広電越智社長が解任される
広島電鉄で8日に開かれた臨時取締役会。ここで国交省出身の越智社長が解任されました。後任は専務の椋田氏が昇格しました。
そして、翌9日には椋田新社長の就任記者会見が行われました。ここで、越智前社長が推進してきた路面電車の運賃値上げと広島駅への乗り入れ方法(駅前大橋線)について見直すことを表明しました。新社長によれば、前社長は2010年に社長になって以来、取締役などの社内の意見を聞かずに独断で決めるようになり、社内外が混乱していたというのです。
運賃の値上げについては、老朽化した車両が多く、その更新は必要なため、いつかは値上げはしないといけないというものの、市民生活への影響や企業規模に対する投資額の大きさを理由にいったん白紙に戻すようです。値上げは最速でも2014年度に結論を出すことになります。当然ながら、新車投入のペースは落ちることでしょう。「信用乗車方式」の導入にも影響があるかもしれません。
駅前大橋線計画については、現在広島市の検討委員会が高架方式と地下方式に絞って検討しています。3月までに結論を出そうとしています。これまでJR西日本は新幹線との接続の観点から高架方式を(高架方式になったら、駅ビルの建て替えも検討します)、広電は地下方式を支持していましたが、実は地下方式を支持していたのは越智前社長ぐらいだったのです。今後は広電も、広島市やJR西日本と調整することを明らかにしています。すでに松井広島市長や中国運輸局にもそのことは伝えています。よって、広電は高架のかたちで広島駅に乗り入れることが濃厚になったとも言えます。
その他の越智前社長が進めていた施策については、3両編成の新しい超低床車両は予定通り運行しますが、引退したドイツ製車両を使ったレストランは儲かっていないようで、今後の対応を検討します。
(追記1)
松井広島市長は2月7日に記者会見を行い、3月末までに行う予定であった(広電の広島駅乗り入れ方法を含む)駅南口広場の再整備方針の決定が、2013年度にずれ込む見通しであることを明らかにしました。地元や市議会の意向を確認する作業が3月末までには終わらないからです。
(追記2)
昨年7月にオープンしたばかりの、引退したドイツ製車両を使ったレストラン「トランヴェール・エクスプレス」ですが、3月末の100周年記念事業終了に合わせて、3月30日に閉店することになりました。車両の今後の活用方法は未定です。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO50425510Z00C13A1LC0000/、中国新聞ホームページ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201302080005.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20130131ddlk34020507000c.html、http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20130310ddlk34040271000c.html)
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