大阪市営地下鉄今里筋線延伸計画復活か?
以前の記事でも書いたように、大阪市営地下鉄とバスの民営化条例案の審議は難航しています。橋下市長は2~3月市議会に提案しましたが、継続審議となり、15日に開会される5月市議会で再度審議されます。
橋下市長が延伸に否定的だった今里筋線今里-湯里六丁目間(6.7キロ)ですが、今回の修正案では、大阪市が延伸を要望した場合には、新会社はそれを尊重するとしています。外部有識者による検討委員会を設置して必要性を議論します。今里筋線は2006年に井高野-今里間で開業しましたが、財政難のため当時の関市長が今里以南の延伸計画を凍結していました。延伸にかかる工事費は1314億円と見積もられています。ところが2010年、市議会は町の活性化が期待できるとして、早期延伸を求める決議を行っています。民営化条例案の修正はその要望にこたえたものと言えますが、橋下市長は延伸に積極的になったわけではなく、新会社に建設の是非の判断をゆだねることとしています。
都心部を通らない今里筋線は、南に延伸しても(都心部を通らないという)状況は変わりません。沿線に住んでいる人でない限り、どうしても必要な路線ではありません。都心部の改良計画ならともかく、そうでない限りは緊急性は低いです。
また、バスについてですが、民間に譲渡後5年間は原則、路線やサービスを維持することが決められていますが、その後も必要な路線の維持を大阪市が事業者に求めることや、事業者が従わない場合は大阪市が代替業者を確保することを修正案に盛り込みました。民間事業者が撤退した場合に備えて、一定規模を大阪市の外郭団体、大阪運輸振興に譲渡することも盛り込まれています。確かに民間に譲渡後一定の期間、サービス水準の維持を求めるのは必要でしょうが、何年も維持させるわけにはいきません。5年程度はともかく、それ以上民間事業者に求めることは無茶な話でしょう。「必要な路線」は大阪市が補助金を出して維持する必要がありますが、鉄道などの交通網の発達している大阪市のことですから、「必要な路線」は厳しく精査しないといけないでしょう。
(追記)
5月市議会でも、大阪市営地下鉄とバスの民営化条例案は継続審議となりました。次回の9月市議会で審議されますが、依然として成立の見通しは立っておらず、時間的な問題から民営化の時期が遅れる危険性があります。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/news/20130508ddf001010005000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130508/waf13050812390016-n1.htm、nikkansports.com http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130530-1135465.html)
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