三陸鉄道、高台移転先に新駅を検討か?
今日(4月3日)、南リアス線の盛-吉浜間が復旧する三陸鉄道。残る区間も2014年4月に復旧します。移設を行わず、現行ルートで復旧します。
その三陸鉄道で、新駅の設置を検討していることが分かりました。宮古市田老地区と野田村の高台移転先に1か所ずつです。高台移転先は駅から遠く、住民の交通手段を確保するのが目的です。新駅開設に伴い、既存の駅を廃止したり、線路を移設したりすることはありません。
宮古市田老地区の新駅候補地は、田老駅から北に約500メートルの高台。周辺には宮古市田老総合事務所や市立田老第一小学校があります。他の公共施設の移設も計画されていて、宮古市は新駅を設置することにより、地区中心部のにぎわいをつくり出したい考えのようです。野田村の新駅候補地は、陸中野田駅から約2キロ南で、集団移転先の米田(まいた)地区です。野田村は津波襲来時の乗客の避難先としても使いたいと考えているようです。
先ほども述べたように、本日、南リアス線の一部区間が復旧しますが(ただし3日は運転再開記念列車のみの運行となります)、運転本数は震災前より少ないのです。そこで、片道は鉄道、もう片道はバスなどほかの交通手段、という具合に使うことができるよう、2013年4月から2014年3月までの期間限定で、通学片道定期乗車券を発売します。指定された方向への乗車ができ、反対方向には使えません。普通運賃を払うことになります。
設定区間は南リアス線盛-吉浜間だけでなく、北リアス線宮古-小本間、田野畑-久慈間もあります。発売期間は2013年4月1日から2014年3月1日、利用期間は2013年4月1日から2014年3月31日までです。盛、釜石、宮古、久慈などの主要駅で販売し、1か月、3か月、6か月の3種類があります。JRやバスとの連絡定期乗車券は設定されていません。価格は通常の通学定期乗車券の4割引となります。
(追記1)
野田村の新駅についてですが、ボーリング調査などをしたところ、建設費用が想定の倍以上かかることが判明しました。地盤が想定よりも弱く、新たなくい打ちが必要で、また建設資材も高騰しているため、建設費だけで約1.9億円かかるのです。
このような状況の下で駅建設に踏み切れば、1億円以上を野田村が負担することになり、とても厳しいので、野田村としては断念する方針です。
(追記2)
ところが、野田村の新駅ですが、話が変わり、2016年8月に着工されました。米田駅(仮称)は無人駅で、待合室、駐輪場、高台への避難路を設けます。総工費約1.5億円は、岩手県の補助金で賄われます。開業予定は2017年3月です。
(追記3)
野田村にできる三陸鉄道の新駅の名前が、十府ヶ浦海岸<とふがうらかいがん>に決まりました。野田玉川から1.7キロ、陸中野田から2.3キロのところにでき、2017年3月25日に開業します。公募によってつけられた愛称もあり、はまなす香る砂浜という名前です。
なお、十府ヶ浦海岸にはかつて臨時駅が設置されたことがあるようです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130402-OYT1T00212.htm、http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20140808-OYTNT50369.html、三陸鉄道ホームページ http://www.sanrikutetsudou.com/2013/03/%e9%80%9a%e5%ad%a6%e7%89%87%e9%81%93%e5%ae%9a%e6%9c%9f%e4%b9%97%e8%bb%8a%e5%88%b8%e7%99%ba%e5%a3%b2%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b.html、http://www.sanrikutetsudou.com/?p=6228、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/special/spe1062/20160804_02.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2016/11/01/284665.html、野田村ホームぺージ http://www.vill.noda.iwate.jp/kikakucyouseihann/591.html)
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