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福岡市地下鉄と西鉄バス、「棲み分けと共存」に方向転換か?

 福岡市内の都市交通は、地下鉄を福岡市交通局が、バスを西日本鉄道が担っています。他の大都市なら地下鉄とバスを同一事業者が運営しているため、バスが都心まで直通するのではなく、地下鉄駅で接続させるのですが、両者がライバル関係にある福岡では天神や博多という中心部までバスを直通させています。バスが都心まで直通してくれるので、利用者にとってはありがたいかもしれませんが、通勤時間帯や休日はバスで渋滞し、二酸化炭素(温室効果ガス)も増えてしまいます。

 そこで、ようやく福岡市地下鉄と西鉄バスは、これまでのライバル関係から「棲み分けと共存」関係に方向転換することになりました。2011年8月に課長級職員による勉強会を設立、渋滞緩和に向けて、協議を行ってきました。その結果、いくつかの地下鉄駅を拠点として大型バスターミナルを整備し、郊外から都心に向かう人は拠点駅でバスから地下鉄に円滑に乗り継ぐことのできる交通体系を構築するのが最も有効だという結論になりました。

 これまでも西新や藤崎、姪浜などが拠点駅となっていましたが、円滑さを重視して再整備します。九大教養部跡地の六本松や野芥なども拠点駅として整備することを検討しています。拠点駅には、駅前広場や商業施設を整備する構想もあります。周辺に土地がない場合は、歩道にバスが停車できるよう切れ込み(バスカット)を入れ、拠点駅周辺の渋滞を緩和します。利便性の高い拠点駅を選ぶため、地下鉄やバスの利用者モニターやアンケートを行うようです。福岡市の2010年の1日当たりの鉄道とバスの乗車人員は合計108万人。拠点駅の整備によって、これを2022年には120万人に増やす計画です。

 福岡市地下鉄と西鉄が方向転換したのは、都心の渋滞が年々悪化しており、利便性も上がっていないため。福岡市が2005年に実施した調査によれば、市民の通勤・通学の交通手段にバスを使う人は、当時の政令指定都市では1位の、8.3%。西鉄のある福岡らしい数字です。しかし、バスがあまりにも多いため、バスによる都心部の渋滞を招いています。天神のメインストリートである渡辺通りの1日の交通量4.2万台のうち1割をバスが占めています。渋滞によりバスのダイヤも乱れがちです。採算も厳しいです。福岡市地下鉄は補助金を除くと毎年10億円前後の赤字を計上していて、市の財政を圧迫しています。西鉄バスも厳しく、2年前に大規模な路線統廃合に踏み切りました。そこで不毛な誘客合戦を止め、「棲み分けと共存」に方向転換することにしたのです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130311/fkk13031102110001-n1.htm)

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Tracked on 2013.03.17 09:49 AM

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