かつて、関西方面からの修学旅行や新婚旅行の行き先として人気があった九州。その修学旅行や新婚旅行の行き先として九州を選んだ人たちは、今シニア世代になっています。人数の多いシニア世代は、重要なマーケットであります。
そこでJR西日本と長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島の九州5県は共同で観光キャンペーンを行います。2013年4月から1年間の期間限定で、団塊世代をメインターゲットとした観光キャンペーン、「リメンバー九州」を行います。団塊世代に人気のある谷村新司を起用し、谷村新司の学生時代の写真や谷村夫妻の懐かしい思い出の写真を提供してもらい、谷村夫妻によるTVCMやポスターなどによる宣伝も行います。JR西日本のホームページ「JRおでかけネット」内に専用サイト「リメンバー九州特設ページ」( http://www.sanyo-kyushu.jp/ )を用意し、エッセイを募集します。
JR西日本エリア内及び中京圏のJTB、日本旅行、近畿日本ツーリストなど主な旅行会社では、「リメンバー九州」キャンペーンの特別企画を楽しむことのできる専用の旅行商品を発売します。その一環として、全日空、日本航空、JR西日本の3社は、京阪神エリアを発着し、熊本・宮崎・鹿児島を周遊する(宿泊は宮崎県または鹿児島県霧島エリア)個人型旅行商品を発売します。片道は伊丹-宮崎間の航空機、もう片道は京阪神各駅-熊本・鹿児島中央間の新幹線です(限定「さくら」利用)。九州新幹線開業後、航空機と山陽新幹線・九州新幹線をセットにした個人型旅行商品の設定・発売は初めてのことであり、全日空、日本航空、JR西日本の3社による取り組みも初めてのことのようです。設定期間は4月1日出発から9月30日帰着までです(4月27日~5月6日、8月9日~18日は除く)。
(追記)
「リメンバー九州」は2014年度(2014年4月1日~2015年3月31日)も引き続いて行うことになりました。ただ参加する九州5県は、宮崎が外れ、代わりに佐賀が入っています。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3517.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3519.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/03/page_5390.html)
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京都駅八条口と松井山手駅、なんば(OCAT)とを結ぶ京阪バスの「直Q京都号」。3月16日にダイヤ改正を行いました。
今回のダイヤ改正では、松井山手への京都松井山手線、なんばへの京都交野なんば線ともに、京都市内の経路、停留所が統一されます。京都でループ運転せずに、京都駅八条口が起終点となります。
増便も行います。昼間時間帯は、京都松井山手線、京都交野なんば線を合わせて1時間に3本運転します。毎時間の発車時刻も統一され、京都駅八条口発の時刻でみれば、毎時0、20分が松井山手駅方面、45分がなんば(OCAT)行きです。45分のは松井山手駅には寄らず、高速京田辺に停まります。また京都駅八条口行きも、松井山手駅発が毎時10、45分、高速京田辺発(始発はなんば(OCAT))が25分となります。早朝、深夜なども増発が行われ、京都交野なんば線については、「京都駅八条口-松井山手駅-京阪交野市」「京田辺市役所-松井山手駅-なんば(OCAT)」という系統もできます。早朝、深夜の区間便が高速京田辺を通らずに松井山手駅を経由することになるのです(従来からの高速京田辺経由もあります)。
改正後のダイヤを見ると、バスは京都松井山手線、京都交野なんば線で共通運用するようです。これまでタイトなダイヤでしたが、共通化により余裕を持たせることができます。
(参考:京阪バスホームページ http://www.keihanbus.jp/pdf/express_20130316_m_n.pdf、http://www.keihanbus.jp/pdf/express_20130314.pdf)
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LCCのPeachは、国内線だけでなく国際線も運航しています。韓国、台湾、香港の3路線を運航しています。そのためもあって、関空のアジア観光客が増えています。関空の利用者が増えるということは、そのアクセスである南海の利用者も増えるということです。南海空港線の輸送人員も、2012年4~12月でみると、前年同期比約15%増の約620万人でした。
しかし、関西空港駅にいる38人の駅員のうち、中国人1人を除いては、韓国語や中国語ができるのはほとんどいません。そこで南海が考え出したのは、「指さしツール」と名付けた10ページのシート。電車の乗りかたや道案内、忘れ物対応などの案内文を、日本語、韓国語、中国語の3か国語でマニュアル化したものです。駅員がシートを指さすことによって、韓国人や中国人などと意思疎通を図るのです。シートは2月6日に、有人全駅に配付しました。関西空港駅の駅員の話では、外国人には急行、区間急行、普通の違いが分かりにくく(日本人でも沿線以外の人にはわかりにくいでしょう)、窓口に応対が短くなったと評価しています。シートを小さくした携帯版もあり、関西空港駅のほか、乗り換え駅である泉佐野や岸和田(特急が急行を追い越します)でも活用されているようです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130319/wlf13031912340009-n1.htm)
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以前にも記事にした通り、関西広域連合は28日、大阪市内で知事らの会合を開き、敦賀以西の北陸新幹線3ルートについて、米原で東海道新幹線に合流する「米原ルート」が最も優位に立つとし、このルートでの早期開業を提案することに決めました。4月下旬にも国とJR東海、JR西日本に対して提案します。
「米原ルート」が最も優れているとした理由は、(1)建設費が約5100億円と最も安いこと (2)費用対効果について、「若狭ルート」を100とした場合、「米原ルート」は211、「湖西ルート」は133となり、「米原ルート」が最も優れていること (3)北陸新幹線敦賀開業後に建設工事に着手した場合、(他のルートより2~4年早い)2038年に開業できること です。
「米原ルート」を支持する声は強く(「若狭ルート」を支持するのは福井県ぐらい)、こうなることは予想できました。しかし、重大な欠点があります。せっかく米原まで延長できたとしても、少なくともリニアが開業するまでは、米原での乗り換えが必要になるのです。東海道新幹線の過密ダイヤが続くので、乗り入れるのは難しいと考えているからです。フリーゲージトレインが導入できなかったならともかく、そうでない限りはわざわざ乗り換えのいる不便な「米原ルート」の建設を急ぐ必要はありません。「若狭ルート」でも数年待てばできるのです。しかもこちらは文句なしに新大阪直通です。フリーゲージトレインが失敗するのを期待するか、JR東海にリニア開業前でも新大阪乗り入れを認めてもらうか、あるいは何らかの方法でリニアの全線開業を早めるかのいずれかしかありません(ただし、JR東海は早期の全線開業には否定的です。国からの経営介入を嫌って、補助金をもらうという発想もありません)。参考にした記事にはありませんが、JR西日本の収入減をどうやってカバーするかも重要な課題です。敦賀-米原間を経営するJR西日本が、建設の拒否権を持っていますから。
費用負担についても確定はしていません。本来なら建設される場所である滋賀県が負担する話ですが、滋賀県は通過するだけだとして、受益に応じた負担を求めているからです。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO53341700Z20C13A3LDA000/、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130329k0000m010046000c.html、「週刊東洋経済 『鉄道』完全解明 2013」 東洋経済新報社)
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岡山電気軌道は、100%出資の子会社である和歌山電鐵のたまのイラストがたくさん描かれている、「たま電車」を走らせています。小ぶりな路面電車なので本家の1/3ほどの35匹のたまが描かれています。
その「たま電車」ですが、3月16日から「わかやま応援館」になりました。和歌山をPRする車両です。外観にも変化が現れました。「たま電車」に耳がつくことになったのです。たまのイラストと同じく、黒と明るい茶色の耳です。
実は岡山電気軌道、1年ほど前から耳のついた「たまバス」を走らせています。色は青。耳の付いた「たまバス」が来ると、小学生や女子高生が「今日はラッキー」と言ってくれるようです。
(参考:両備グループホームページ http://www.ryobi.gr.jp/kojima/%e3%81%8a%e8%80%b3%e3%81%ae%e4%bb%98%e3%81%84%e3%81%9f%e3%81%9f%e3%81%be%e9%9b%bb%e8%bb%8a/、http://www.ryobi.gr.jp/kojima/%e3%81%9f%e3%81%be%e9%9b%bb%e8%bb%8a%e3%83%bb%e3%82%8f%e3%81%8b%e3%82%84%e3%81%be%e5%bf%9c%e6%8f%b4%e9%a4%a8%e3%81%absun%e3%81%9f%e3%81%be%e3%81%9f%e3%81%be%e3%83%87%e3%83%93%e3%83%a5%e3%83%bc/、http://www.ryobi.gr.jp/kojima/%E3%81%8A%E8%80%B3%E3%81%AE%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%9F%E3%80%8C%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%83%90%E3%82%B9%E3%80%8D%E7%99%BB%E5%A0%B4/、http://www.ryobi.gr.jp/message/message_0904_04.html)
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京福電気鉄道(嵐電)は、3月15日に(年間約106万人の利用がある)嵐山駅のリニューアルを終え、使用を開始しました。リニューアルのテーマは、「安全で、お客様が使いやすい駅づくり」です。
今回のリニューアルの最大の特徴は、改札口がなくなったこと。駅構内を自由に歩くことができ、どこからでも入ることができます。嵐電はバスのように車内に運賃箱がありますので、改札口がなくなっても問題がないのでしょう。
また、ホームのかさ上げを行うことにより電車との段差を緩和しました。点字誘導タイルを全ホームに設置し、バリアフリー基準に適合するよう整備しました。雨にぬれることのないよう、ホーム上屋の新設・延長を行いました。ホームの照明はすべてLEDとしました。利便性向上のため、高額紙幣での購入やフリーきっぷの発売、8か国語に対応できるタッチパネル式の券売機を設置しました。窓口に並ばなくてもできるようになります。中央ホーム頭上には42インチ液晶ディスプレイによる案内表示を設置し、よりタイムリーでわかりやすい情報を提供できるようになりました。従来の駅務室とインフォメーションコーナーを統合し、より充実した駅サービスができるようになります。窓口の営業時間は駅ビル店舗の営業時間と統合し、9~20時となります。(改札口がなくなったことから)ホームとコンコースの両方にあったトイレはコンコースに集約し(老朽化していたホーム上のトイレは廃止)、コンコースの女性用トイレはブースを2倍に拡充しました。「駅の足湯」の整備も行いました。足湯から見ることのできる景観を広げるための改修、設備改修を行いました。
駅の周囲においても、新しい施設の建築が進められています。駅周辺にベンチや遊歩道、公園、ショップ、さらには京都・嵐山を象徴するオブジェを配置し、嵯峨・嵐山を彩るランドマークとして「駅」から「まち」に生まれ変わるようです。
(参考:京福電気鉄道ホームページ http://www.keifuku.co.jp/release/pdf/arashiyamast.pdf)
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南海はこの4月から、河内長野市にある美加の台駅を無人化する計画です。少子高齢化などによる乗降客の減少が理由です。
美加の台駅には、駅員がいる近くの駅と通話できるインターホンや監視カメラを設置して、利便性や防犯面に支障ができないように配慮されてはいるようですが、住民からの反発は強いようです。2011年度の1日平均乗降人員が4907人と利用者がそれなりにいて(このクラスの駅でも無人化しようとしているのは、よほど南海の経営が厳しいのでしょうか?)、しかも美加の台は約30年ほど前に、南海が住宅地として整備したという経緯が背景にはあるようです。
このような無人化の流れは、南海のみならず、いろいろなところであります。近鉄の無人駅化計画も記憶に新しいところですが、最近の駅は自動改札などを備えているため、無人駅だからといって運賃の収受漏れの心配がないのでしょう。JR東海の武豊線のところでも書きましたが、人件費のことを考えると、高価な機械を取りつけても投資を回収できると考えているようです。どうしても無人駅を回避したければ、地元自治体がお金を出すしかないでしょう。
(追記)
南海は2008年まで無人駅が全くありませんでしたが、4月以降は33駅にもなりました。全体の駅数がちょうど100駅なので、1/3に当たる数字です。無人駅は、今宮戎、粉浜、湊、松ノ浜、二色浜、吉見ノ里、淡輪、孝子、伽羅橋、深日町、西ノ庄、芦原町、木津川、津守、西天下茶屋、沢ノ町、我孫子前、浅香山、百舌鳥八幡、萩原天神、狭山、大阪狭山市、滝谷、美加の台、千早口、天見、紀見峠、御幸辻、紀伊清水、学文路、九度山、高野下、下古沢です。
無人駅が増えているのはほかも同様で、近鉄は全294駅のうち、2008年は32だった無人駅を57まで増やしています。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/national/update/0318/OSK201303180033.html、アド南海ホームページ http://www.adnankai.co.jp/appeal/kouya_passengers.html、MBSホームページ http://www.mbs.jp/voice/special/201304/12_post-246.shtml)
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JR東日本は、北陸新幹線用の新型車両、E7系について、試作車両が今年の秋に完成するとの見通しを示しました。国などの審査を経て、開業1年前の2014年春に長野新幹線に先行投入します。以前書いたように今年中に先行投入することはないようですが、北陸新幹線開業よりも早くE7系がデビューします。2014年春以降、徐々にE7系を増やしていくようです。
路線名と列車名にも触れておきます。路線名については、長野県側は愛称として「長野」を残すように求めていますが、富山、石川は「北陸」への統一を求めています。JR東日本によれば、システムの都合上、今年の早い時期に方向性を決めておかないといけないようです。上越を境に東側はJR東日本、西側はJR西日本となりますので、JR東日本エリアは愛称として「長野」を使ってもいいのではないでしょうか? 個人的には、東海道・山陽新幹線のように、長野・北陸新幹線としてもいいと思います。
列車名については、当然と言えば当然ですが、東京-金沢間を結ぶ便には、「あさま」とは別の名前をつけます。今年前半には公募を行い、その結果を受けてJR東日本、JR西日本の両社が選考を行い、早ければ公募開始から1~2か月後に正式決定します。
(追記1)
北陸新幹線の路線名については、JR東日本とJR西日本が経由地の意見を参考にして、遅くとも開業3か月前までに決めるようです。また、今のところは(上越駅の名称を巡る問題が起こる原因となっている)上越新幹線の名称を変更する予定はないようです。
(追記2)
長野新幹線「あさま」の名称は、北陸新幹線金沢開業により変更する可能性がありますが、それまではE7系を使用する列車でも「あさま」と名乗ります。
