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三岐鉄道北勢線の現状

 先ほどの記事で近鉄内部・八王子線を取り上げましたが、近くには同じ特殊狭軌線の三岐鉄道北勢線があります。三岐鉄道北勢線はかつては近鉄でしたが、10年前の2003年4月に経営を引き継ぎました。その現状をレポートしたものがありました。

 近鉄が北勢線の廃止を発表したとき、桑名市など北勢線の沿線市町から北勢線の経営を引き受けるよう要請されましたが、もともと三岐鉄道には経営を引き受ける意思はありませんでした。三岐線と北勢線は近いところで並行しています。その間隔は山側に行けばいくほど狭くなります。北勢線が廃止されることによって、三岐線の旅客の増加が見込めるため、経営引き受けには消極的でした。しかし、三岐鉄道は三岐線の車内冷房や駅構内の近代化のため、東員町などの関係自治体から約10億円の支援を受けていました。その経緯もあり最終的には北勢線の経営を引き受けることになりました。地元自治体もリニューアルと赤字補てんの名目で10年間、総額55億円の援助を決めました。

 経営を引き受けた三岐鉄道は大規模なリニューアルを行いました。主要駅に無料駐車場や駐輪場を設け、「パークアンドライド」に対応できるようにしました。車内の空調、駅舎のトイレや待合室の整備も行いました。その努力の甲斐あって、200万人を切りかけていた年間乗客数は上向き、2012年度は238万人になりました。

 しかし、黒字に転換したわけではありません。近鉄時代、約7億円あった赤字は半減しましたが、それでも2012年度の赤字は3.7億円。解消のめどは立っていません。沿線自治体からの援助は2012年度で終わりましたが、2016年度までの3年間、6億円の暫定支援が行われています。元近鉄路線の伊賀鉄道、養老鉄道(これらの2路線はなぜ苦戦しているのでしょうか? 特に養老鉄道は三岐鉄道北勢線と同じ桑名で接続しているのに)とは違い、乗客数が増えているところが明るい材料ですが(三岐鉄道北勢線沿線の将来の人口予測も安定しています)、赤字の完全解消には至っていません。三岐鉄道北勢線は固定客の通勤、通学客がいるところが強みですが、利益率の高い乗客を確保しようと、イベントも企画しています。

(追記)
 2013年度はイオンモール東員が開業したため旅客が増え、消費税率引き上げに伴う定期券の駆け込み購入があったため、年間乗客数は11万人増え247万人に、旅客収入は約2000万円増え3.8億円となりました。ともに近鉄から経営を引き継いでから最高の成績となりましたが、それでも3.1億円の赤字となりました。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20130422/CK2013042202000020.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/mie/news/20140528ddlk24020094000c.html)

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