並行在来線のICカード導入に積極的な富山県と消極的な石川県
北陸新幹線金沢開業により信越線・北陸線(長野-直江津-金沢間)は第三セクター化されます。このうち、富山県内の並行在来線会社は、JR西日本のICカード「ICOCA」を導入する予定です。新幹線が開業することにより、ICカードが普及している首都圏などの県外客が増えることを見込んでいるからです。将来的には富山ライトレールや富山地方鉄道ですでに導入されているICカードとの相互利用も考えているようです。
しかし、富山県だけICカードを導入してもあまり意味はありません。日常的に隣の石川県に行き来する需要があるからです。石川県の並行在来線会社(「IRいしかわ鉄道」)にもICカードを導入することが求められますが、石川県のほうは消極的です。
というのも、北陸線金沢以西や七尾線がJRのままで残る以上(当然ながら富山県部分は別の第三セクターです)、IRいしかわ鉄道だけで完結する需要が少ないのです。IRいしかわ鉄道を利用する客の5割がJRと乗り継ぐものとみられています。JR西日本が「ICOCA」を導入することがはっきりとわからないと、導入に踏み切れないのです。
このICカード導入の話は富山と石川だけの話にはなりません。福井のえちぜん鉄道もICカード導入を考えているようですが、富山などのICカード導入がどうなるかを見守っています。ICカード導入には十億円単位の導入費がネックとなります。北陸のほかの会社でも導入すれば効果は高いのですが、一社だけでは導入に踏み切れないというのが現状のようです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2013032702100010.html)
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