相鉄・JR直通線、3年以上延期へ
2015年4月開業を目指して建設が進められていた、相鉄・JR直通線事業。既存の鉄道路線を活用して利便性の向上を図るために制定された「都市鉄道等利便増進法」に基づき、国、地方自治体(神奈川県、横浜市)、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が1/3ずつ事業費を負担する仕組みです。ところが、鉄道・運輸機構は、東海道貨物線との接続部の遅れなどを理由に開業時期を2018年度内に、また建設費が当初の約683億円から約782億円になる見通しを明らかにしました。
開業時期が遅れる理由は、横浜羽沢駅構内での営業線の配線切り替えをはじめ、信号機の設置など直通線事業に伴い必要になる作業を、列車の走行していない短い時間帯で行う必要がありますが、工期短縮の工夫を最大限実施したとしても、当初予定の2015年には到底できない見通しとなったためです。相鉄・JR直通線の羽沢駅は地下にでき、その地下駅と東海道貨物線をつなぐには、貨物線の地下部分に新たに線路を通すなどの大規模な工事が必要です。この工事を実施するためには、貨物列車を運休させたり迂回させたりする必要がありますが、東海道貨物線は貨物列車が頻繁に通っているため、工事方法や工期、貨物列車のダイヤについて、JR貨物やJR東日本との調整が長引いているのです。また、一部土地の用地買収が済んでいないため、接続部分の工事に着手できていません。
建設費が上がった理由は、(1)関係者協議による計画変更 (2)地質調査等の結果を踏まえた工法変更 (3)法令・基準等の改正 などという、2009年10月の工事施工認可時点では想定できなかった事項が発生したからです。
今回の鉄道・運輸機構の発表では、相鉄・東急直通線の開業時期(2019年3月予定)には触れられていませんが、場合によってはこちらにも影響があるかもしれません。
(参考:鉄道・運輸機構ホームページ http://www.jrtt.go.jp/08-2Press/pdf/H25/pressh250423.pdf、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20130422-OYT8T01771.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/area/kanagawa/articles/TKY201304230475.html)
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