福井鉄道の遅れでえちぜん鉄道に接続できず
2012年10月1日から、えちぜん鉄道と福井鉄道を乗り継いだ場合には、大幅な乗継割引運賃が適用になります。「連絡運賃」です。ダイヤも、田原町での待ち時間がおおむね20分以内、通勤・通学時間帯は最短5分(三国港方面)で乗り継ぐことができるように考慮されています。この連絡運賃制度の利用者は10月1256人、11月1736人、12月1910人と増え、えちぜん鉄道全線の1日当たりの利用者も9月から12月にかけて増えています。しかし、実際の運行では問題が起こっています。
それは福井鉄道の遅れで、所定のえちぜん鉄道の列車に乗り継ぐことができないこと。福井鉄道には路面区間があり、信号待ちなどで通勤時間帯などで遅れが恒常化しているのです。えちぜん鉄道は3分程度の遅れなら待ってはくれますが、遅れが大きすぎて福井鉄道の列車が来るのを待たずに発車してしまうことも1日に1便ぐらいはあるようです。乗り継げないことがよくあるため、最初から乗継ができないものとして、1便余裕を取る人も出てきているようです(もっともこれが続けば、通勤客などが車に逸走してしまう危険性もあります)。
福井鉄道とえちぜん鉄道は相互乗り入れの計画があります。相互乗り入れをすると年間870万円の収支改善見込みです。2015年度(2015年4月)からの相互乗り入れの実現のため、2013年度から7駅でホーム改修などの工事を始めます。福井県と福井市の費用負担の協議は2月上旬に開かれる事業検討会議で協議する予定です(3月中に事業計画を決定する予定です)。しかし、遅れについての問題を解決せずに相互直通をすれば、福井鉄道の遅れがえちぜん鉄道のダイヤの乱れにつながります。
福井県は遅れの原因が、路面区間の交差点で右折する自動車が軌道上で対向車の通過を待つことも大きいとして、広報などでドライバーに注意を呼び掛ける予定です。直進と右折を分離した信号も導入することを検討しています。また、路面区間の停留所4か所のうち3か所はホームの幅が75センチと極めて狭いです。朝のラッシュ時などは乗り降りに手間取ります。生徒の利用で混雑しやすい仁愛女子高校停留所から順にホームの拡幅工事を行います。仁愛女子高校停留所の拡幅工事は2013年度に行います。さらにフェニックス通りの新木田交差点で電車の待ち時間が最大2分19秒もあるため、福井県警に信号の切り替えパターンの調整を協議する予定です。路面電車が来たら自動的に信号の待ち時間を短くする「公共車両優先システム(PTPS)」の導入も検討しています(路線バス向けシステムはすでに導入されていて、それと併用するための技術的な検討がいるようです)。福井鉄道の場合は、路面区間に限らず、鉄道区間でも遅れが生じているため、全便の運行状況を調べて原因を把握することを福井鉄道に求めています。
(参考:福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/39532.html、http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/politics/39554.html、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20130125/CK2013012502000027.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130125/fki13012502390002-n1.htm)
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