京都市交通局、10年ぶりに乗客利用動向調査を行っていた
京都市交通局は昨年5~6月、10年ぶりに市バスの乗客利用動向調査を行いました。調査日に市バスに乗った約33.8万人(前回の2002年調査時に比べて7.6%増加)にカードを配り、乗客が使った乗車券の種類や乗車区間、利用の目的などを調査しました。平日は全路線の全ダイヤで、休日は路線や時間を抽出して、市バスに乗った調査員がカードを配布、回収しました。
それによりますと、一番利用者が多かったのは四条河原町-京都駅前で、6位までを京都駅発着の路線が占めました。効率的な運営の指標となる走行1キロ当たりの乗車人員を系統別にみても、100系統(京都駅前-銀閣寺前)が10.2人(前回比18.6%増)となるなど、観光路線が上位に入りました。河原町通や堀川通を通る路線の増便や鉄道との乗継を考慮したダイヤにしたこと、東山方面への観光路線の増強などが原因とみられています。
反面、前回1位だった北大路ターミナル-京都産大前は7位になり、8位だった桂駅西口-境谷大橋も16位になりました。これは民間バス会社が京産大と地下鉄とを結ぶ路線を新設した影響があるとみています。阪急桂駅からの路線のほうは近隣に鉄道新駅(JR京都線桂川?)が開業したことで、乗客が分散したとみています。
今回の調査からは面白いデータも読み取れます。前回の調査時は、平日は昼間(9~15時)で利用者が減少するいわゆる「M字型」でしたが、今回は減少の度合いが緩くなり、午後のピーク時である16、17時台と近づきました。京都市交通局は観光客数の増加及び昼間の定期券・敬老乗車証の利用者の増加が原因とみています。また、乗り換えに対する忌避感が強いことも判明しました。(1)乗り換えなしで目的地まで直行できる、20分間隔、220円 (2)乗り換えが必要、10分間隔、350円 の2つの比較(所要時間は変わらないとします)では、(1)を選んだ人が約75%、(2)を選んだ人が18%でした。(2)の運賃を(1)と同額の220円にした場合でも、(2)を選んだ人は(1)と同じ程度の約47%となりました。バスを運行するほうとしては短い距離で地下鉄や幹線バスに乗り継がせたほうが効率がいいのでしょうが、利用者サイドとしては直通のバスを望む傾向が強いと考えられます。
京都市交通局はこのデータを基に、2014年春に市バス路線及びダイヤの大改正を計画しています。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130105000099、毎日jp http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20130109ddlk26020520000c.html、京都市ホームページ http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/cmsfiles/contents/0000133/133511/2.pdf)
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