(参考:信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/20130321/KT130320ATI090003000.php、http://www.shinmai.co.jp/news/20130727/KT130726ATI090012000.php、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20130323101.htm、日経ケンプラッツ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20130614/619969/?P=1)
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富山地鉄路面電車の環状線は2009年の末に開業しましたが、合流地点の西町には停留場はありませんでした(そのときの旅行記はこちら)。
ところが、富山地鉄は、5月17日(予定)に、西町-荒町間の総曲輪通りと中央通りの入口交差点に、富山駅前方面行のみの停留場を新設します(南富山駅前方面行のホームはありません。西町停留場の南富山方面行ホームまで約50メートルしかないからです)。
新しい停留場の名称は「中町(西町北)」。戦前には同じ位置に「中町」電停がありましたが、戦後に廃止になっています。現在、町名は残っていませんが、かつてあった位置に復活することから、駅名称として復活することにしたものです。また、この新しい停留場は環状線と1、2系統との乗継停留場となることから、「西町北」の副名称を付け、現在の西町停留場と一体運用します。これまで環状線から1、2系統(南富山駅前方面)に乗り換えるには、西町停留場の一つ手前のグランドプラザ前停留場で降り、約200メートルほど歩いて西町停留場の南富山方面行ホームまで歩かないといけませんでした。中町停留場が開業したら、中町停留場から約50メートルほど歩くだけで西町停留場の南富山方面行ホームに着きます。かなりの短縮です。
停留場のプラットホームは長さ13.5メートル、スロープは6.5メートル。12メートルの上屋を設けます。スロープ付近には横断防止柵を設け安全を確保し、また電車接近装置を設置し運行情報を案内します。停留場設置費用は約5000万円ですが、全額富山市の補助金で賄われます。
なお、新電停開業に伴い、路面電車のダイヤ改正を行います。詳細は後日発表されます。
(参考:富山地鉄ホームページ http://www.chitetsu.co.jp/?p=5516、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/03/18/193849.html)
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以前書いたことと重複するところが多いのですが、再確認を兼ねて書きます。
2015年度末に予定している北海道新幹線新青森-新函館間の開業。新函館は仮称ではありますが、函館線渡島大野駅に併設されることは決まっています。函館駅へのアクセスのため、函館-新函館間のうち、すでに電化されている函館-五稜郭間を除く五稜郭-渡島大野間(14.5キロ)について電化することはすでに記事にしましたが、その起工式が4月20日に執り行われることになりました。2013年度でも早い時期に起工式を行うことになったのです(工事そのものは3月から行うようです)。交流2万ボルトで電化され、総工事費は約18億円です。
そして、新函館駅については、線路上に新幹線駅舎と在来線駅舎を建設しますが、以前にも書きました通り、新幹線ホームと在来線ホームを階段なしの同一平面で乗り継ぐことを基本とします。札幌開業まではできるだけ平面乗り換えができる在来線側に新幹線を停めるのでしょう。新幹線駅は2面2線(札幌開業時までには2面3線になります)、在来線はアクセス電車の発着するホームを含めて2面4線のホームが用意されます。乗換改札はホーム上にも橋上の駅舎にもできますが、札幌開業まではホーム上のがメインとなるでしょう。函館にはアクセス電車を導入し、札幌方面には「スーパー北斗」「北斗」が停まり、道央方面への乗り換えができる計画です。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130321-3-2.pdf)
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神戸電鉄粟生線は1951年12月に三木-小野間が、1952年4月に小野-粟生間が開業し、全線開通しました。今年度は全線開通してからちょうど60周年です。
そこで、神戸電鉄粟生線活性化協議会、神戸電鉄は、記念乗車券を発売することにしました。「粟生線全線開通60周年記念入場券」です。開通当時の工事風景や駅等を写真で紹介した台紙に、三木、大村、樫山、市場、小野、葉多、粟生の7駅の硬券入場券(昭和40年代のデザインを復刻、各170円)をセットにして、1190円で発売します。発売期間は3月19日~10月31日(有効期間も同じ)で、2000セット限定です。湊川など神戸電鉄主要駅(粟生線内では、鈴蘭台・志染のみ)のほか、アマゾンネットショッピングなどでも購入できます。この記念入場券には、3月19日から運行されるミュージアムトレイン(「しんちゃん&てつくんミュージアム」)の展示写真を見て回答するクイズ応募はがきもついています。クイズ正解者の中から抽選で20人に神戸電鉄1日乗車券がプレゼントされます。
特筆すべきことがあります。志染駅では、10月31日まで、購入者自身でダッチングマシーン(日付印字器)で当日の日付を入れることができます。また、入場券にもパンチ(改札鋏)で入鋏することができます。現地に行った人だけの特典です。
(参考:神戸電鉄ホームページ http://www.shintetsu.co.jp/release/2012/130314.pdf)
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京成グループが運行する、東京-成田空港間の格安リムジンバス「東京シャトル」。3月30日にダイヤ改正を行います。
今回の改正ですが、成田空港発の便が大幅に増えます。現行の23便が45便にほぼ倍増し、10~20時は20分間隔で運行されます。東京発は深夜・早朝便(東京駅を1:30~5:00に出発する便)を含めて1日20便なので(日中はおおよそ1時間間隔)、かなりアンバランスです。回送が大量に走るのでしょうか?
また、東京発の深夜・早朝便が2便から4便に増えます。東京駅1:30、2:00、4:30、5:00発の4便です。東京駅1:30発のみ東雲車庫始発で、後は東京駅始発です。東京駅5:00発のみ成田空港第1ターミナルに行き、後は成田空港第2ターミナル南止まりです。東京駅から成田空港第2ターミナル北までの所要時間は、東京駅1:30発が2時間、2:00発が1時間半、4:30発と5:00発は日中の便と同じ1時間です。ダイヤ改正前から引き続き運行されている東京駅1:30発の成田空港到着が1時間早くなります。すでに予約している人は御注意ください(予約はそのまま有効です)。
このほか、新たな運行業者として、リムジン・パッセンジャーサービスも加わります。
運賃については、3月30日~9月30日の間、東京発、成田空港発ともに900円となります(深夜・早朝便を予約せずに乗る場合は、1000円)。格安リムジンバスの名に恥じない、安い運賃です。
(追記)
京成バスは、東京メトロと連携して、「東京シャトル」と「東京メトロ1日券」(東京メトロ線一日乗り降り自由)をセットにした「東京シャトル&メトロパス」を4月1日から発売します。「東京メトロ1日券」も「東京シャトル」に乗車した日に限り有効です。
「東京シャトル」の乗車券と「東京メトロ1日券」を別々に買うと1610円かかるところ、1400円。210円お得です。成田空港第1ターミナル・第2ターミナルにある京成バス発券カウンターでのみ発売します。発券カウンターが閉まる夜間は購入できません。また、東京側では発売しません。往復の設定もありません。
(参考:京成バスホームページ http://www.keiseibus.co.jp/info/route.php、http://www.keiseibus.co.jp/info/upfiles/ae8adfe671a104c389368ad2dfbd8b27.pdf、http://www.keiseibus.co.jp/info/upfiles/5cb3ddab258e2690adf24341d0f2cc39.pdf、http://www.keiseibus.co.jp/info/upfiles/fbf7cc47c3ce8358947ede5f15528a5c.pdf)
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一畑電車は、4月1日にダイヤ改正を行います。
大きく変わるのは休日のダイヤ。現在は休日も、松江しんじ湖温泉-出雲大社前間を直通する急行「出雲大社号」が運転される以外は、松江しんじ湖温泉-電鉄出雲市、川跡-出雲大社前間の普通が主体です。それが大きく変わるのです。
休日の昼間は、急行「出雲大社号」以外の普通電車も、松江しんじ湖温泉-出雲大社前間を直通運転します。急行と合わせて7.5往復です。電鉄出雲市方面は川跡で乗り換えとなりますが、電鉄出雲市-出雲大社前間に直通特急を2.5往復運行します。川跡-電鉄出雲市間の特急も1往復運行します。大雑把に言って、この直通特急分が増発されることになります。
松江と出雲大社を観光で訪れる人には便利な、ダイヤ改正と言えるようです。
(参考:一畑電車ホームページ http://www.ichibata.co.jp/railway/newsrelease/2013/03/post-37.html)
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滋賀県東部を走る近江鉄道、西武鉄道の子会社です。
近江鉄道は本線(米原-貴生川間)、多賀線(高宮-多賀大社前間)、八日市線(近江八幡-八日市間)の3路線から成り立っていますが、この3月16日(ダイヤ改正も行われました)から、近江鉄道全線を4つの区間に分け、各区間の歴史・観光スポットや特色に由来する愛称をつけることになりました。
(1)米原-多賀大社前間から成る、彦根・多賀大社線。国宝の彦根城や「お多賀さん」の名で親しまれる多賀大社などがあるから名付けられました。ラインカラーは赤です。 (2)高宮-八日市間なら成る、湖東近江路線。区間の大部分が中山道と並行しており、湖東三山が存在することから名付けられました。ラインカラーは青です。 (3)八日市-近江八幡間なら成る、万葉あかね線。沿線にある万葉の森船岡山にある、額田王の和歌が刻まれた石碑から名付けられています。ラインカラーは緑です。 (4)八日市-貴生川間から成る、水口・蒲生野線。東海道の水口宿と沿線の古くからの地名である蒲生野から名付けられました。ラインカラーは黄です。
(参考:近江鉄道ホームページ http://www.ohmitetudo.co.jp/railway/info/2013/naming/index.html)
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JR東海は、山陽・四国地方の旅行に便利な「たびきっぷ」を発売します。
「たびきっぷ」は4種類、「岡山たびきっぷ」、「広島たびきっぷ」、「山口たびきっぷ」、「四国たびきっぷ」です。「岡山たびきっぷ」では岡山、倉敷が、「広島たびきっぷ」では広島、宮島、岩国が、「山口たびきっぷ」では山口、萩、津和野、仙崎が、そして「四国たびきっぷ」ではJR四国全線(岡山以南のJR西日本線などを含む)がフリーエリアです。5日間、フリーエリア内のJR線等が特急自由席を含めて乗り放題です(「広島たびきっぷ」では、山陽新幹線広島-新岩国間、JR西日本宮島フェリーも乗り放題です)。発駅は東京・品川(都区内)と名古屋(市内)の2つ。フリーエリアまでの往復は新幹線指定席が使えます(「のぞみ」が使えないとの明示的な表示はありません)。フリーエリア以外では途中下車はできません。
価格は結構お得です。東京・品川からだと、「岡山たびきっぷ」、「広島たびきっぷ」、「山口たびきっぷ」、「四国たびきっぷ」はそれぞれ、32000円、35000円、39000円、35000円(子供は半額)。東京・品川発の場合、岡山、広島、新山口までの運賃・特急券(「のぞみ」指定席、往復割引適用、通常期)に160~320円をプラスするだけで、フリーエリアまで乗り放題です。フリーエリアの広い「四国たびきっぷ」でも、岡山までの運賃・特急券(「のぞみ」指定席、往復割引適用、通常期)に3320円をプラスするだけで、フリーエリアまで乗り放題です。利用期間は4月2日~2014年4月5日(4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~2014年1月6日は利用できません。有効期間の延長もしません)、発売期間は4月1日~2014年3月31日です。「ゆき」乗車日の前日までに買う必要があります。発駅及び発駅周辺のJRの主な駅(JR東日本の駅で購入できるかは不明です)、主な旅行会社で発売します。
この「たびきっぷ」、3月末に廃止される「周遊きっぷ」を思わせる内容です。JRが発売するフリーきっぷの類は、JR各社のエリアで完結するものが多いのですが、その壁を乗り越えたものであるというのは評価すべきところです。発駅エリアのJR東海と、フリーエリアのJR西日本、JR四国とは良好な関係を保っているのでしょう。週末や連休の旅行には使いやすい切符です。今回の設定ではない新横浜、静岡などを発駅とするものの発売も望みたいところです。JR西日本が発売主体となりますが、京阪神発の設定も欲しいです。「2人以上のみ利用可能」などという変な条件をつけないで。
(追記1)
名古屋市内発の「たびきっぷ」は2014年4月2日利用開始分以降、通年で設定されます。
(追記2)
「たびきっぷ」は、「四国たびきっぷ」を除いて、2019年3月30日で発売を終了することとなりました。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000017939.pdf、http://railway.jr-central.co.jp/tickets/_pdf/oufuku04.pdf、https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000039389.pdf)
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以前にも書きましたが、札幌市交通局は、新型低床車両1両を導入します。
5月上旬に運行が開始されるその新型低床車両はA1200形。全長約17メートルの3車体連接の電車です。定員は従来の単車の車両(8500形)に比べて9人増の71人となります。出入口の床面高さは8500形より50センチ低い35センチで、乗降時の段差がなくなります。また、札幌市交通局の路面電車の車両としては初めて、冷房を搭載しました。2015年春開業予定(現在申請中)の市電環状線化までに、3両導入する予定です。市電の環状線化が終わった後に、既設線の整備を行います。2021年3月までに、停留所の幅を現行の1メートルから2メートルに拡幅し、バリアフリー対応とします。揺れ防止のゴムをレールにはめ込みます。
札幌市交通局関係なので合わせて書きますが、以前にも書いたとおり、「SAPICA」が札幌市交通局の地下鉄以外(札幌市交通局の路面電車と、JR北海道バス、じょうてつ、北海道中央バスの各路線)でも使えるようになる6月22日から、「Suica」(「Suica」と相互利用できるICカードを含む)による運賃支払い・チャージが可能となります。しかし、逆に「SAPICA」は「Suica」エリア(「Suica」と相互利用しているICカードエリアを含む)では利用できません。今後相互利用できるように引き続き協議を重ねるようです。電子マネーの相互利用はできず、「Suica」で地下鉄等を利用した場合は、「SAPICAポイント」は貯まりません。
(追記1)
札幌市交通局の新型低床車両は5月5日にデビューします。5月の間は区間運転を含めて1日3往復、臨時便扱いで運行します。6日を除く月曜日は運休の模様です。
(追記2)
札幌市は新型低床車両の愛称を募集していましたが、8月19日の愛称選定委員会で「ポラリス」と決まりました。「ポラリス」は北極星にちなんでいます。
(追記3)
札幌市はICカード乗車券「SAPICA」を導入しましたが、割増率の高い「ウイズユーカード」が残っているため、なかなか切り替えが進んでいないようです。今のところ「ウイズユーカード」の廃止の具体的な日程はありませんが、2014年2月以降にバス会社とICカード一本化に向けての検討はするようです。
(追記4)
新型低床車両「ポラリス」は年1~2編成のペースで増備し、2024年までに16本にする計画です。
なお、環状線ができた時点では、むしろ運用が効率化されるため、必要な車両が減るようです。旧型車両が減るのでしょうか?
