名古屋市「敬老パス」、拡大か?
21日に行われた名古屋市長選挙で、現職の河村たかし氏が3選しました。名古屋市内では、圧倒的に強いです。
河村市長の交通関係の公約は、「敬老パス」の拡大のほか、「SL博物館構想」があります。2011年度に市が行った事業仕分けで「敬老パス」は「見直し」とされました。市の社会福祉審議会が制度の在り方を審議していて、この秋には、利用者負担分の引き上げを意見することも予想されています。しかし、河村市長は今回の選挙公約で、「敬老パス」をタクシー、JR、名鉄に拡大することを検討しています。財源を見つけて、それに見合った分だけ徐々に対象を広げていくようです。当然ながら、自己負担の引き上げには否定的です。
日本では高齢者が圧倒的に多いので、選挙に勝つためにどうしても高齢者に甘い政策が並びます。名古屋市長選では落選した他の候補者も「敬老パス」を見直す考えは出ませんでした。しかし、高齢者はますます増えます。どんどん負担金が増えていきます。「敬老パス」にかかる費用は福祉関係の予算から交通局に支払うのですが、税金であることには変わりありません。
「敬老パス」を使って高齢者が公共交通機関を使えば、健康に良いという考えもありますが、それを言うなら若者でも当てはまります。全員に無料パスを渡してもよいのです。それは極端としても、大阪市交通局が考えているように子供の運賃を無料にするほうがよほど有用でしょう。子供に公共交通機関を使う習慣を身に付けさせるとともに、希少価値の高い子供を育てている、子育て世代への支援にもなります。
さて、もうひとつの「SL博物館」は、世界中からSLを集めるというものです。当然ながらSLを集めるのはお金もかかります。市長は2月に行われた実験走行で多くの応募者を集めて、SL関係のイベントに気を良くしているようですが、あおなみ線の現状を認識した話ではありません。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20130422-OYT1T00394.htm、毎日jp http://senkyo.mainichi.jp/news/20130417ddlk23010187000c.html、朝日新聞4月23日朝刊 中部14版、朝日新聞12月5日朝刊 中部14版)
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