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首都高速の改修財源は空中権の売却で

 首都高速は老朽化のため、大幅な改修が必要です。それには莫大なお金がかかります。その財源をどうやって確保するかが重要な課題です。

 そこに救世主が現れました。空中権を使うというものです。空中権とは都市計画で認められた容積率のうち使われていない分を使用できる権利のこと。高速道路の上は空ですから、ビルを建てれば使うことのできる容積率を使っていないことになります。2000年の法改正によって、空中権を指定された地域の中で売買することができるようになりました。

 空中権を生み出す方法として、道路の上を人工地盤で覆い、地上に新たな土地を生み出します。そして、新たにできた土地の空中権を周辺のビルの持ち主に売却して改修資金を得ます。空中権を買った周辺のビルの持ち主は、その分が本来の容積率に上積みされて、大規模なビルを建てることができます。当面想定されているのは都心環状線のうち、銀座周辺の約1キロの区間。かつては川だったので、半地下の構造となっています。周辺の再開発と一体で首都高速を改修することになります。政府はこのような民間資金を使ったインフラの整備事業の拡大を来月にまとめる政府の基本方針である「骨太の方針」に盛り込む方向です。

 高速道路ではありませんが、空中権の売却でお金を生み出したところがあります。JR東日本の東京駅の改修です。東京駅の容積率は900%ですが、実際には200%しか使っていません。余った700%を使う権利を周辺のビルに売却して、500億円の改修費用のほとんどを賄いました。首都高速についても、国交省の有識者による検討会が、地震対策の観点から、今の高架を撤去し、地下トンネルを中心に建設することも検討すべきだとしています。もし、地下化によって生まれる高架の跡地の空中権をすべて売却すると、地下化にかかる費用の1/3近くに当たる1.2兆円が入るという試算もあります。
(参考:NHKホームページ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130506/k10014385241000.html)

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