(参考:レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/03/15/193671.html、http://response.jp/article/2013/03/14/193648.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20130314hog00m010001000c.html、http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20130409ddlk01010230000c.html、SAPICAホームページ http://www.sapica.jp/view/docs/2013031401_press.pdf、札幌市ホームページ http://www.city.sapporo.jp/st/shiden/teisyousyaryou.html、北海道新聞ホームページ http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/488205.html、「鉄道ジャーナル」2014年11月号 鉄道ジャーナル社)
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大船渡線のBRTは3月2日に運行を開始しましたが、気仙沼-上鹿折間についてはミヤコーバス鹿折金山線(気仙沼西高-鹿折金山間)の気仙沼駅前-上鹿折駅前間をBRT扱いとして運行します。気仙沼方面が1日6本、上鹿折方面は1日5本です。ともに始発の1便は平日のみの運行です。その内容について詳細が明らかになっていましたので、紹介します。
BRT扱いとなるBRT区間(気仙沼駅前-上鹿折駅前間)は、鉄道に準じた運賃となります。停留所ごとに運賃が定められ、130~200円です。気仙沼駅前-鹿折唐桑駅前間については、鹿折金山線を利用した場合は130円、盛方面へのBRTを利用した場合は140円になりますので、注意が必要です。BRT区間とミヤコーバス区間(気仙沼駅前-上鹿折駅前間以外)を連続して利用するときは、従来と運賃は変わりません。ミヤコーバスの普通回数券でも、BRT区間を利用することができます。BRT区間の鉄道駅(気仙沼・鹿折唐桑・上鹿折)以外のバス停から乗車し、鉄道やほかのBRT線の駅まで利用する場合は、外側の鉄道駅からの運賃が適用されます。逆方向の利用も同様です。例えば、両沢バス停から乗車し、気仙沼駅で鉄道に乗り換え千厩駅まで行く場合、両沢の外側にある鉄道駅、上鹿折から千厩までの運賃が適用されます。
定期運賃については、BRT区間とミヤコーバス区間では取り扱いが異なります。BRT区間だけを利用する場合は、JRの窓口でBRT定期券を購入します。1か月通勤定期券でみる限り、JRの地方交通線と同額です。BRT区間とミヤコーバス区間を連続して利用する場合は、2つの方法があります。ひとつは、BRT区間とミヤコーバス区間で定期券を分ける方法。もうひとつは、全区間のミヤコーバス定期券を買う方法。安いほうを選択すればいいですが、BRT区間とミヤコーバス区間に分けて定期券を買う場合、BRT区間はJRの窓口で、ミヤコーバス区間はミヤコーバスの窓口で定期券を分けて買う必要があります。1か所でまとめて買うことはできません。なお、BRT定期券はBRT以外のミヤコーバスに乗車することができず(バスにはBRTであることを示すステッカーが貼られています。定期券以外でも、JRの乗車券を持っている人は、BRT扱いになっているもの以外のミヤコーバスに乗ることはできません)、ミヤコーバス定期券では盛方面に直通するBRTに乗車することはできません。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/news/pdf_1361789170_1.pdf、http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/news/pdf_1361789238_1.pdf)
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名古屋の東部、岡崎と高蔵寺とを結ぶ愛知環状鉄道。国鉄時代の経営があまりにも下手だったということはありますが、利用者が多く、第三セクターの優等生的存在です。
さて、その愛知環状鉄道、朝夕のラッシュ時は15分間隔、昼間は20分間隔で運転しています。今でも(かつての国鉄時代の惨状を考えると)かなり便利のいい状態なのですが、さらに利便性を高めるため、2015年度にも、昼間の運転間隔をラッシュ時と同じ15分間隔にする方針を示しました。4日の愛知県議会で判明したことです。
なお、利用者の多い朝夕のラッシュ時の更なる増発は、行き違いや複線化、車両の増強など新たな投資が必要で、当分は難しいようです。確かに単線主体の愛知環状鉄道では、これ以上の増発は難しいでしょう。もし輸送力の増強が必要ならば、車両の増強だけで済む増結で対応するのがいいでしょう。
また、ICカードの導入については、多額の初期投資や、改札業務のありかたの見直しが必要なため、課題はありますが、利便性の向上につながるため、愛知県は愛知環状鉄道や沿線の市とともに導入することを検討していくようです。愛知環状鉄道はJR東海の中央線と直通していますが、ICカードは導入されていません。利便性の向上のためにも(運賃の収受漏れを減らすためにも)、ICカードの導入は前向きに検討することが望ましいでしょう。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20130305/CK2013030502000055.html)
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小牧と桃花台ニュータウンとを結ぶ新交通システム、「ピーチライナー」は、2006年に業績不振で新交通システムでは異例の廃止に追い込まれました。
その後、「ピーチライナー」の高架構造物は、撤去費用が多額なこともあり、そのまま残っています。全線の撤去には約100億円、小型車専用道路に改修した場合でも約90億円かかります。その費用をだれが負担するのか、ということもあり、そのまま残っていました。営業中の路線なら適切なメンテナンスを行うのでしょうが、廃線跡については朽ちていくだけです。東日本大震災後は、構造物の倒壊を不安視する人が増えたようです。
ところが、5日の小牧市議会で明らかになった内容によれば、愛知県は、県が所有する「ピーチライナー」の廃線跡のうち、国道155号バイパス区間(約3キロ)以外の高架構造物の撤去を決めたということです。愛知県の話によれば、撤去後の跡地は、駅前広場や自転車・歩行者道路などに整備されます。国道バイパス部分は高架構造物を残し、2009年3月に県の懇談会が示した、小型車専用道路としての活用策を引き続き検討します。
「ピーチライナー」の高架構造物をすぐに撤去できない原因として、補助金の問題も考えられますが、それについても何らかの目途が立ったのかもしれません。ただ、今のところは撤去の費用や具体的な方法、時期などは未定です。県は夏ごろに周辺住民への説明会を開いて、詳細を示したいとのことです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20130306/CK2013030602000052.html)
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朝来市の国史跡・竹田城跡は標高353.7メートルの山頂に位置します。完存する石垣遺構としては全国屈指のもので、「日本100名城」に選定されています。城の築かれている山全体が虎が臥せているように見えることから、「虎臥城(とらふすじょう、こがじょう)」とも呼ばれています。雲海に浮かぶ様が「天空の城」とも称され、近年、人気を集めているところです。竹田城跡の2012年度の訪問者数は過去最高の約21.5万人。ふもとの普通列車しか停まらない竹田駅の利用者数も昨年より約9600人増え、2月末現在で約49500人となっています。
そこでJR西日本は、4月27日から6月30日までの休日限定で(7月以降も臨時停車の計画はあるようです)、竹田駅に特急を臨時停車させます。「はまかぜ1号」「はまかぜ4号」「はまかぜ6号」の3本です。特急を停めるため、JR西日本はホームの拡張工事などを行います。
竹田駅からは、特急の停車日に限り、竹田駅を起点として、山城の郷、竹田城跡(中腹駐車場)を経由して再び竹田駅に戻る、「天空バス」を1日8便運行する予定です。8キロの道を35分で一周します。29人乗りの路線バスを使用し、竹田駅-竹田城跡間が250円、竹田駅-山城の郷間が200円です。1日乗車券は500円です。竹田城跡に最も近い休憩処、「山城の郷」では、事前予約制で「竹田城弁当」を販売します。但馬牛をメインに地元食材を使用したもので、価格は1000円台~2000円台です。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3474.html、神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201303/0005787619.shtml)
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JR西日本は、山陽新幹線新大阪-博多間を安く利用することのできる割引切符を3種類発売します。
まずひとつは、「スーパー早特きっぷ」。JR西日本のインターネット予約「e5489」で購入する、ネット予約専用の切符です。乗車するときに、JR西日本またはJR九州の「みどりの窓口」等で、決済に使ったクレジットカードにより、切符に引き換えます。JR西日本のクレジットカード(「J-WESTカード」)がなくても、手持ちのクレジットカードがあれば使えますので、敷居は低いです。「のぞみ」「みずほ」「さくら」などの普通車指定席に乗ることができ、値段は新大阪・新神戸-小倉・博多間が何と10000円(子供は4990円)。14日前までに買わなければならないとはいえ、安いです。同時にアナウンスされた他の割引切符同様、LCCに対抗する目的があるのでしょう。1人からでも利用でき、片道から使えます。当然ながら席数限定で、予約した列車の変更は一切できません(払い戻すことになります)。乗り遅れたら、特急券部分は無効となり、改めて買い直すことになります(後続の列車の自由席に乗ることはできません)。この切符は、特急券の区間を含む無割引の片道乗車券とセットで発売します。発売額の「10000円」は、大阪市内・神戸市内-北九州市内・福岡市内間の運賃との合算のものです。発売期間は3月26日から9月16日まで(利用開始日の1か月前から14日前(23:00)まで発売します)、利用期間は4月26日から9月30日までです。
二つ目は、「こだま早特往復きっぷ」。新大阪-博多間を直通運転する「こだま」の普通車指定席が利用できます(2つ以上の「こだま」を乗り継ぐことはできません)。席数限定の切符で(21日前からの発売開始なので、発売開始の時点ですでに満席で、購入できない場合もあります)、7日間有効です。購入の際に往復とも列車を指定する必要があり、指定列車の変更はできません(払い戻しのみです)。途中下車もできません。乗り遅れたら、「ゆき」「かえり」とも乗車券部分を含めて無効となります。改めて乗車券、特急券を買い直す必要があります。肝心の値段は、大阪市内-北九州市内間、大阪市内-福岡市内間、神姫ゾーン(立花-姫路間及び新神戸、和田岬駅。新幹線は新神戸、西明石、姫路から利用可)-北九州市内間、神姫ゾーン-福岡市内間の往復が15000円。子供はたったの3000円です。発売期間は4月5日から6月22日まで(利用開始日の21日前から14日前まで発売します)、利用期間は4月26日から7月12日まで(7月6日開始分まで)です。
なお、「こだま」を使った格安商品ですが、日本旅行の「バリ得こだま」は9月30日まで設定期間が延長されましたが(ただし、4月27日~5月6日、8月9日~18日の利用はできません)、阪急交通社の「GoGoこだま」は今のところ、4月以降の発売予定はありません。
そして、最後の三つ目は、「山陽新幹線4枚きっぷ」。「のぞみ」「みずほ」「さくら」等の普通車指定席を利用することのできる、4枚つづりの回数券です。購入日から1か月間利用できます。事前に座席の指定を受ける必要がありますが、自由席での乗車もできます。乗り遅れても当日中の普通車自由席なら乗ることができます。1回だけですが、出発時刻までなら指定した列車の変更もできます。なお、途中下車はできません。値段ですが、大阪市内-北九州市内間、大阪市内-福岡市内間、神戸市内-福岡市内間が52400円(1枚あたり13100円)、神戸市内-北九州市内間が51600円(1枚あたり12900円)です。子供の設定はありません。発売期間は3月22日から9月30日まで、利用期間は3月22日から10月29日まで(9月30日開始分まで)です。
(追記)
「こだま早特往復きっぷ」についてですが、発売期間が9月16日まで(利用開始日の21日前から14日前まで発売します)、利用期間が10月6日まで(9月30日開始分まで)に延長されました。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3488.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/items/130603_00_kodama.pdf、日本旅行ホームページ http://www.nta.co.jp/jr/shinkansen/kodama/moushikomi2.htm、阪急交通社ホームページ http://www.hankyu-travel.com/kansai/paxinfo/dome/umedagogokodama.pdf)
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首都高速と阪神高速は2012年から料金体制を変え、これまでのブロックごとの均一料金制から距離別料金に移行しました。首都高速については移行直後の状況を記事にしましたが、阪神高速はどうなったのでしょうか? それについて阪神高速は13日、2012年の1日当たりの交通量が前年より2%減って69.3万台になったのに、料金収入が3%増えたことを明らかにしました。
交通量の変化を細かく見ていくと、平日の交通量は、ETC車については、値下がりした区間で14%増えましたが、値上がりした区間では12%減りました。変化のない区間では1%増でした。トータルではETC利用者は1%増えました。一律900円となった現金払いの車は27%減りました。交通量は3%減り、料金収入も3%減りました。
これに対して休日は、高速道路の利用を促すための休日割引を廃止して、値上がりになるケースが多くなったにもかかわらず、2%しか交通量は減りませんでした。料金収入は19%も増え、トータルとしての料金収入が増えた要因にもなりました。
ただ、今回の増収の要因は、先ほども述べたとおり、2割引きの休日割引が廃止になった影響もあります。利用者への還元策を行うようです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130314-OYO1T00417.htm)
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長崎新幹線や北陸新幹線(富山-新大阪間)で導入が予定されているフリーゲージトレイン。特に長崎新幹線は、フル規格新幹線と狭軌の在来線が入り混じるため、フリーゲージトレインが実用化しないと話になりません。さて、そのフリーゲージトレインの開発状況はどのようなものでしょうか?
