仙台貨物ターミナル駅、岩切地区に移転か?
仙台の貨物駅は仙台貨物ターミナル駅。1961年、仙台駅の東側を走っている貨物線上に宮城野駅として開業しました。この仙台貨物ターミナル駅に移転の構想があるようです。
なぜ移転しなければならないかと言えば、宮城県などが宮城野原公園総合運動場一帯に広域防災拠点を整備する構想があるため。このエリアには貨物駅のほかに、国立病院機構仙台医療センター、Kスタ宮城(楽天のホームグラウンド)、仙台市陸上競技場があります。災害時の支援物資の集約・中継、災害医療、関係機関の活動基盤などの機能を想定し、2020年度を最終年度とする県震災復興計画と連動した整備を目指します。貨物駅部分は都市公園になります。
貨物駅の移転候補先は、仙台貨物ターミナル駅から北東側の岩切地区。東北線東仙台-岩切間の国道4号バイパス東側に貨物駅をつくります。20両編成の貨物列車がまっすぐに停まることができ、物流拠点の若林区卸町地区や仙台港にも近く、近くにはJR貨物の仙台総合鉄道部(機関区)があります。実は現在の仙台貨物ターミナル駅は、今の貨物輸送の現状に合っていません。かつては貨車を細かく切り離し、行き先別に仕分けして連結し直していました。たくさん枝分かれする、扇形の配置はその当時の貨物輸送の形態に合っていたのです。ところが現在はコンテナ輸送が主流。貨車を切り離さずにコンテナを載せ替えます。そのような現状のもとでは、10両編成しか停車できないのはかなり不便です。貨物列車の切り離しが必要で、効率が良くありません。JR貨物側も貨物駅は移転させたいようで、岩切地区は複数ある移転先の候補の中でも有力なようです。
貨物駅の移転構想は震災後に急に出てきたのではありません。前々からありました。東北運輸局が2004年に発足させた検討委員会では、翌年に移転は必要だとの結論を出しましたが、それより前には進みませんでした。跡地の活用策が決まらなかったからです。今も費用の問題は重要です。JR貨物は現在地の売却益で移転費用に充てたいと考えています。つまり、宮城県がそれなりの金額で貨物駅を買い取ってくれることが重要なのです。
新年度に宮城県、仙台市、JR貨物が協議することにします。跡地の売却金額、移転費用の負担割合がどのようになるかで、貨物駅の移転が実現するかどうかが決まるようです。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/02/20130213t12008.htm)
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