奈良県内リニア駅、奈良市以外は「エゴ」に徹する?
1月31日、奈良県の荒井知事と県内市町村長が意見交換する「県市町村長サミット」が桜井市で開かれました。
話題になったのは奈良市付近にできる予定のリニアの駅。奈良県内では、大和郡山、生駒両市長が昨年9月のサミットで中間駅誘致を表明しており、その後に誘致を表明した奈良、天理の両市長がサミットの場でアピールを行いました。
奈良市の仲川市長は、奈良市北部のJR平城山駅周辺と、JR奈良、近鉄奈良駅などの市中心部の2案を提示しています。奈良にも京都にも便利なことがアピールポイントです。天理市の南市長は、天理市北部を誘致の候補地としています。
両市長の説明の後、質問の時間がありました。ここで質問が集中したのは、仲川市長のほう。奈良市の案では、駅が北に偏りすぎて、県全体の恩恵が少ないからです。京都のことを気にするよりも、奈良県が進めている南部振興の観点から、奈良の「地域エゴ」になってもいいので、奈良県にとって便利なようにするべきだと考えている市町村長が多いようです。
奈良県だけのことを考えたら、奈良市の案は北に偏りすぎて、中南部に配慮した大和郡山市あたりのほうがいいでしょう。ただ、リニアは奈良だけのものではありません。あまり南に偏ったら東京、名古屋、大阪を一直線に結ぶというリニアの本質が害されます。その本質を害さない範囲で中間駅は設置しなければなりません。奈良市北部の学研都市にリニアの駅をつくる案はその点で優れています。京都にも一定の配慮がなされていて、評価できます。
ただ、奈良市の案にも問題がないわけではありません。JR奈良、近鉄奈良駅などの市中心部は確かに便利ですが、伝統ある奈良の都だけに掘れば遺跡が出てきそうです。奈良市北部のJR平城山駅周辺の案は、近鉄との接続が不便なことが欠点です(それが他の市町村長から突っ込まれる原因にもなっています)。仲川市長の話によれば、JR平城山駅から近鉄高の原駅まで1本の道路で結ばれますが、それでは改善されません。奈良県内はJRよりも近鉄のほうが便利ですから、JRを犠牲にしても近鉄に接続したほうがよいでしょう。奈良のあたりのJRは、(リニアを運営する)JR東海ではなく、JR西日本が運営しているので、必ずしもJRの駅にリニアを併設しないといけないわけではありません。便利なほうを優先させればいいのです。リニアと近鉄の交点に近鉄の駅がなければ、近鉄の駅をつくってもいいのです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130201/waf13020109200007-n1.htm)
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