一時は否定的な話がいくつかありましたので(記事1、記事2)、意外かもしれませんが、順調に開発は進んでいるようです。2013年度以降は、3次試験車を新たにつくり、それで試験を行います(1次試験車は1998年製造、2次試験車は2007年製造)。この3次試験車については、以前にも書いたように、実際の車両と同じように座席なども取り付け、狭軌の在来線、軌間変換プロセス、標準軌の新幹線の3種類の線路を繰り返し走行することによって、耐久性をテストします。
これまで聞こえてきたフリーゲージトレインの欠陥も克服されつつあります。2次試験車において、新幹線区間では時速270キロ運転ができます。在来線においても、急カーブのある予讃線坂出-多度津間で、台車の改良などを繰り返した結果、半径400メートル以下の急カーブ区間でも、在来線の振り子特急並みの速度で走行可能になっているようです。急カーブが多い四国にフリーゲージトレインを導入するときは(新幹線で時速270キロしか出すことができないというスピードの面はともかくとして)、有効です。また、車両1両当たりの重量も改善されています。1次試験車では46.9トンだったのが、2次試験車では44.4トン。N700系とほぼ同等で、2階建て新幹線E4系(53.5トン)に比べれば、軽いです。軌間変換の手間も、すでに1次試験車の段階で、1分あれば編成全部の変換ができます。変換のための加減速のロスを考えても、約3分です。車内にいても変換によるショックは感じられず、ただゆっくりと走っているだけです。
(参考:「週刊東洋経済 『鉄道』完全解明 2013」 東洋経済新報社)
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小田急は3月23日に、代々木上原-梅ヶ丘間の地下化を行います。これにより、東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅が地下駅となります。踏切がなくなり、渋滞の緩和などに貢献します。
ところが、これで終わりではありません。引き続き、抜本的な輸送力増強、混雑緩和策である複々線化に向けての工事などを行います。さらに2線分のトンネルを掘るのです(これが最終的には緩行線となります)。東北沢-梅ヶ丘間の複々線化が完成し、代々木上原-和泉多摩川間11.1キロが複々線になって完成なのです。
複々線化がなされるのは2017年度。複々線化が完成しないと増発できず、複々線の効果をフルに発揮することができるのはもう少し先のことになりそうです。
(参考:小田急ホームページ http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/7934_4502300_.pdf、http://www.odakyu.jp/company/business/railways/four-track-line/1/、http://www.odakyu.jp/company/business/railways/four-track-line/3/)
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西武鉄道の親会社、西武ホールディングスの筆頭株主は、投資ファンドのサーベラス。32.44%の株式を持っています。しかし、両者は対立関係にあるのです。
前身の旧西武鉄道は、2004年に有価証券報告書の虚偽記載問題で上場廃止になりました。西武ホールディングスの上場は悲願で、2012年12月の東証一部上場を目指していました。その段階で、それまでは協調関係にあった両者が対立するようになったのです。売り出し価格が安すぎるというのです。証券会社が算定したところ、1株あたり1000~1500円としていますが、サーベラスは2000~2500円を狙っているのです。
サーベラスは株価を上昇させるため、企業価値の上昇策を打ち出しました。(1)利用者の少ない山口線、西武秩父線、多摩川線、国分寺線、多摩湖線の廃止 (2)特急料金の値上げ (3)プリンスホテルのサービス料を10%から20%に上げる (4)JR品川駅周辺の再開発計画参加を公表する (5)西武ライオンズの売却を含めた採算性向上の検討 などです。しかし、西武ホールディングス側はこの提案に反発し、主力行のみずほコーポレート銀行も同様の考えを持っています。
そこで、サーベラスは3月11日、株式の公開買い付け(TOB)を行うこととしました。主に外国人株主から株式を買い集め、定款変更や合併などの重要事項について拒否権を発動することのできる1/3超の株式を確保したいとしています。そのうえで、株主総会で委任状を集めることによって、過半数の議決権を確保。自分の息のかかった経営者に交代させ、(目先の利益を確保するための)大掛かりなリストラを行おうとしているのです。
もちろん、サーベラスは投資ファンドですから、儲けを目的にするのは当然のことで、それ自体は否定できません。しかし、あまりにも無茶で、投資家以外のだれの利益にもなりません。路線の廃止案にしても、とても廃止できないレベルの路線の廃止を要求するなど、帳簿以外は見ていない空論です。2010年度の輸送密度(平均通過数量)が1836人の山口線はともかく(しかも山口線は新交通システムのため、お金が余計にかかっている可能性があります)、19158人の多摩川線、21425人の多摩湖線は廃止するには1桁多い数字です。西武秩父線は駅間ごとの通過人員から推定すると、8258人で、廃止するには多すぎます。なお、国分寺線は不明ですが、山口線を下回ることはないでしょう。また、株価向上策の一つにある、JR品川駅周辺の再開発計画参加の公表は、まだ具体化していない話で、詐欺まがいのものです。
(追記1)
サーベラスは、TOB計画を変更するようです。当初(持ち株比率が1/3を超える程度の)最大4%を買い増す予定でしたが、新しい計画では持ち株比率を44.4%に引き上げたいとしています。西武側にサーベラスの提案を拒絶され、経営への関与を強めたいと考えたからだとみられています。
(追記2)
サーベラスによるTOBの結果、保有比率は35.48%となりました。何とか1/3は超えたものの、あまり多くは集まらなかったようです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130312k0000m020087000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130311/biz13031122400023-n1.htm、週刊ダイヤモンド http://diamond.jp/articles/-/33441、「週刊東洋経済 『鉄道』完全解明 2013」 東洋経済新報社、朝日新聞2013年3月27日朝刊 中部14版、時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2013040500074、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/13557?page=3、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNNSE2INK01_R00C13A6000000/)
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新大阪・京都と関西空港とを結ぶJR西日本の特急「はるか」。2011年のダイヤ改正で1時間に1本に削減され、さびしい状態となっていました。ところが、「はるか」を割安で利用することのできる切符の発売や(国内各地から海外に旅行する人向け、海外から日本を訪れる人向けの両方があります)、特急料金の値下げなどにより、「はるか」の利用客が増えているようです。
そこでJR西日本は、ゴールデンウィーク期間中、「はるか」を4往復増発します。4月27日~29日、5月3~6日の7日間、午後に京都-関西空港間の「はるか」を4往復増発します。途中停車駅は新大阪と天王寺です。
また、3月16日からは、「はるか」の車内字幕案内に韓国語(ハングル)、中国語(簡体字)の2か国語を加え、4か国語で案内を行います(これまでは、日本語・英語のみ)。車内の字幕案内での「次駅の案内」「停車中の現在駅の案内」「終着駅での御礼文」について、4か国語で行います。デッキに設置した、荷物置き場の使用方法を示すステッカーにも、韓国語・中国語の表記を追加します。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3448.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3453.html)
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少し前の記事の続報のようなものです。
滋賀県は11日、関西広域連合がまとめた、北陸新幹線敦賀以西の3ルート案について、「米原ルート」が有利とする考えを示しました。県議会や市町の意見を踏まえ、28日に開かれる関西広域連合の会合に提示します。
滋賀県が「米原ルート」を有利だとした理由は、建設費の安さ。建設するのが44キロだけなので、ほかの2ルートに比べて安く、経済波及効果も高いとしたのです。ただし、現行制度では新幹線の通る滋賀県が建設資金の1/3を負担しないといけません。「米原ルート」の場合、約1200億円です(米原での接続費用は対象外?)。滋賀県にとって便益に比べて財政的負担が大きいとして、利用者が多く見込まれる京都、大阪、兵庫などに受益に応じた負担をしてもらうことにしています。経済波及効果は京都、大阪、兵庫の各府県に9割が集中し、滋賀県は1割にも満たないようです。また、並行在来線となる北陸線や湖西線をJR西日本から分離させないことも求めています。そういう意味では、2年半ほど前と変わらず、条件付きの支持です。
他の府県についていえば、京都府は、「米原ルート」を支持しているところが多いようですが、「若狭ルート」を支持しているところもあります。自治体別にみれば、京都市は(京都市を通る)「米原ルート」あるいは「湖西ルート」、亀岡市、南丹市、京丹波町は(亀岡市を通る)「若狭ルート」を支持しています。福井県は、「若狭ルート」を支持する声が強いようです。「米原ルート」「湖西ルート」なら若狭地方は通らないですから。
総合的に見れば「米原ルート」を支持するのが多いようです。「米原ルート」なら、名古屋方面にも利便性が増しますから、愛知県などに負担を求めることもできます。お金を出さなければ名古屋方面への直通を取りやめ(米原で乗り換えてもらう)、建設費を節約する方法もあります。北陸新幹線が金沢まで開業すれば、米原経由で首都圏と北陸を行き来する需要は減り、「しらさぎ」は単に名古屋と北陸を行き来する人だけが使うものとなります。北陸新幹線開業時、「しらさぎ」を削減する話があるのはその表れです。
ただ、いくら関西広域連合が「米原ルート」を支持したとしても、拒否権はJR西日本が持っています。「米原ルート」の場合は、これまで自社に100%入っていた北陸-関西間の収入が、JR東海に取られてしまいます。赤字になってまで、新幹線を受け入れる必要はないのです。何らかの方法で、JR西日本の負担を抑える方策が必要でしょう。
また、「米原ルート」の場合、米原-新大阪間はJR東海の東海道新幹線に乗り入れます。ところが、東海道新幹線は過密ダイヤで、少なくともリニアが全線開業するまでは新大阪までの直通は難しそうです。建設費の安さにひかれて「米原ルート」を選択しても、実質的には2045年ごろまでできないのです。それなら、「若狭ルート」でも2045年ごろにはできてしまうのです。早期に開業させたいなら、リニア開業前でも新大阪乗り入れを認めさせることが必要です(もしくは、リニア全線開業を早めさせる)。少なくとも、リニア開業後は新大阪乗り入れを認めてもらわないと、何のために「米原ルート」でつくるのかわかりません。フリーゲージトレインが実用化し、富山-大阪間を直通運転していたならなおさらです。
「米原ルート」を選択するならば、「若狭ルート」では考える必要のない問題があります。JR東海とJR西日本の内諾を得ておく必要があるでしょう。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20130311000146、http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20130313000159、毎日jp http://mainichi.jp/area/shiga/news/20130312ddlk25020411000c.html、福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/40975.html、http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/41019.html)
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小湊鐵道の里見駅は、かつては列車がすれ違うことのできる構造になっていましたが、利用者が減ったために1998年に廃止され、その後は上総牛久以南では交換ができませんでした。しかし、その里見駅に15年ぶりに交換設備が復活します。
里見駅の交換設備が復活した理由は、里見駅近くに(統廃合により)小中一貫校ができ、そこへ列車を使って通学する児童・生徒が増えるとみているからです。市原市の要望によって交換設備の復活がなされ、ポイント設備、レール敷設費用など約8100万円は、国、市原市、小湊鐵道の三者が負担しました。
里見駅は、現行ホームが下り線用、復活するホームが上り線用になります。ポイントはスプリングポイント。通常、進路は一定方向に固定され、反対方面からの列車は車輪で押し広げて通過します。通過後は内蔵されているばねで元に戻ります。人力や電気設備などがいらないのが特徴です。里見駅は2002年から無人駅ですが、駅員を1人配置することにします。
3月16日にはダイヤ改正も行いました。上総牛久以南の平日の通学時間帯、下校時間帯(14時以降)の運行が上下で9本増えます。休日も1往復増えます。交換設備復活により、観光シーズンには臨時便などを設定しやすくなり、小湊鐵道は観光客による利用者増加も目指しています。
(参考:千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/c/news/local/127470)
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福岡市内の都市交通は、地下鉄を福岡市交通局が、バスを西日本鉄道が担っています。他の大都市なら地下鉄とバスを同一事業者が運営しているため、バスが都心まで直通するのではなく、地下鉄駅で接続させるのですが、両者がライバル関係にある福岡では天神や博多という中心部までバスを直通させています。バスが都心まで直通してくれるので、利用者にとってはありがたいかもしれませんが、通勤時間帯や休日はバスで渋滞し、二酸化炭素(温室効果ガス)も増えてしまいます。
そこで、ようやく福岡市地下鉄と西鉄バスは、これまでのライバル関係から「棲み分けと共存」関係に方向転換することになりました。2011年8月に課長級職員による勉強会を設立、渋滞緩和に向けて、協議を行ってきました。その結果、いくつかの地下鉄駅を拠点として大型バスターミナルを整備し、郊外から都心に向かう人は拠点駅でバスから地下鉄に円滑に乗り継ぐことのできる交通体系を構築するのが最も有効だという結論になりました。
これまでも西新や藤崎、姪浜などが拠点駅となっていましたが、円滑さを重視して再整備します。九大教養部跡地の六本松や野芥なども拠点駅として整備することを検討しています。拠点駅には、駅前広場や商業施設を整備する構想もあります。周辺に土地がない場合は、歩道にバスが停車できるよう切れ込み(バスカット)を入れ、拠点駅周辺の渋滞を緩和します。利便性の高い拠点駅を選ぶため、地下鉄やバスの利用者モニターやアンケートを行うようです。福岡市の2010年の1日当たりの鉄道とバスの乗車人員は合計108万人。拠点駅の整備によって、これを2022年には120万人に増やす計画です。
福岡市地下鉄と西鉄が方向転換したのは、都心の渋滞が年々悪化しており、利便性も上がっていないため。福岡市が2005年に実施した調査によれば、市民の通勤・通学の交通手段にバスを使う人は、当時の政令指定都市では1位の、8.3%。西鉄のある福岡らしい数字です。しかし、バスがあまりにも多いため、バスによる都心部の渋滞を招いています。天神のメインストリートである渡辺通りの1日の交通量4.2万台のうち1割をバスが占めています。渋滞によりバスのダイヤも乱れがちです。採算も厳しいです。福岡市地下鉄は補助金を除くと毎年10億円前後の赤字を計上していて、市の財政を圧迫しています。西鉄バスも厳しく、2年前に大規模な路線統廃合に踏み切りました。そこで不毛な誘客合戦を止め、「棲み分けと共存」に方向転換することにしたのです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130311/fkk13031102110001-n1.htm)
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この3月31日に低床車両が登場する福井鉄道ですが、古い車両も登場することになりました。
その古い車両は、1965年に製造され、ドイツのシュツットガルトで約25年間使われていました。1990年に土佐電鉄が購入し、2005年までイベント用などで使われていましたが、その後は使われないままとなっていました。それを福井鉄道が購入したのです。白と黄色のツートンカラーで、先頭部分は丸みを帯びています。車体にはドイツ語の広告が残っています。車両代や整備費など7800万円かかりますが、福井県が全額負担します。外国の路面電車は高知や広島にしかなく、鉄道ファンなどを呼び込むのが狙いです。
ドイツの路面電車は、2014年春から路面電車区間(木田四ツ辻-田原町、福井駅前への枝線の合計3.3キロ)で、休日を中心に走ります。ホームページに運行予定を掲載することも検討しています。
(追記1)
土佐電鉄の社長が株主との面談で元暴力団組長の名前を出した問題により、土佐電鉄の保有するドイツ製の車両を福井鉄道に導入する事業がストップしているようです。高知県の調査の行方によっては、福井鉄道の導入の時期が遅れることもあるようです。
(追記2)
2014年4月に、土佐電鉄で使用されていたドイツ製車両が、福井鉄道に導入される見通しです。
福井鉄道は2014年2月17日から3月9日の間、この車両の愛称を募集しています。福井県民のみが応募することができます。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130314-OYT1T00393.htm、毎日jp http://mainichi.jp/area/fukui/news/20130410ddlk18020484000c.html、福井鉄道ホームページ http://www.fukutetsu.jp/news/3476.html)
