« 日立市のBRT計画 | Main | 富山県会社と北海道会社の並行在来線経営計画等 »

えちごトキめき鉄道の経営基本計画(素案)

 2015年春に北陸新幹線長野-金沢間が開業すると、並行する在来線はJRから分離され、第三セクターとなります。新潟県部分はえちごトキめき鉄道となります。信越線妙高高原-直江津間(38.0キロ)は「妙高はねうまライン」、北陸線市振-直江津間(60.3キロ)は「日本海ひすいライン」となります。えちごトキめき鉄道は沿線人口が少ないため、厳しい経営が予想されます。そのえちごトキめき鉄道が1月22日に経営基本計画の素案をまとめました。

 妙高高原-直江津間を運行する「妙高はねうまライン」はラッシュ時は6両、通常時は2~4両で運行します。朝夕は利便性を高めるために増便し、昼間も都市部を中心に増便を検討します。車両は、JR東日本が使用している新型電車(E127系?)の譲渡を受けることを協議しています。なお、妙高高原以南を運営する長野県側の第三セクター、しなの鉄道の経営基本計画では、長野-妙高高原間は現行程度の運転本数になるようです。

 泊-直江津間を運行する(市振以西は富山県部分の会社に乗り入れ)「日本海ひすいライン」はラッシュ時2両、通常時1両で運行します。糸魚川-直江津間では朝夕を中心に増便し、糸魚川以西でも現行レベルの本数は維持します。電化区間ですが車両は新型ディーゼル車両を新たにつくります。一般車両6両、イベント兼用車両2両です。イベント兼用車両は地元向けのもので、「妙高はねうまライン」でも使われます。

 直江津での接続、上越、糸魚川での北陸新幹線との接続は考慮されます。2両以下で運転されるときはワンマン運転をします。長野方面、富山方面の並行在来線や、柏崎方面(JR信越線)、十日町方面(ほくほく線)との相互乗り入れについて関係各社と協議をしています。JR東日本とは「北越」「くびき野」の存続を要請していますが、「くびき野」はともかく、北陸新幹線とかなりの部分で並行する「北越」の存続は厳しいです。新幹線に関してデメリットしかない関西方面とは話が違います。

 首都圏や関西圏からの観光客を誘致するため、ディーゼル車によるリゾート列車も2両導入します。アテンダント乗務員の配置も検討しています。有人駅は現状維持とし、運賃については今後検討します。えちごトキめき鉄道はこれらの対策をすることによって、何もしないときに比べて5%の利用者数増加を見込んでいます。えちごトキめき鉄道は開業10年後の2025年の1日当たり輸送人員10151人を目標として掲げます。

(追記1)
 新潟県などは、えちごトキめき鉄道に合計173億円を出資するようです。このうち新潟県が163億円と大半を占め、上越、妙高、糸魚川の沿線3市が7.6億円を出します。3市での配分はこれから決めます。残り3億円は地元の民間企業や市民からの出資を募ります。

(追記2)
 えちごトキめき鉄道は、4月26日の取締役会で、一般からの意見などを反映させた経営基本計画を承認しました。

 それによりますと、これまで2両編成以下の列車ではワンマン運転することとしていましたが、長大トンネルがある「日本海ひすいライン」では、ラッシュ時に2両編成で運行する場合などにおいて、車掌も乗せて運行することとしました。また、「妙高はねうまライン」では、JR東日本からE127系を譲り受けることとなっています。このE127系はロングシート仕様なので、ボックスシートを設置してほしいという意見がありましたが、当分はロングシートのまま運用することにしました。開通後の利用状況を見ながらボックスシートの設置を検討するとのことです。

 運賃水準については、新潟県などの支援により現行運賃の1.3倍程度でも経営が成り立つ見通しが出ています。しかし、なお一層の抑制を検討することにより、1.3倍以下になる可能性もあります。
(参考:マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2013/01/24/022/、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20130122-OYT8T01336.htm、信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/20130123/KT130122ATI090006000.php、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/area/niigata/articles/TKY201302160263.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/04/29/197038.html)

| |

« 日立市のBRT計画 | Main | 富山県会社と北海道会社の並行在来線経営計画等 »

鉄道」カテゴリの記事

関東・甲信越私鉄」カテゴリの記事

整備新幹線」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference えちごトキめき鉄道の経営基本計画(素案):

« 日立市のBRT計画 | Main | 富山県会社と北海道会社の並行在来線経営計画等 »