JR東日本と長野県が並行在来線の譲渡価格について合意
新幹線が開業すると、それまで特急が走っていた路線が並行在来線とされ、JRから分離されてしまいます。第三セクター会社がこれまでJRの持っていた線路、車両などの資産を買うのですが、その価格交渉が行われています(北陸新幹線開業に伴う、石川県、富山県の例はこちら)。そして1月29日、JR東日本と長野県の間で、譲渡価格の合意がありました。
合意された譲渡価格は約36億円。駅舎やレールは35億円弱、車両は5編成(1編成3両)で1億円弱です。しなの鉄道の試算では70億円と見積もっていたので、半額程度で購入できたということになります。車両は1編成約2000万円なので、旧型の115系なのでしょうか? 115系ならば、現在しなの鉄道が保有している車両と同じで管理しやすい、というメリットがあります。
JR東日本からは整備や観光宣伝などの支援策もあります。JR東日本は北陸新幹線の開業までに分離区間の駅舎、橋などの鉄道設備について整備を行います。レールや架線については交換します(約25億円)。JRとしなの鉄道が並走するところの架線は分離します(約7億円)。JR東日本にとっては合計約32億円の負担です。しなの鉄道への出向者の人件費の一部負担や、開業に合わせた観光PRなど、約44億円分の支援策も用意しています。資産は有償で買うこととなりますが、諸々の支援策があるため、阿部長野県知事の発言にあるように、実質的には無償になったとも言えます。長野新幹線開業時に軽井沢-篠ノ井間をJR東日本の言い値である103億円で買い、需要がかなりあるにも関わらず、この負担がしなの鉄道の経営を圧迫した(最終的に長野県は経営再建のため、しなの鉄道への貸付金103億円を債権放棄しました)という苦い教訓を勉強した成果とも言えます。JR東日本の言い値をそのまま受け入れるのではなく、普通列車しか走らないローカル鉄道としては過剰となる設備については、不要なものとして評価しないように強く求めた結果とも言えます(もっとも、現状でも特急列車が通らない信越線長野以北はほとんどが単線なのですが)。
また、2013年度から並行在来線の資産取得などに関する新しい自治体支援制度を始めますが、詳細は別記事で書きます。
(追記)
3月27日のしなの鉄道取締役会において、北陸新幹線金沢開業に伴い経営分離される、信越線長野-妙高高原間の路線名が「北しなの線」に決まりました。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO51123360Z20C13A1L31000/、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130130/ngn13013002170000-n1.htm、毎日jp http://mainichi.jp/area/nagano/news/20130130ddlk20020291000c.html、しなの鉄道ホームページ http://www.shinanorailway.co.jp/news/2013/03/680.php)
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