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JR西日本は、2017年度までの5年間の中期経営計画を発表しました。中期経営計画はあまりにもボリュームが大きいので、気になるところをピックアップします。
JR西日本は、JR東日本やJR東海に比べてお金がないためか、国鉄時代につくられた古い電車が大量に走っています。アーバンネットワークの大阪環状線、阪和線、大和路線などで103系が今なお走るのはその象徴です。広島支社管内に至っては、JR以降につくられた新しい電車は、新幹線を除いて1両もありません。未だに国鉄型車両ばかりが走っています。製造後50年を経過している車両もあるのです。
ところが、その広島支社管内に、新型車両が入ることになるのです。広島支社管内に新型車両が入るのは、約30年ぶりのことです。新型車両は2014年度から順次、投入されることになります(具体的な投入スケジュールは未定)。2014年度から、広島支社管内で今使われているATSに替えて新しい保安システムを導入する予定です。それに合わせて新型車両を投入することとしたのです。新型車両は山陽線白市-岩国間を走ることになります。新型車両は急坂のある区間(瀬野八)に対応するため新たに設計され、115系車両と置き換えていきます。
新型車両は大阪環状線にも投入されます。先ほども述べましたが、大阪環状線は1969年に投入された103系が今なお走っています。JR京都線やJR神戸線に比べて私鉄との競合が少なかったため、これまで投資が抑えられてきましたが、あまりにも古くなったため新型車両を投入することとしたのです。2013年度からの5年間で、新型車両の投入、主要駅の改装、高架下の利用などのテコ入れを行います。
また、中期経営計画では一行だけの記述にとどまりますが、「新たな豪華列車」の導入を考えています。JR西日本の豪華列車と言えば「トワイライトエクスプレス」ですが、種車がブルートレインなので、かなり古くなっています。しかも、北海道新幹線新函館開業によって、このまま北海道へ行くことができるか不明確な状況となっています(瀬戸内海沿いを走るのは、その後を見据えてのものでしょうか?)。「新しい豪華列車」の姿がどのようなものか、早く知りたいものです。
鉄道事業以外のことにも触れておきます。大阪駅ビルの百貨店「JR大阪三越伊勢丹」は2011年に開業しましたが、苦戦が続いています。運営会社「ジェイアール西日本伊勢丹」は債務超過に陥っています。専門店街「ルクア」が好調なのとは対照的です。そこで売り場を大幅に見直し、2015年春に改装開業する計画です。「ルクア」の一部のテナントを「JR大阪三越伊勢丹」側に移転する案やショッピングセンターを導入する案があります。詳細は今後、パートナーの三越伊勢丹ホールディングスと詰めます。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/company/info/plan/pdf/plan_2017.pdf、中国新聞ホームページ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201303140016.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/business/update/0312/OSK201303120001.html、Sponichi Annex http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/03/13/kiji/K20130313005386530.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130313/biz13031318440033-n1.htm)
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旧国鉄広尾線の幸福駅は、同じ路線の愛国駅とともに、「愛の国から幸福へ」のキャッチフレーズで知られていました。1987年に広尾線が廃止になった後も多くの観光客が訪れ、「恋人の聖地」にも認定されています。
しかし、幸福駅の駅舎は木造で建築から57年が経過し、老朽化が著しいです。本来なら廃線から25年も経っているので駅舎を残す必要はないのですが、帯広の観光名所になっています。そのため駅舎を残すのですが、耐震補強を行うのが難しいほど老朽化しているため、一度取り壊して今と同じような建物をつくります。駅舎以外にも整備します。ホームにあるディーゼルカー内をパネルや写真で観光情報を発信するスペースにします。駅舎西側の「幸福ふれあい公園」にハッピーセレモニー(模擬結婚式)用のステージを用意するようです。
帯広市は今年秋を目途に改築、整備を終えたいようです。そして、新駅舎の披露に合わせて、ブームから40周年のイベントも行います。駅舎等の事業費は3300万円で、帯広市の2013年度予算案に計上しています。
(追記)
幸福駅の駅舎は9月に解体され、建て替え工事が行われました。新しい駅舎は、旧駅舎外壁の半分を再利用するなど昔の面影を残しています。11月16日には完成記念セレモニーが行われ、多くの市民や観光客が訪れました。なお、新しい駅舎でも名刺を貼りつけることができ、早速市長が自らの名刺を貼りつけました。
(参考:十勝毎日新聞ホームページ http://www.tokachi.co.jp/news/201302/20130221-0014821.php、http://www.tokachi.co.jp/news/201311/20131116-0017096.php)
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3扉転換クロスシートのディーゼルカー、キハ25形は2010年度に10両(2両編成5本)つくられ、武豊線で走っています。
そのキハ25形が増備されることになりました。2014~2015年度にかけて、52両を新製し、高山線、太多線、紀勢線、参宮線に順次投入します。まず2014年度は16両を新製し、高山線、太多線に投入します。2015年度は36両を新製し、紀勢線、参宮線に投入します。
今回増備される車両は、2010年度につくられた10両にはなかった、新しい機能を追加します。N700Aで導入した、台車等の状態を常時監視する振動検知装置を在来線車両として初めて搭載します。車両故障の前兆を早期に見つけるためのものです。また、鹿が衝突した際、線路外に押しのける衝撃緩和装置も装備します。室内灯にはLEDを採用し、燃料の軽油の消費量を1%程度減らします。投資額は付帯費用を含めて約120億円です。
今回の増備で取り換えられるのは、国鉄型のキハ40形。JR東海には国鉄型のキハ40、キハ47、キハ48が合わせて59両在籍しますが、これがすべて取り換えられ、国鉄型のディーゼルカーはいなくなります。全部JRが発足してからの車両となります。電車も313系の投入がすすめられ、昨年の119系に続き、3月16日のダイヤ改正をもって117系が定期運用から引退します。イベント列車のように特殊なものを除いて電車もディーゼルカーも古い国鉄型はいなくなるのです。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000017822.pdf、http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000021810.pdf、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013031490201826.html、鉄道コム http://www.tetsudo.com/news/798/%E5%9B%BD%E9%89%84%E5%9E%8B%E6%B0%97%E5%8B%95%E8%BB%8A%E3%82%92%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%BD%AE%E3%81%8D%E6%8F%9B%E3%81%88%E3%81%B8%E3%80%81JR%E6%9D%B1%E6%B5%B7/)
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JR四国はこれまで、夏季(6月1日~9月30日)と冬季(12月1日~3月31日)の間、特急を除く車掌の乗務する列車において、半自動扱いを行っていました。乗客が自らドア開閉押しボタンでドアを開け閉めするのです(もちろん、車掌等が安全を確認しています)。
この半自動扱いの認知度が上がってきたことなどから、JR四国は4月1日から、ドア半自動扱いを通年化することにします。春や秋も半自動になるのです。
通年半自動扱いの対象になるのは、ドア開閉押しボタンのある198両。内訳は113系12両、121系38両、7000系36両、6000系6両、5000系18両、1000型38両、1200型18両、1500型32両です。ただし、ワンマン列車については、地上運賃収受型ワンマン列車を除いて半自動扱いはしません。「マリンライナー」については、一部列車を除いて高松駅でのみ半自動扱いを行います。
昔の半自動は重たいドアを手で開けるものだったのですが、最近はボタンを押すだけで開閉できるので、寒冷地以外にも普及してきています。冷暖房が外へ逃げず、節電にもつながります。なお、ドア開閉押しボタンのないキハ47形19両については、現行通りの夏季、冬季のみ半自動扱いを行い、通年扱いとはしません。
(参考:JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/13-03-04/02.htm)
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鉄道各社において、いろいろな新しい技術を開発しています。このほど、JR西日本が行っている、「車上主体列車制御システム(無線式)」、「バッテリー電車」の開発状況が明らかになりました。まずは「車上主体列車制御システム(無線式)」から。
現在の列車制御システムは、膨大で複雑な地上設備が主体の構成となっています。そこで、発展著しい情報通信技術や汎用技術を活用した新しい列車制御システムをしました。これによりさらなる安全性の向上、保守作業の省力化や設備の簡素化などの固定的経費の軽減を目指します。
この新しい列車制御システムはJR東日本のATACSをベースにしています。列車が自らの走行位置を検知し、無線を使って車両と地上設備間で連続的に双方向の通信を行うことにより列車の制御をします。前方車両の位置や速度制限箇所などの情報を入手し、列車が自らブレーキ制御パターンを作成し、それにしたがってブレーキ制御を行います。
JR西日本では2008年度から開発に着手し、吹田総合車両所構内において、列車の速度制御、間隔制御など基本性能の確認試験を行いました。今年2月から3月にかけて、嵯峨野線亀岡-園部間で走行試験を行いました。在来線試験車「U@Tech」を使用し、車両に搭載した列車の位置検知や速度制御などを行うための装置の基本動作確認、車上装置と地上装置との通信を連続的に行うための地上の無線基地局の切替確認などを行いました。今後は、安全性に関するシステム評価、無線の安定性などの技術的課題を解決していくようです。2017年度までに実用化のめどを図ります。
続いては「バッテリー電車」。鉄道会社なので当然と言えば当然ですが、JR西日本の消費するエネルギーのうち約8割が列車の運行に関するものです。つまり、省エネのためには列車の運行で使うエネルギー量を減らすことが不可欠です。その方法として、非電化区間でも走行可能な「バッテリー電車」の技術開発を行うこととしました。
「バッテリー電車」は、駅や基地などに停まっている間に、運転に必要な電力を架線から蓄電池に充電します。非電化区間ではその充電した電力によって走行します。ブレーキ使用時に発生する回生電力は蓄電池に充電され、走行用に使えます。JR西日本が開発している「バッテリー電車」は、量産効果が期待でき汎用性の高いリチウムイオン電池を採用していることや、既存の電車の高圧機器をそのまま使うことができる高圧蓄電池システムを使っていることが技術的な特徴です。これによりシステム構成の簡素化を実現しています。
「バッテリー電車」は2010年度から開発に着手しました。バッテリー単体での安全性、耐久性の評価、モーターとモーターの駆動を制御する装置との組み合わせによる試験などを実施しています。今年2月には山陽線網干-有年間で走行試験を行いました。223系電車に開発中の蓄電池システムを搭載し、実用に向けた確認を行いました。今後は、リチウムイオン蓄電池の安全性、小型・軽量・低コスト化などの技術的課題を解決していきます。2017年度までに性能試験を完了します。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3412.html、http://www.westjr.co.jp/company/info/plan/pdf/plan_2017.pdf)
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南海トラフ巨大地震によって来ることが予想される津波に備え、JR西日本は、紀勢線下里-紀伊浦神間の那智勝浦町内に、簡易ホームを設置します。簡易ホームは高さが約1メートル、幅が約5メートル、奥行きが約1メートル。2基設置され、手すり付き階段も付いています。
海岸沿いを走る紀勢線の列車には、避難用はしごと簡易はしごを2基ずつ備えています。津波の予想浸水区域のうち、予想津波高50センチ以上の区間の始点と終点に看板が設けられ、50メートルごとに避難誘導の矢印や避難場所を示した看板を設置しています。これまで地震が起こったときは、列車を停止させた後、はしごを使って乗客を降ろし、看板に従って避難誘導することとしていました。しかし、場所によっては、地震発生後すぐに津波が来ることが予想されるため、速やかにかつ安全に避難するため、簡易ホームを設置することにしたのです。列車の走行場所や線路の状態によっては、簡易ホームまで走行してそこではしごを使わずに乗客を降ろすということもあるようです。
JR西日本の話では、駅間にこのような簡易ホームを置くような事例は初めてということです。9日に行われた住民参加の津波避難訓練で使用され、今後は簡易ホームの設置個所を増やしていく方針のようです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20130301ddlk30020435000c.html)
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フランスの高速鉄道、TGV。そのTGVに、4月2日から、格安版の「OUIGO」(ウィゴー)が登場します。パリ-マルセイユ間の最低価格がたったの10ユーロ(約1200円)です。1981年のTGV開業以来の初めての試みで、若者や家族連れをターゲットに、航空機などとの価格競争に挑みます。
TGVは全部で460編成ありますが、そのうち4編成を格安用として改装します。開始当初は1日3~4往復程度です(マルセイユ行きとモンペリエ行きの合計)。通常は8両編成のうち一等車が3両、ビュッフェもありますが、これがすべて2等車となります。8両全部に2階建て車両を使うことで、客席数を2割増やし、1268席とします。
ターミナルも通常のTGVとは異なります。パリ中心部の駅は高額の路線使用料金が発生し、混雑のため運行本数も制約されるので、使いません。中心部から鉄道で約40分の郊外の駅から出発します。ディズニーランドに近いマルヌラバレから出発します。途中経由するリヨンも、郊外の駅に停まります。そんな格安版でも走りだせば速さはTGVとほぼ同等、パリ-マルセイユ間を約3時間10分で結びます。
料金は時期や予約の状況に応じて変わるため単純には言えませんが、パリ-マルセイユ間の4月上旬の片道運賃(2等)の最低価格で比較すると、TGVのオンライン限定サービスは35ユーロ、夜遅い時間のTGVは37ユーロですが、「OUIGO」は15ユーロです。ちなみに「OUIGO」の最高価格は85ユーロで、TGVなら100ユーロを超えることもあります。
「OUIGO」は通常のTGVとは異なるところもあります。手荷物は2つ目から追加料金がかかり、チケットはオンライン限定、発車時刻の30分前までに駅で手続きする必要があります。まるでLCCです。
(追記1)
「OUIGO」のターゲットは18~45歳。具体的には、学生、若いビジネスマン、幼い子供連れの家族、小グループの旅行客です。12歳以下の子供については、大人同伴であれば、乗車区間に関係なくたったの5ユーロ均一です。4~8人の小グループも、乗車区間に関係なく20ユーロ均一となります。
特に子供連れについて言えますが、人数が多くなるとトータルの交通費は高くなります。それが「OUIGO」だと子供はたったの5ユーロ。家族連れに優しいです。
(追記2)
「OUIGO」は成功しているようで、2016年9月にはパリからナント方面へ、2017年にはレンヌとボルドー方面へ運行する計画となっています。
(追記3)
2016年4月3日から、パリ-ブリュッセル間などでタリスを運行するタリス・インターナショナル社は、パリ北-ブリュッセル南間に「izy」の運行を始めました。この「izy」は1列車当たり10人限定で、たった10ユーロでビュッフェカーの立ち席に乗車できるという格安プランがあります。なお、ビュッフェの営業は行っていません。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130223k0000m030070000c.html、J-CASTニュース http://www.j-cast.com/2013/03/08168757.html、「鉄道ジャーナル」2013年9月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2015年7月号 鉄道ジャーナル社、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/123058)
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岩手県北自動車とフジエクスプレス(富士急行の100%子会社)は、3月22日から東京-久慈間に夜行高速バス「岩手きずな号」を運行します。乗合バスです。
「岩手きずな号」は、久慈市からの要望に基づき開設されるもので、東京と岩手県北部を結ぶ初めての高速バスとなります。久慈は、今年4月から始まるNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」の舞台となるところであり、地域住民の利便性向上のほかに、観光面への期待も持たれています。
「岩手きずな号」は東京では芝浦車庫を起終点とし、田町駅入口、六本木ヒルズ、東京駅八重洲口、東京ドームホテルに停まります。岩手県側では、盛岡駅西口、厨川駅(県北バス盛岡営業所)、八幡平(おらほの温泉)、二戸駅西口、九戸(オドデ館)、久慈駅前に停まり、久慈営業所が起終点となります。久慈行きは、東京八重洲口22:45発、盛岡駅西口7:00着、久慈駅前9:50着。東京行きは、久慈駅前20:05発、盛岡駅西口23:00発、東京駅八重洲口7:05着です。
