大船渡線BRT、3月2日運行開始
東日本大震災により不通となり、路線バスへの振替輸送を行っている大船渡線気仙沼-盛間。気仙沼線同様、大船渡線もBRTによって復旧することになりました。3月2日に運行を開始します。BRTの運行に関する業務は岩手県交通・ミヤコーバスに委託します。なお、現在行っている岩手県交通への振替輸送は前日の3月1日に終了します。
気仙沼-盛間で専用道となるのは、大船渡-盛(田茂山踏切)間の約1.9キロ。ごく短い区間で、あとは一般道を走行します。その短い専用道区間には、途中一般道との交差点は4か所ありますが、2か所に信号機を設けます。信号機のある2か所は、普段は一般道側が青ですが、バスが近付くと一般道側が赤となるようです。残りの2か所には一般道側に一時停止の標識を設置します。専用道への出入り口や一般道との交差点には路面に色を付け、専用道と一般道を区別します。小友-大船渡間約11キロについては秋までに専用道化される予定です。
運行系統は、気仙沼-陸前高田間で国道45号を通ることもあり、6系統に分かれます。気仙沼-盛(国道45号経由。脇ノ沢、小友、細浦を通りません)、気仙沼-盛、気仙沼-陸前高田、陸前矢作-盛、陸前矢作-陸前高田、気仙沼-上鹿折の6系統です。このうち、最後の気仙沼-上鹿折間についてはミヤコーバス鹿折金山線の気仙沼駅前-上鹿折駅前間をBRT扱いとして運行するものです。道幅が狭いため、専用のバスでの運行が難しいのです。気仙沼、鹿折唐桑、上鹿折の3駅で乗降する場合に限り、バスより格安のJRの定期券・回数券が使えます。駅を越えて乗り降りする場合は、別途バス運賃が必要です。住民からは朝夕の増便を求める意見や、高校生の通学に関しては駅を越えて乗り降りした場合でも格安のJR運賃の適用を求める意見が出ています。
陸前高田市内には長部(鹿折唐桑-陸前高田間)、高田病院(陸前高田-脇ノ沢間)の2駅を新設します。陸前矢作、陸前高田、脇ノ沢の3駅は従来の駅とは違う場所にあります。大船渡駅の駅舎を整備し、陸前高田駅に「みどりの窓口」を復活させます。ただし、「みどりの窓口」の営業日は火・木・日曜日のみ、営業時間は10~13時、14~16時です。ノンステップ型のハイブリッド車両を順次導入し(大船渡線沿線県・市のキャラクターをラッピングした車両が走る予定です)、運行状況を確認することのできる「ロケーションシステム」を導入します。気仙沼、大船渡、盛の各駅の待合室にはモニターを置き(その他の駅は駅舎が整備され次第モニターを設置します)、各駅の駅名標の二次元コードを携帯電話等で読み取って確認することもできます。
大幅に運行本数が増えるのは気仙沼線と同じです。鉄道時代は19本(上下合計の数字、以下同じ)、振替バスは気仙沼-陸前高田間が12本、陸前高田-盛間が25本(うち国道45号経由が12本)だったのですが、BRTでは本数が大幅に増えます。気仙沼-陸前高田間は25本、陸前高田-盛間は51本(うち国道45号経由が10本)、陸前矢作-陸前高田間は37本、気仙沼-上鹿折間は11本運転されます。
運賃については、BRTのみを利用するときは鉄道と同額です(新駅となる長部、高田病院は新たな運賃を設定します)。気仙沼線BRTと乗り継いだときも、通しで運賃を計算します。BRTと鉄道を乗り継いだときは、気仙沼線同様、それぞれの運賃を合算します。気仙沼線同様、近距離からの利用(仙台、あおば通、東照宮、利府、鳴子御殿湯、女川、一ノ関、柳津の範囲内。ただし、東北新幹線古川-くりこま高原間を含み、有壁-一ノ関間、陸前原ノ町-福田町間を除きます)に関しては、乗継割引が設定され、鉄道部分とBRT部分の合算額から100円を差し引きます。仙台-盛間(大船渡線経由)が現行より190円高い3760円、東京-盛間(大船渡線経由)が現行より80円高い8800円です。定期券も近距離からの利用(乗継割引が設定される区間から東北新幹線古川-くりこま高原間を除きます)に関しては、1枚の定期券で発売し、運賃は従来と変わりません。
(参考:JR東日本盛岡支社ホームページ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1359612632_1.pdf、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130127_3、http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130129_8、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/01/20130128t13017.htm)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 小田急、新型「ロマンスカー」投入(2024.09.10)
「JR東日本」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 田沢湖線に快速(2024.09.01)
「バス」カテゴリの記事
- 函館線余市-小樽間の代替バスは1日125本(2024.09.08)
- 日田彦山線BRTの利用者の6割は観光客(2024.09.07)
- 札幌に水素バス(2024.09.01)
Comments