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首都高速の改修に最大9100億円

 首都高速道路会社の調査研究委員会は2013年1月15日、首都高速約300キロのうち、早い時期に開業した6路線75キロの区間を対象として、大規模な改修が必要かどうか検討しました(国交省の有識者会議とは違い、原則として現在と同じルート・構造で更新することを前提としています)。その結果、47キロの区間で老朽化し、つくり直しや大掛かりな修繕が必要だと発表しました。補強工事だけではいずれ崩落などの発生の危険性があります。これらの区間の大規模な改修には最大9100億円かかると試算されています。さらに10年後には、つくり直しや大掛かりな修繕が必要な区間が110キロ増え、その改修のためには少なくとも3200億円が必要だとされています。

 老朽化した47キロの区間は、首都高速が設計基準を厳しくした(通行車両の重さを8トンから9.6トンに引き上げ)1973年以前につくられました。そのため強度が弱く、しかも大型トラックなどの通行量が多いため、橋脚部分のひび割れ、道路の凸凹が目立ちます。特に都心環状線を含む16キロは道路や橋脚などのつくり直しがいります。5500~6850億円かかるとされています。それ以外にも28キロの区間で側壁を取り換えるような大掛かりな修繕が必要です。950~1050億円かかります。そのほか当面の対応で済むところは1350億円かかります。なお、4キロの区間についてはさらに調査・検討を行ったうえでつくり直しがいるか、大掛かりな修繕でいいのか決定します。

 首都高速は2014年に、1号羽田線の一部区間のつくり直しに取りかかります。それ以外の区間でも大規模改修が急がれますが、財源をどうやって確保するかが課題です。

(追記1)
 首都高速道路会社の菅原社長は、28日に開かれた国交省の社会資本整備審議会の作業部会で、首都高速の大規模な改修費用を料金収入だけで賄うならば、10%程度の値上げがいるとの見解を示しました。また、改修費用を賄う方法として、2005年の民営化時に50年で返済するとした債務の返済期限の延長や、国や自治体からの支援もあると発言しています。

(追記2)
 首都高速道路会社は12月25日、2014年度から始める大規模な改修計画について発表しました。

 それによりますと、都心環状線や1号羽田線など3路線の5か所(約8キロ)についてつくり替え、約55キロの区間について大規模な補修を行います。もっとも老朽化が進んでいる1号羽田線の東品川桟橋、鮫洲埋立部から工事を行います。

 費用はつくり替えが約3800億円、大規模な補修が約2500億円の合計約6300億円、首都高速道路の料金収入の2.5年分に当たります。東京オリンピックが開催される2020年までの完成を目指します。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY201301150522.html、日経ケンプラッツ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20130115/598929/?P=1、朝日新聞1月16日朝刊 中部14版、朝日新聞12月26日朝刊 中部14版、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130128-OYT1T01224.htm、http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131225-OYT1T01006.htm)

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