この「岩手きずな号」では、昨年7月からスタートした新しい高速バス運賃制度を採用しています。従来は(乗車日によって変更するところは最近増えていますが)定額であったバス運賃を一定の幅の間で変動させることができるという「幅運賃制」です。LCCの航空運賃みたいに、需要に応じて値段が変動していきます。予約してから値下がりすることもあり得ます(ただし、この場合でも差額の払い戻しはしません)。東京-盛岡駅西口間の運賃は4400~6500円、東京-久慈駅前・久慈営業所間の運賃は6000~8500円です。4列シートであることもあり(トイレはあります)、結構安くなっています。
(参考:岩手県北自動車ホームページ http://www.iwate-kenpokubus.co.jp/archives/2446/)
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日本とインドは、インド国内の高速鉄道整備事業に日本の新幹線技術を採用することで合意する見通しとなりました。台湾に続き、インドにも新幹線が走ることになります。インドのシン首相が5月下旬に来日し、そのときに行われる首脳会談で合意の確認を行うようです。
新幹線が走るのは、インド西部のムンバイ-アーメダバード間、約500キロ。新幹線が走ると、両都市間の所要時間が現在の約10時間から約2時間に短縮されます。事業費は9000億~1兆円で、JR東日本や川崎重工業などが参加します。着工時期は2015年度以降になる見通しです。用地買収などに数年かかるからです。
日本側は車両や運行システムなどの技術を一括して提供する「パッケージ型インフラ輸出」としたい考えで、これが実現すれば新幹線では初めてのケースとなります(台湾のケースは車両のみ)。日本の技術は優れているかもしれませんが、高価という重大な欠点があります。それを乗り越えて採用してくれたインドに対して、最善のものを提供しないといけないでしょう。他の国へのアピールにもつながります。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130310-OYT1T00174.htm)
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以前に書いた記事の続報です。高速路線バス、昼間運行する貸切バスについても新しい基準案ができました。
高速路線バスのうち、夜行バスについては、ツアーバス同様、1人で運転することのできる距離を原則400キロとします。昼行についても、新たに原則500キロの上限を設けます。1日の乗務時間は距離にかかわらず9時間までとし、遠隔地でのテレビ電話などによる点呼を義務付けます。デジタル式運行記録計による運行管理や乗務中の運転手に体調を報告させることを条件に、例外として夜行は500キロまで、昼行は600キロまでの運転を認めます。
昼間運行する貸切バスについても、運転上限は500キロになります。貸切バスについては、運行中に1時間以上休憩した場合には600キロまで認めるようです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130213k0000m040043000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130307/plc13030711010005-n1.htm)
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北陸新幹線の最大の課題は、敦賀以西のルートが決まらないこと。この課題の重要さは、敦賀までの着工が決まった後においても、変わりません。
敦賀以西のルートは3つ考えられています。若狭や亀岡を経由する「若狭ルート」、湖西線沿いに走る「湖西ルート」(京都駅で東海道新幹線に接続)、米原で東海道新幹線と接続する「米原ルート」です。いずれも一長一短があり、なかなかひとつに決まりません。そんな中、関西広域連合が3ルートの建設費を試算しました。関西広域連合は早ければ今月28日にも意見を取りまとめ、国に提案する方針です(ただし、ルートに対する評価に加え、費用負担のありかたについては調整はついていません)。
「若狭ルート」は建設距離が123キロと最も長いため、建設費は一番高く、約9500億円。「湖西ルート」は建設距離が81キロで、建設費は約7700億円。「米原ルート」は建設距離が44キロと最も短いため、建設費は約5100億円にとどまります。米原で新大阪方面に直通せずに乗り換えさせた場合、約3600億円でできます。
建設費の安さから「米原ルート」を推す考えもあるようですが(ただし京都府は、災害時の東海道新幹線の代替性や福井県など北陸地域との協議の必要性から、「若狭ルート」についてもさらに検討するように主張しています)、特に米原で乗り換えさせる案は「安物売りの銭失い」でしょう。新幹線と在来線との直通というように、軌間が違うから直通できないのは仕方がないかもしれませんが、同じ規格の新幹線が直通できないのは理解できません。東京での東海道新幹線と東北新幹線のように直通需要がそれほどないのならともかく、米原を目的地とする需要は少ないのですから。しかも、米原で乗り換えさせた場合、不便な乗り換えになると考えられます。敦賀の場合は、フリーゲージトレインが実用化しなかった場合でも、それなりの配慮はなされます。新幹線新八代駅でかつてあったように、同一ホームで乗り換えすることのできる方法です。そういうのが、米原では期待できないのです。乗り換えを便利にしようとすると、東海道新幹線も手直しが必要ですから。北陸新幹線のホームから階段を上り下りし、やっとの思いで東海道新幹線ホームに行くという面倒な乗り換えを強制される危険性もあります。これでは、新幹線をつくる意味はほとんどありません。「米原ルート」の場合、高速鉄道網の整備に消極的な(簡単にいえば「お金を出したくない」)滋賀県を通るという、もうひとつのリスクがあります。
リニアが全線開業し東海道新幹線に乗り入れる余裕ができ(当然ながら直通できるように設備をつくっておくので、建設費は約5100億円かかります)、新大阪まで直通しても課題は残ります。料金が上がるのです。大阪市内-金沢間の運賃(営業キロはたとえ「米原ルート」でも、新幹線になっても変わらないものと仮定します)・特急料金(普通車指定席、通常期)でみると、現在の「サンダーバード」は7440円です。敦賀まで開業し、フリーゲージトレインが導入されると、運賃が変わりませんが特急料金が2820円から4630円に上がるため、9250円になります(金沢-敦賀間の新幹線料金と敦賀-大阪間の特急料金×0.7の合算と想定)。「若狭ルート」で全線開業した場合は、8500円(フリーゲージトレインより安いので、何らかの調整がなされる可能性もあります)。ところが、「米原ルート」なら、北陸新幹線部分と東海道新幹線部分の料金が別々になり、10570円になってしまいます(山陽・九州新幹線のように、ある程度の調整はあるでしょうが。もし、山陽・九州新幹線と同様の値引きを行うなら、510円安い、10060円となります)。利用者にとってみれば何の値引きがなくてもフリーゲージトレインよりも1300円ほど高いだけなので、受け入れられるかもしれませんが、一番困るのはJR西日本。これまでは全額が自分の財布に入るのに、「米原ルート」だと東海道新幹線部分がJR東海に取られ、手取りはむしろ減ってしまいます。新幹線開業が、むしろ自社にとってマイナスに働く危険性もあるわけです。ここの調整もしておかないといけないでしょう。
ちなみに、「建設費の安い『米原ルート』なら早くできるのでは?」と考えられるかもしれません。しかし、東海道新幹線の容量は厳しく、リニア全線開業の2045年にならないと新大阪直通は厳しいです。敦賀以西を着工することができるのは2035年度以降のことでしょうから、10年程度あれば「若狭ルート」でも建設できます。そんなに早くならないのです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130309-OYO1T00297.htm、京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130308000074)
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関空へのリムジンバスを運行している関西空港交通は、4月1日にダイヤ改正を行います。
ここで一番に掲げないといけないのは、梅田を早朝、関空を深夜に出発するバスができること。昨年12月にもそのようなバスの新設を記事にしましたが、さらにパワーアップするのです。
4月から運行する便は、早朝便がハービス大阪を3:03、新阪急ホテルを3:15に出て、第1ターミナルビルに4:05、第2ターミナルビルに4:16に到着するもの。そして深夜便は第2ターミナルビルを1:15、第1ターミナルビルを1:30に出て、新阪急ホテルに2:28、ハービス大阪に2:37に到着するもの(4月2日(4月1日深夜)から運行開始)。梅田に最終便が到着したと思ったら、間もなく始発の時間です。ところで、梅田を3時の早朝便に乗る人はどうやってアクセスしているのでしょうか? 2時半に着いた人はどこへ行くのでしょうか? いっそのこと、成田空港みたいに夜行便をつくっても面白いかもしれません。深夜便についていえば、関空からなんばに行く便もできます。深夜の南海なんば駅行き1本のみで、第2ターミナルビルを23:45、第1ターミナルビルを0:00に出て、南海なんば駅に0:55に着きます。鉄道だと関西空港からの南海難波行き最終は23:29発なので、それより若干遅くても大丈夫です。
このほか、関西空港-上本町線のうち、1日2往復をあべの橋まで延伸します。所要時間は関西空港(第2ターミナルビル)からが96~99分、あべの橋からが82分です(第2ターミナルビルまでの時間)。運賃は上本町と同額で、片道1500円、往復2700円。日帰り往復運賃2000円や、日帰り親子ペア運賃(大人1人+子供1人3000円、大人1人+子供2人3500円)もあります。
なお、関西空港-高松線については、丸亀への延長が廃止になり、全便高松発着となります。運行本数は変わりません。
(追記1)
関空から大阪駅前に行く深夜便について、統合が行われます。第1ターミナルを0:30に出る便と1:30に出る便が統合され、1:00発となります(第2ターミナルは0:45発)。新阪急ホテルは1:58着、ハービス大阪到着は2:07です。新しいダイヤは10月2日(10月1日深夜)から行われます。
(追記2)
2015年10月1日深夜(2日未明)から、関空発難波行きの深夜便が1便増えます。既存の便は第2ターミナルビルを0:15、第1ターミナルビルを0:30に出て、南海なんば駅に1:24に着きますが、追加される便はそれよりも1時間遅く、第2ターミナルビルを1:15、第1ターミナルビルを1:30に出て、南海なんば駅に2:24に着きます。
(参考:関西空港交通ホームページ http://www.kate.co.jp/pc/、http://www.kate.co.jp/pc/info/251001.umeda-newsrelease.pdf、南海バスホームページ http://www.nankaibus.jp/info/20150917.html)
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ひたちなか市などが出資する第三セクター鉄道、ひたちなか海浜鉄道。そのひたちなか海浜鉄道に新駅ができます。場所は中根-那珂湊駅間(約3.4キロ)。新駅は国道245号と交差するあたりにできます。周辺に高齢者の増加が見込まれる団地があり、駐在所の建設計画もあります。2014年秋に開業予定です。
新駅設置の費用は約3000万円。国と県に1/3ずつ出してもらえるように交渉しているようです(残りはひたちなか市が負担?)。ひたちなか市の2013年度予算案に新駅設計費約300万円を計上しています(建設は2014年度に行います)。
そしてもうひとつは延伸構想。2月27日、ひたちなか市の本間市長は記者会見で、ひたちなか海浜鉄道を国営ひたち海浜公園への延伸を検討していることを明らかにしました。ひたちなか市は東日本大震災と福島第一原発事故の影響を受けて観光客が減少しています。そこで、観光シーズンに運行される、阿字ヶ浦駅とひたち海浜公園とを結ぶシャトルバスの利用者が多いことから、ひたちなか海浜鉄道の延伸を検討することとなったのです。ひたちなか市の2013年度当初予算案に1000万円を計上し、延伸に伴う需要見込みなどを調査し、延伸の可能性を見極める方針です。
(追記1)
ひたちなか海浜鉄道が国道245号と交差するあたり(高架下)に建設する新駅の仮称は、柳が丘です。この柳が丘駅は那珂湊駅から西に約1キロのところにあり、近くには約300世帯が入居する柳が丘団地があります。1日の平均利用者数は約30人と見込んでいます。2014年10月1日の供用開始を目指しています。
(追記2)
2014年10月供用開始を目標に中根-那珂湊間(国道245号線高架下)に開業を予定している新駅の正式名称が決まりました。「高田の鉄橋」といいます。新駅予定地のそばを流れている中丸川の鉄橋(中丸川橋梁)は、古くから地元では「たかだのてっきょう」と呼ばれています。それにちなんだ命名です。
(参考:東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20130228/CK2013022802000143.html、茨城新聞ホームページ http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13619811253113、毎日jp http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20130517ddlk08040308000c.html、ひたちなか海浜鉄道ホームページ http://www.hitachinaka-rail.co.jp/journal/2013/05/15/%E6%96%B0%E9%A7%85%E4%BD%8D%E7%BD%AE%E6%B1%BA%E5%AE%9A/、http://www.hitachinaka-rail.co.jp/blog/2013/12/17/2803.html)
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利用者が極めて少ない大阪市交通局の「赤バス」は(利用者の多い)3路線を除いて、3月末で廃止されます。その後の交通手段をついてどうするかは、地域の実情に合わせて区長が判断します。廃止対象となっている「赤バス」は大阪市24区中、21区にありますが、そのうち15区で新たな交通手段を用意します。代替措置の予算総額は約1.5億円です。残る6区(北、福島、天王寺、浪速、生野、住吉)については代替措置はありません。代替措置を用意する15区のうち、東住吉区についてはすでに明らかになっていますが(ただし、公募で選ばれた東住吉区長は、3月末で更迭されるようです。「赤バス」の運行業者を、交通局と十分な調整をせずに決定したことも影響しているようです)、他の区でも判明しているところがあります。
旭区は太子橋、中宮地区から区役所や最寄駅への直接の交通手段がありません。そこで、民間事業者に小型バス・ジャンボタクシー(定員10人程度)の運行を委託する方針です。1時間間隔で、現行の「赤バス」と同じようなルートで運行することを想定しています。有料になるか無料かは検討中です。城東区は、天王田、今福、森之宮地域の高齢者らに対する影響が大きいとして、定員9人程度のジャンボタクシーの運行を民間事業者に委託します。「赤バス」と同じく大人100円で、週3回運行、22か所のバス停を設ける予定です。このように、小型バスやジャンボタクシーの会社に運行を委託するところが、都島区や淀川区など12区あります。
大正区は、現在「赤バス」が通っている病院近くの上り坂のある約500メートルについて、病院の運行するマイクロバスに分担金を支払うかたちでカバーする考えです。此花区は、区内の事業者の協力を得て一部区間の存続を図るようです。阿倍野区は、2014年3月までの1年間、公共交通空白地域に当たる新阪南公園・播磨町3丁目付近と、地下鉄西田辺駅、昭和町駅とを結ぶ運賃無料の巡回バスを走らせる予定です。ただし、誰でも乗ることができるわけではありません。70歳以上の高齢者、障害者、介護保険法による要介護認定者、要支援認定者、及びその介助者1人です。事前に申請がいる場合もあります。
(追記1)
都島区、淀川区、港区の状況が分かりましたので、追記します。なお、3区とも2014年3月31日までの期間限定です。
都島区は、京阪バスによって、総合医療センター前→毛馬中央公園→総合医療センター前というルートで、1日11便を運行します。休日も同一ダイヤです。運賃は大人200円で、「敬老パス」も使えますが、地下鉄・バスへの乗継割引はありません。
淀川区は、国際興業大阪によって、現在の「赤バス」と同じルートで、平日のみ1日5便運行します(休日、年末年始は運休)。12人乗りのワンボックスカーを使います。運賃は大人200円で、「敬老パス」や身体障害者手帳を持っている人は半額です。
港区は、日本交通によって、1日9便を運行します。休日も同一ダイヤです。港区内をぐるっと回るようなルートをとりますが、港警察署などは通りません。27人乗りの小型バスを使います。運賃は大人100円(現金のみ、カード不可)で、「敬老パス」等も使えますが、地下鉄・バスへの乗継割引はありません。
(追記2)
「赤バス」用のバスは83台ありましたが、このうち20台(昨年に導入されたタイプ?)だけを路線バス用に残し、後は売却することになります。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130127/waf13012717110011-n1.htm、大阪日日新聞ホームページ http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/130205/20130205020.html、大阪市ホームページ http://www.city.osaka.lg.jp/abeno/page/0000206829.html、http://www.city.osaka.lg.jp/miyakojima/page/0000205040.html、http://www.city.osaka.lg.jp/yodogawa/page/0000209236.html、http://www.city.osaka.lg.jp/minato/page/0000209067.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/politics/update/0308/OSK201303080166.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/news/20130330ddf041040017000c.html)
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3月16日に行われるダイヤ改正では、上越新幹線の200系や北近畿方面の183系(JR東日本にある、オリジナルの183系は残ります)などが引退します。それでは、ほかの国鉄型の特急車両はどうなるのでしょうか?
