老朽化した高速道路の改修に少なくとも5.4兆円
以前、首都高速の改修に9100億円かかるという話を書きましたが、当然ながら老朽化して改修が必要な高速道路は首都高速道路だけではありません。
東日本高速道路、中日本高速道路、西日本高速道路の3社は、老朽化した橋やトンネルなどの大規模な建て替えや改修を行う必要があり、その費用は100年間に少なくとも5.4兆円を要することを明らかにしました。すべてを建て替える場合には5.2兆円増え、総額で10.6兆円が必要となります。
この試算は3社が管理する約9000キロの高速道路網を維持したかたちで100年後も利用できるとの想定で出したものです。全国約1.7万か所ある橋では、約16%に当たる約2700か所で路面の全面的な更新が必要となるほか、約82%でも一部を補修する修繕が必要としています。総延長約1600キロのトンネルでも5%に相当する約80キロで、路面の浮き上がりの全面更新が必要としました。
この改修に必要な費用については、3社は国交省と協議する予定です。2050年に予定している高速道路無料化の延期や値上げなども考えられています。正直なところ、昨年の笹子トンネルの事故で表面化したように、老朽化したところが現れ、今後も何の対策もしなけらば、そういう箇所が増えることは容易に予想できます。揮発油税などの大幅値上げで財源を確保しない限り、高速道路はいつかは無料になるという幻想を捨て去るのが望ましい選択と言えます。
話は変わりますが、阪神高速も全約250キロのうち、特に老朽化が進んだ36キロで、近い将来につくり直しや大掛かりな修繕が必要になるとしています。阪神高速の中に設けられた技術検討委員会がまとめた提言によれば、100年先も機能性の高い道路網にするためには、渋滞を招きやすい構造を改良するための工事などを含めて、今後約6200億円の費用が必要となるようです。阪神高速は提言を基に優先順位や財源などを検討し、今年度中にも対応の方針をまとめる予定です。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130425-OYT1T01223.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/business/update/0418/OSK201304170172.html)
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