を借り、客車3両、ディーゼル機関車と合わせて5両編成で運行します(正直言って、折り返し設備の関係とは言え、後ろにディーゼル機関車がつくのは興ざめですが)。名古屋-名古屋貨物ターミナル間を1日3往復します。名古屋駅9:50発、11:37発、13:22発で、名古屋貨物ターミナルで折り返して戻ってくるパターンです。約1時間半のコースです。名古屋貨物ターミナル駅ではSLから下車し、写真撮影をすることもできます。
実験走行には実際に乗ることもできます。各便200人、2日間で合計1200人乗ることができます。試乗料金は大人500円、小学生以下は無料です。試乗者は往復はがきによる抽選で決定されます(申し込み先はあおなみ線を運営する名古屋臨海高速鉄道です)。名古屋市は実験走行で市民の反応や影響を調査し、将来的な本格運行の可能性を探るようです。
名古屋ではSLが走る路線がないので、SLの実験走行は話題にはなるでしょう。ただ、冷静になって考えてみると、本格走行には課題がたくさんあります。年1回程度の走行なら今後もJR西日本から機関士などを含めて丸ごと借りればよいですが、それではSL目当てで客が来るのは年1回だけです。市街地を走行することによるSLの排煙と騒音も問題となりそうです。あおなみ線の駅はホームドアが完備しているため(当然客車の走行は考えられていない)、係員を置く必要はあるでしょう。
河村市長の思いはともかく、あおなみ線に面白い列車が走ることが経営改善の処方箋ではありません。めったに客が乗らないローカル線ではなく、多くの人が利用しています。2012年3月決算を見ても黒字で、どうしようもない状態ではありません。経営破綻したのは建設費に金をかけすぎたためであり、今さらどうしようもありません。現在採っているように、借入金を資本金に振り替えるしかありません。
不便な名古屋駅の乗り換えの改善(JRとの乗換改札を有効に使えないものでしょうか?)、地下鉄に乗り継ぐと(乗継割引があるとはいえ)割高になる運賃の改善のほうが地味とはいえ、あおなみ線を良くするための方策としては有効でしょう。
(追記)
あおなみ線のSL試乗は申し込みが殺到し、12月11日の時点で1.5万通以上の応募がありました。応募は名古屋市内やその周辺にとどまらず、北海道や沖縄からのもあります。
河村市長は気を良くしているようですが、試乗料金は500円なので、満席で60万円です。関連する経済効果があるので単純には比較できませんが、運行経費のほとんどは税金で賄っています。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012111990124425.html、あおなみ線ホームページ http://www.aonamiline.co.jp/pc/pdf/accounting/15bspl.pdf、中日新聞12月12日朝刊)
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