すでに記事に書いたように、485系は「いなほ」「北越」「白鳥」で使われていますが、「いなほ」は2013年度以降にE653系に置き換えられます。外観や内装の一部を変え、寒冷地仕様に改造したうえで投入します。「北越」「白鳥」はそれぞれ北陸新幹線、北海道新幹線の開業により廃止になると考えられます。485系はお座敷列車などのジョイフルトレインに改造されたもの以外は、姿を消すことになります。
寝台列車としても使える583系は、昨年のダイヤ改正により、唯一の定期列車であった「きたぐに」が廃止されました。しばらくの間は繁忙期に臨時列車として走っていましたが、以前にも書いたとおり、今年の春の運行はありません。2012年12月から2013年1月にかけての年末年始の運転が最後になってしまうようです。JR西日本の583系は数年以内に廃車される方針ですが、先頭車の1両だけは2016年春に開業する博物館に展示する計画です。その1両を含んだ編成を、国鉄時代の塗装に戻して運転し、旅行商品として販売する構想があるようです。
さて、ここからが本題。東京から伊豆方面には185系を使用する特急、「踊り子」があります。185系は1981年にデビューした車両ですが、数年程度で引退する見通しです。その後に投入されるのは、「成田エクスプレス」用のE259系と言われています。E259系は2009年にデビューしたばかりなので、新車に置き換えるわけではありません。JR東日本の役員の話によれば、羽田発着の国際線が増加したために「成田エクスプレス」の利用者が減ったということですが、それだけではないでしょう。時速160キロで日暮里と空港第2ビルとの間を36分で結ぶ、京成の「スカイライナー」に負けたのでしょう。遅くて高いのでは、話になりません。自由席の創設を含む特急料金の値下げや千葉などの沿線への停車をしない限り、どうにもならないのでしょう。ともかく、「成田エクスプレス」の本数を減らし、余った車両を「踊り子」用にするようです。そういう意味では、E259系の「マリンエクスプレス踊り子」は将来に向けてのテストという意味があったようです。
また、同じ185系を使う車両として北関東方面への「あかぎ」「草津」もありますが、低調なようで、見直しの対象になる可能性もあるようです。残るとしても、常磐線特急のE657系統一によって余剰となる651系を使う可能性も考えられます。
(参考:47NEWS http://www.47news.jp/feature/tetsudou/2013/03/238761.html)
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藤が丘と八草を結ぶリニモは、長久手市あたりから名古屋への通勤・通学客のほか、沿線に大学があるため、そこへの通学客もたくさんいます。その通学客の増加に対応するため、3月16日にダイヤ改正を行います。
今回のダイヤ改正の特徴は、平日ダイヤを2種類に分けること。リニモは、沿線大学が開講しているときと休業しているときとで、利用状況が大きく異なります。おおむね大学の開講期間に適用する第1ダイヤ(4~7月、10~1月)と、休業期間の第2ダイヤ(8、9、2、3月)に分けます。
第1ダイヤは、最も混雑する時間帯となる8時台前半に藤が丘駅を出発する列車を6分間隔(現行7分間隔)で運転します。大学からの帰宅時間帯となる17~18時台については、八草駅を出発する列車を7~8分間隔(現行10分間隔)で運転します。現行ダイヤより1往復増え、1日115往復となります。第2ダイヤは、大学が休業する時期なので、大学への通学時間帯の本数は見直します。しかし、名古屋への通勤利用があることから、朝夕時間帯の発車時刻は第1ダイヤと同じです。現行のダイヤより4往復減り、1日110往復となります。休日は従来通り早朝夜間を除き10分間隔で、1日105往復のままです。
(参考:愛知高速交通ホームページ http://www.linimo.jp/oshirase/250205diagram.pdf)
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西鉄グループが運行する夜行高速バス「はかた号」と「Lions Express」は、4月1日から新たな運賃体系を導入します。いくつかの路線ですでに導入されていますが、乗車日によって運賃が変わるのです。
新たな運賃体系を採用するようになった理由は、LCCの就航やツアーバスの参入などによって、厳しい状況にあるためです。西鉄グループでは昨年からいろいろな割引キャンペーンなどを行ってきましたが、新たな運賃体系を導入することによって、需要の掘り起こしを目指しているようです。
さて、その新たな運賃体系は、利用日によって4つのパターンに分けるもの(「Lions Express」は3パターンから4パターンに変更)。「はかた号」は現行の運賃(「エコノミーシート」は繁忙期運賃)を一番高いA運賃とし、日によって割引運賃を適用します。A運賃は6月までの間についていえば、ゴールデンウィークなどに適用されます。プレミアムシート座席利用料は4000円から3000円に値下げされます(つまり、A運賃でも、現行運賃より1000円安くなります)。これまで北九州地区で乗降する場合の運賃は福岡地区より500円安かったのですが、新たな運賃体系では同額となります。運賃が安くなる日が多いことから、往復割引は廃止になります。小児や障害者の運賃については、A運賃をベースに割引を行います。なお、プレミアム座席利用料は、小児や障害者でも割引にはなりません。「Lions Express」についても、小児や障害者の運賃は(6月までの間についていえば、ゴールデンウィークなどに適用される)A運賃をベースに割引を行います。
ほかの路線についても触れます。名古屋と北九州・福岡を結ぶ「どんたく号」、京都・大阪・神戸と北九州・福岡を結ぶ「ムーンライト号」について、4月8日から6月27日までの月~木曜日出発便限定(4月25日から5月6日を除く)で行う「片道運賃大幅割引キャンペーン」を行います。平日割引運賃は、「どんたく号」は最大約28%引きの7500円、「ムーンライト号」は最大約24%引きの7900円です。「どんたく号」には、もうひとつの割引運賃があります。一部の座席の片道運賃を最大約47%引きの5500円で販売する、「お試し特別割引運賃」です。「お試し特別割引運賃」は乗車日の5日前までにインターネットで予約する必要があり、所定の購入期限までにインターネット上でクレジットカードでの決済をしておく必要があります。なお、これらの割引には、小児、往復、障害者への割引はありません。
3月1日からは、高松と北九州・福岡を結ぶ「さぬきエクスプレス福岡号」と、高松-徳島間の高速バス「高徳エクスプレス」を乗り継ぐと割引になる「乗り継ぎ割引乗車券」を発売します(利用開始は4月1日から)。利用開始日を含む3日間有効で、高松インターバスターミナル、ゆめタウン高松、高松駅前の3か所で乗り継ぎができ、通常価格9600円のところが8500円となります。小児、往復、障害者への割引はありません。なお、発売窓口は福岡側が西鉄天神バスセンター、徳島側が徳島バス窓口(徳島駅前案内所など13か所)に限られます。御注意ください。
(追記)
「どんたく号」「ムーンライト号」で実施中の「片道運賃大幅割引キャンペーン」は、7月31日まで延長されました。月曜日から木曜日出発便に限定されるのは以前と変わりません。
(参考:西鉄バスホームページ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2012/12_172.pdf、http://www.nishitetsu.co.jp/release/2012/12_177.pdf、http://www.nishitetsu.co.jp/release/2012/12_178.pdf、http://www.nishitetsu.co.jp/release/2013/oshirase/130531_getsumokubargain.pdf)
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アーバンネットワークの西端に当たる姫路でも、新駅が相次いでできています。2005年にひめじ別所駅が、2008年にはりま勝原駅が開業しました。そして、姫路に新たな駅が追加されます。以前にも少し触れましたが、JR神戸線御着-姫路間にできる新駅です。2016年春に開業する予定で、駅の名称は未定です。
その新駅は姫路駅の東約1.9キロのところにできます。市川の西側にあり、周辺には兵庫県立ものづくり大学校や姫路署などの公共施設があります。1階に改札、2階にホームがある構造で、乗降客は1日6000人を想定しています。一般車やタクシーの乗降場、駐輪場などを整備する駅前広場の予定地約3000平方メートルは市有地となっています。南側約90ヘクタールでは土地区画整理事業が進み、5500人の居住を見込んでいます。
新駅は2010年に、JR西日本が姫路市に設置を提案したのがきっかけです。新駅の設置費は約27億円ですが、JR西日本と姫路市は費用負担割合などについて協議を続け、姫路市が国の補助を含めて2/3を、JR西日本が残りを負担します。姫路市は2013年度当初予算案に、駅前広場と周辺道路の設計費など4700万円を盛り込みました。その予算案が正式に通れば、3月中にもJR西日本との間で正式な協定を結ぶようです。
(追記1)
3月28日、JR西日本から新駅(仮称は「東姫路」)設置についての発表がありました。12両対応の相対式ホーム2面の駅となります。上屋は6両分のみです。エレベーター2基も設置されます。
(追記2)
新駅の名称が、仮称通り、東姫路となりました。姫路市の公募では白鷺に次ぐ2位で、約半分の票数しかありませんでしたが、場所のわかりやすさを重視したようです。普通列車のみが停まる予定です。
(参考:神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201302/0005758040.shtml、http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201303/0005853603.shtml、http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201510/0008450697.shtml、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/03/page_3574.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2015/10/02/261266.html)
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近年、駅のホームにおいて、旅客の接触・転落事故が増加しています。ホームから転落またはホーム上で列車と接触することにより発生した鉄道人身傷害事故の件数は、2002年度が113件だったのに対して、2011年度は209件にもなっています。特に視覚障害者の2人に1人はホームからの転落経験があり、駅のホームは欄干のない橋にもたとえられます。
旅客の接触・転落事故を防ぐには、ホームドアを設置するのが有効です。視覚障害者からの要望が高い駅、利用者数が多い駅(特に利用者数10万人以上の駅)について、積極的に転落防止対策を実施し、2012年9月末現在、全国約9500駅のうち539駅、利用者数10万人以上の駅についていえば全国235駅のうち34駅でホームドアを設置していますが、まだまだ足らないというところです。地下鉄のように同じ車両しか通らないところは容易なのですが、ホームドアの設置には、車両扉の不一致等の技術面、ホーム補強改良工事等を含むコスト面等の重要な課題が発生しています。列車も決められた位置にピタリと停めないといけません。
そこで国交省は、現在開発が進みつつある新たなタイプのホームドアについて、西武、東急、相鉄の駅で現地試験を行うことになりました。いずれの鉄道会社も試験場所の提供及び試験実施への協力を行うのであり、実際にホームドアの導入を決定したわけではありません。
西武新宿線新所沢駅で導入するのは、東大と神戸製鋼所が共同で開発を進めてきた戸袋移動型ホーム柵。車両の扉の数が異なる場合でも、戸袋が移動することにより対応することができます。車両の停止位置がずれた場合でも、同様に対応できます。6月ごろから約8か月間、1番ホーム(本川越方面)の後方に1両分設置します。
東急田園都市線つきみ野駅で導入するのは、日本信号が開発を進めている昇降スクリーン式ホームドア。JR西日本と似たようなタイプですが、JR西日本のは柱も昇降します。約10メートル間隔で設置した柱間に張られたワイヤーロープが列車の到着・出発に合わせて昇降するタイプです。扉数の異なる路線でも使え、シンプルな構造とすることで、導入コストの低減を目指しています。試験は7月ごろから下りホームで行います。ホーム全長約200メートルに設置する予定です。
相模鉄道いずみ野線弥生台駅で導入するのは、高見沢サイバネティックスが開発を進めている昇降式ホームドア。ホームドアの開口部分を昇降式のバーとすることで、ホームドアの軽量化を図り、設置に当たってのコスト低減に対応します。試験は10月ごろから約1年間、1番線(湘南台方面)の後方に1両分設置します。
(追記1)
西武新所沢駅のホームドア試験ですが、2か月ほど遅れて、8月31日から2014年2月末までの約6か月間行われます。
(追記2)
東急つきみ野駅のホームドア試験ですが、こちらは3か月ほど遅れて、10月11日始発から始まりました。今のところは1両分だけですが、12月までにはホーム全体に設置する予定です。つきみ野駅は屋根のない部分もあり、そこにもホームドアがあります。地方の屋根の短い駅でも導入できるようになっています。
また、相鉄弥生台駅のホームドア試験は、27日から始まります。相鉄としては、コスト、重量ともに従来のものの2/3程度を目標にしています。なお、東急、相鉄とも設置期間は約1年間です。
(参考:国交省ホームページ http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo07_hh_000042.html、http://www.mlit.go.jp/common/000989923.pdf、http://www.mlit.go.jp/common/000989922.pdf、西武ホームページ http://www.seibu-group.co.jp/railways/news/news-release/2012/__icsFiles/afieldfile/2013/03/05/20120305shintokorozawa.pdf、http://www.seibu-group.co.jp/railways/news/news-release/2013/__icsFiles/afieldfile/2013/08/27/20130827shintokorozawa.pdf、東急ホームページ http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/pdf/130305-1.pdf、相模鉄道ホームページ http://www.sotetsu.co.jp/news_release/130305_01.pdf、「週刊東洋経済 『鉄道』完全解明 2013」 東洋経済新報社、カナロコ http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1310090038/、「鉄道ジャーナル」2014年3月号 鉄道ジャーナル社)
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東日本大震災直後の津波により、三陸地方の鉄道は大きな被害を受けました。三陸鉄道は2014年に全面復旧する予定で、JRも気仙沼線、大船渡線でBRTが運行を開始しています。
これに対して、山田線には復旧の動きはありません。JR東日本がBRTを導入しようとしたものの、拒否されてしまいました。専用道の区間が短いことと、BRTのまま固定され、鉄路としての復旧がなされないと危惧しているからです。このままでは山田線はBRT化すらされず、何も進展しないままです。三陸鉄道の南北リアス線(震災前の年間利用者は約90万人)が分断されたままとなってしまうのです。
ここで出てきたのが、山田線のかさ上げに国費を投入する案。経常黒字であることを理由に、これまで一切なかった国のJR東日本に対する支援を行おうとしているのです。津波対策で市街地をかさ上げするなどの都市計画を行うに当たっては、駅や線路もかさ上げする必要があります。都市計画の費用は復興交付金でまかなわれますが、鉄道事業は対象外で、鉄道事業者がお金を調達しないといけません。また、被災した鉄道の復旧費用の半分を国と自治体が補助する制度も、経常赤字の事業者に限られていますので、JR東日本は受けることができません。このままでは、JR東日本が費用を負担しない場合、市街地を通る線路部分だけがかさ上げされないという事態になってしまいます。ただし、補助を受けるためには、鉄道を復旧させることが前提です。せっかく補助金を出したのに、廃線になったのでは、話にならないからです。国は山田線の復旧について、JR東日本に早く態度を表明するよう要請しています。
