京阪、新型ATSを2014年度から使用開始
京阪は、運輸業における「『安全・安心』の提供」「運営体制の効率化」に関する取組として、いくつかの対策を行います。
ひとつは、ATSの全面更新。現在の京阪のATSは、「点制御式」と言われるもの。地上に設置した2つの地上子間の通過に要した時間を計測し、規定時間以下の時間で通過した場合は、速度超過と判断してブレーキを作動させるものです。そして、新しく導入するATSは、「多情報連続制御式ATSシステム」。地上装置から列車に伝送された信号表示、転轍器開通方向などの情報と、車上データベースに記憶された信号機位置、勾配などの情報に基づき、自車の制動性能と走行距離から上限速度を算出し、その上限速度値を用いて常時速度照査を行います。この速度以内なら停止信号の位置までに停止できるという列車が作成する停止速度パターンにしたがい、そのパターンより列車の速度が超えていたならばブレーキが作動します。これは信号機や曲線などの情報に基づく制御に加えて、踏切やホームでの異常発生時などにも対応する機能を備えているため、より安全性が向上します。新型ATSは、2014年度に深草-出町柳間で使用開始します。2015年度には枚方市-深草間、交野線、宇治線でも使用開始します。2016年度には淀屋橋-枚方市間、中之島線、寝屋川車庫、淀車庫で使用開始し、京阪線全線での更新が完了します。投資額は2009~2016年度で合計約40億円です。
また、宇治線では6月1日からワンマン運転を行います。京阪でのワンマン運転は2002年の京津線、2003年の石山坂本線、2007年の交野線に続いて4線目です。ワンマン運転に対応した新型車両13000系(5編成、20両)はすでに導入済みであり(2012年春から順次営業運転を開始しています)、投資額は約4億円です。
そのほかの取り組みとして、ホーム異常通報装置設置駅の拡大と、災害対応、事故復旧、複合利用鉄道施設防災の各種訓練の実施もあります。なお、複合利用鉄道施設防災訓練とは、駅と駅に隣接するグループ商業施設などが合同で地震や火災などの災害対応を訓練するものです。
(参考:京阪ホームページ http://www.keihan.co.jp/info/upload/2013-03-19_01tetsudo-safety.pdf)
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