しかし、JR東日本としては、単純に話に乗るわけにはいきません。JR東日本は当初、被害が出た沿岸7線の原形復旧の費用を1000億円と見込んでいましたが、実際には高台移転によるルート変更やかさ上げなどの費用も加わり、膨れ上がります。国交省は山田線の復旧費用を約200億円、大船渡線を約500億円、気仙沼線を約900億円と見込んでいます。いくら首都圏の通勤輸送などで儲かっているJR東日本とは言え、厳しい数字です。JR東日本の冨田社長は2日の大船渡線BRTの運行開始記念式典の後に山田線の復旧について発言しましたが、復旧についての明言を避けています。安全な鉄道輸送をどう守るか、地域のまちづくりとの整合性、コスト負担、復旧後の利用者の見通しがキーポイントになるようです。
地元の思いはともかく、三陸の路線を鉄道として復旧させるのかは難しいところで、JR東日本の態度を非難することはできません。山田線、大船渡線、気仙沼線の各線はいずれの駅も1日の乗降客が1000人以下。赤字路線です。鉄路を復旧させることに国からの補助が出ても、復旧してからの赤字はJR東日本が負担することになります。(三陸とは縁のない人が大半の)首都圏の黒字などで穴埋めすることになります。赤字が出ても地元が負担する三陸鉄道とは違うのです。需要の多い仙石線などは鉄路で復旧することを考えると、(被害が小さいため現ルートのまま復旧できた八戸線を除いて)需要の多寡が鉄路として復旧するかどうかを決める要素になるのでしょう。需要が少なければバスでも十分なのですから。
(追記)
8日に盛岡市で行われた国交省東北運輸局の第5回山田線復興調整会議において、JR東日本は復旧費を210億円とする概算結果を示しました。このうち、山田線を震災前の状態に戻す費用が140億円で、残り70億円が沿線市町の震災復興計画にある、まちづくりに伴う鉄道のかさ上げや駅舎の移設費用です。JR東日本は(山田線が将来性のない路線であるにもかかわらず)震災前の状態に戻す費用140億円を自らが負担するとしています。つまり、70億円だけを支援すればいいのです。
そう考えると結構安いです。もっとも、JRは営利企業なので、鉄道として復旧しても赤字を抑えるような消極策が取られ、運賃は安いものの(BRT化された路線とは違って)本数は少ないでしょうが、それは文句が言えないでしょう。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130302k0000m040137000c.html、http://mainichi.jp/select/news/20130302ddm003040146000c.html、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130303_6、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130309t31004.htm)
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2月26日、JR西日本の真鍋社長と新潟県の泉田知事が新潟県庁で面談し、2015年春の北陸新幹線開業でJRから分離される並行在来線の鉄道資産の譲渡価格について合意しました。少し前の記事でも書いたとおり、譲渡価格は約40億円です。新潟県は当初、JR西日本からの譲渡価格を約64億円と見積もっていましたが、不要資産を選別することにより、約40億円に削減しました。これにより、北陸新幹線の全区間で、JRと県の間で譲渡価格について合意することになりました(長野、新潟(JR東日本部分)、富山、石川)。なお、JR西日本から購入する資産は線路やトンネル、駅舎など。車両は第三セクター、えちごトキめき鉄道がディーゼルカーを新造するために含まれません。
これに対して、JR西日本からの支援は、ディーゼルカー導入のサポート(約6億円)、えちごトキめき鉄道に出向する社員の人件費の一部負担(約27億円)、鉄道施設の整備(約8億円)、新幹線開業に向けた関西圏での観光PR(5億円以上)などの合計46億円以上。譲渡価格を上回り、実質的には無償譲渡を受けたことになります。ちなみに、北陸線区間に導入されるディーゼルカーは、JR西日本が現在使用している車両をベースにした最新型です。地元説明会で説明した内容から考えると、キハ122系を想定しているようです。設計や製造、試運転などのサポートを受けます。
話は変わりますが、えちごトキめき鉄道関連なので書きます。2月27日、県労連や国労などで構成する市民団体「暮らしと地域を支える鉄道の充実をめざす県連絡会」はえちごトキめき鉄道に関する提言を新潟県に出しました。その提言では、広く住民の意見を聞くこと、現行運賃維持(新潟県は、並行在来線の運賃について、これまでの想定を下回る1.3倍で経営可能との試算を示しています)、JR特急や他県との相互乗り入れを実現すること、北陸線区間にも電車を導入することなどを求めています。
はっきり言って、市民団体の考えを丸ごと受け入れたら経営が成り立たないことは明白です。特急の利益で稼ぐことのできる(どんなに赤字でも、アーバンネットワークの利益をつぎ込むことができる)現状とは異なるのです。新幹線が開業すると、ローカル輸送だけで鉄路を維持していかなければならないのです。県庁所在地を走る富山県や石川県と異なり、新潟県の需要は少なく、とても厳しいのです。貨物があるので、バスにすることもできません。北陸線区間にも電車を導入することを求めていますが、電車なら高価な交直流電車を導入しないといけません。最低でも2両編成です。1両でも走ることのできるディーゼルカーの運行は苦肉の策なのです。
(追記)
えちごトキめき鉄道は、JRから分離後5年間は、運賃をJR時代のまま値上げしないことを発表しました。JRなどとを乗り継げば運賃が割高になりますが、それについても乗継割引の導入についてJRなどと協議するようです。
なお、脇野田駅は、新幹線開業に伴って新幹線駅の隣に移設されますが、その駅名は新幹線と同じ上越妙高駅に変更することとなりました。
(参考:新潟日報ホームページ http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20130227029028.html、http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20130301029318.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/niigata/news/20130228ddlk15040011000c.html、上越タウンジャーナル http://www.joetsutj.com/archives/52057218.html)
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四国電力は7月に企業向け電気料金を平均17.50%値上げする予定です。
値上げされると、鉄道にも影響が出てきます。JR四国の場合、電気料金は年間約10億円ですから、2億円近いコスト増加となります。2013年度の連結純利益は国の経営安定基金の事実上の積み増しにより、前期比4.4倍の28億円となる見込みですが、2014年度に本四高速の利用料値下げが予定されており、JR四国の経営環境は依然として厳しいままです。
そのような状況の中、JR四国泉社長は2月25日に記者会見を行いました。電気料金値上げによるコスト増加の対策として、運行する列車の車両数削減などを検討していることを明らかにしました。例えば3両編成の列車を2両編成にするなどです。具体的にどの列車の車両数を減らすかは、運行時間や乗車状況をみて決定します。
電車の一部をディーゼルカーにすることも考えていますが、円安基調のため軽油の値段も上がっています。原油価格の動向も見ながらディーゼルカーにするかどうかを考えます。運行本数の削減は、利用者への負担が大きいから行わない方針です。運賃の値上げも競争力を低下させることから行わない方針です。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO52120700V20C13A2LA0000/)
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京阪旧3000系は、3月10日で定期列車での運行を終え、それから3月末まではラストラン(特別運転)として運行することは以前に書いたとおりですが、そのラストラン(特別運転)の詳細が明らかになりました。
ラストランを行うのは、3月23、24、30、31日の4日間。いずれも中之島発出町柳行きの臨時快速特急として運行されます。中之島11:01発、出町柳12:04着です。京橋を出ますと七条まで停まりません。事前予約不要で、先着順に乗車します。中之島駅改札外コンコースに整列場所を設け、先着順に並びます。発車時刻が近付いたら係員が案内します。整列した人が全員乗ってから、整列していない人が乗車できます。京橋など途中駅でも乗車できますが、混雑のために乗車できないこともあります。特に最終日の31日は混雑することが予想されるため、京阪側では30日までの乗車を勧めています。なお、特別なヘッドマークの掲出はありません。
3月31日については、「旧3000系特急車 想い出の停車駅めぐり シール&スタンプラリー」の特典として配布した旧3000系特急車プレミアムカードのうち、裏面に号車・座席番号の記載があるもの(配布はすでに終了しています)を持っている人に対して着席整理券を渡します(このとき、プレミアムカードに「済」印を押します)。着席整理券は3月31日9:30~10:30に、中之島駅改札外専用受付において渡されます。この着席整理券を持っている人は、10:20~10:40の間に指定された座席に座ります。10:40以降に空いている席は自由席扱いとなり、着席整理券の効力は失われます。その後、整列している人から順に乗車することができます。案内時刻は諸事情により変更することがありますし、以前にも書いたように諸事情で日程が変更になったり(このときは変更後の最終日の臨時快速特急に適用します)、運転が中止になったりすることもあります。
ラストランにおいては、ダブルデッカーを除いた7両編成で行います。ダブルデッカー車両は旧3000系デビュー当初にはなく、8000系が京阪特急のメインとなってからの1995年に改造して付け加えたものです(当初は7両編成、1998年に8両編成化)。ダブルデッカー抜きの7両編成は、旧3000系が京阪の看板列車であったころの姿を現しているとも言えます。逆にいえば、旧3000系のダブルデッカーに乗りたい方は、1週間のうちに乗らないといけません(この記事を書いているのは3月3日です)。
ラストランに関するイベントとしては、ラストランを行う4日間、三条駅改札外コンコース特設会場において、旧3000系グッズを中心とした京阪電車オリジナルグッズ販売会を行うとともに、JTBのツアーとして、旧3000系の貸切撮影会を行います。ツアーは3月31日のラストラン終了後、回送となった旧3000系に淀駅から淀車庫まで乗り(淀駅13:00発、淀車庫13:05ごろ着)、淀車庫で約2時間、貸切撮影会を行います。その後、最終回送列車で寝屋川車庫まで移動(淀車庫13:16発、寝屋川車庫15:43着)、車体カラーをイメージした花束を座席に残すことによって、旧3000系に手向けることとなります。希望者には、旧3000系に向けて思いをつづるメッセージカードも用意します。記入されたカードは、後日京阪から販売するDVDや特設webサイト「さようならテレビカー ありがとう旧3000系特急車」にて紹介する予定です。旅行代金は大人、子供とも4800円、3月1日から募集を開始しています。
(参考:京阪ホームページ http://www.keihan.co.jp/info/upload/2013-02-28_ex3000_last_run.pdf、http://www.keihan.co.jp/info/upload/2013-02-28_ex3000_last_tour.pdf)
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整備新幹線は2012年度に北海道新幹線新函館-札幌間など3区間を着工しましたが、問題は開業時期があまりにも遅いこと。2022年度の長崎新幹線、2025年度の北陸新幹線はともかく、2035年度の北海道新幹線はあまりにも遅すぎます。20年以上もかかります。
そこで自民党の調査会は、新規着工区間の開通を早めるため、財源確保などの具体策を年内をめどにまとめ、2014年度予算に反映させたいと考えています。北海道新幹線の建設が20年以上もかかるのは、財源が乏しいためです。整備新幹線に限らず公共工事は、完成させないと何の意味もありません。北陸新幹線金沢-敦賀間を3年早く開業させると、2400億円の経済効果を生むという試算もあります。
北陸新幹線に関して言えば、長さ約20キロの新北陸トンネルを複数の工区に分けることにより同時進行的に工事を行い、建設のスピードを上げていくようです。ただ、北陸新幹線の場合は12年ほどで開業するため、大幅な短縮は難しいでしょう。難関の工事は他にもあります。
また、早く完成したとしても、別の問題が出てきます。フリーゲージトレインの導入に間に合わないのです。長崎新幹線にも導入される(というより、標準軌と狭軌が入り混じるため、フリーゲージトレインがないと話になりません)フリーゲージトレインの訓練運転が終わるのが2021年度。フリーゲージトレインを北陸新幹線で導入するには雪対策も必要なので、現状の2025年度開業でも結構タイトです。北陸新幹線敦賀延長は福井のために行うものではなく、金沢開業で失われる関西(・名古屋)方面への利便性を回復させるものなので、(技術的に問題がない限り)富山-大阪間を直通することができるフリーゲージトレインは不可欠です。
ただ、フリーゲージトレインも根本的な解決方法ではありません。抜本的な解決方法は新大阪まできちんとフル規格新幹線を伸ばすことです。これには敦賀以西のルートを決定することが欠かせません。長年の課題ですが、一長一短があるのが現状です。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/politics/update/0227/TKY201302270469.html、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20130228102.htm)
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国交省は2012年12月から2013年1月にかけて、都道府県、一部の政令市、都道府県の市長会会長及び町村会会長を対象として、今後の高速道路などのありかたについてのアンケートを行いました。
その中で、高速道路など有料の幹線道路を大規模更新する際の財源に関して質問を行ったところ、都道府県の80.9%、市町村の75.8%が料金収入を財源にすべきだと回答しました。税金を財源とすべきと回答したのは、都道府県で14.9%、市町村の30.3%にとどまりました(アンケートは記述式なので、複数回答ができるようです)。高速道路は料金収入で運営するのですから、大規模更新費用を料金で賄うのは合理的な話でしょう。選挙対策かなんかで税金を投入してまで高速道路の割引を行う余裕はありません。これは首都高速の話ですが、老朽化した道路の改修に最大9100億円かかるという試算があります。中には、採算の見込めない高速道路の維持には(料金ではなく)税金を投入すべきという都合のよい意見もありますが、新直轄区間に代表される採算の取れない区間は東名、名神のような黒字高速道路の料金収入や国の税金ではなく、沿線自治体が主体となって負担すべきものでしょう。採算ベースに合わないものをつくってはいけないとは言いませんが、過大な設備をつくらせた責任は取らないといけません。
幹線道路のネットワーク機能の早期確保についても質問しました。重点事項としてミッシングリンク(未整備区間)の整備を挙げた自治体が、都道府県の80.9%、市町村の59.6%を占めました。簡易インターチェンジ(スマートインターチェンジ)の増設や暫定2車線区間の4車線化を挙げたのは、都道府県はそれぞれ53.2%、27.7%でしたが、市町村は12.1%、5.1%と差が出ました。
(参考:日経ケンプラッツ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20130224/604329/)
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