神奈川県愛川町、鉄道を誘致へ
神奈川県の中央部にある愛川町。北に相模川、中央に中津川が流れ、西に宮ヶ瀬湖があり、自然に恵まれています。昔から絹の産地として知られていて、近年は県内最大の内陸工業団地が造成され、物流の拠点となっています。
しかしこの愛川町、都心から50キロも離れていないのに、通勤圏とはされていません。その理由は、鉄道がないこと。最寄駅は小田急の本厚木駅や海老名駅ですが、バスで1時間もかかります。町の関係者は、駅がないので駅前商店街は形成されず、(通勤通学の不便さから)子育て中の若い人が住むところとして選択されないとみています。
そこで愛川町は本格的に鉄道の誘致に乗り出すことになりました。すでに45年前の1968年に町は小田急に対して新線の要望を出しました。その後も町や町議が要望を出していましたが、今日13日に、小田急多摩線の延伸を求める地元住民組織(「愛川小田急多摩線延伸促進協議会」)が発足します。愛川町の21の全自治会、22の商工団体が名を連ねています。町立文化会館で設立総会が開催され、昨年7月にできた準備会の役員がそのまま協議会の役員に就任する見込みです。
現在、小田急多摩線は唐木田まで開業していますが、これを延伸する構想があります。2000年に国の運輸政策審議会(現:交通政策審議会)が唐木田駅からJR横浜線、相模線方面への延伸を検討すべきことを答申しています。JR横浜線の相模原駅を経て、JR相模線の上溝駅に至るルートです。延伸の想定ルート上にはアメリカ陸軍相模総合補給廠がありましたが、2008年その一部返還が正式合意され、延伸に支障がないようになりました。国は2014年度、さらに上溝駅から相模原市中央区の田名地区まで延伸したい旨を交通政策審議会に諮ります。2015年度に答申される見通しです。その流れを受けて、協議会は田名地区からさらに愛川・厚木方面への延伸を強く訴えます。
もっとも、唐木田からの延伸はJR横浜線、相模線方面への延伸もまだ決まっていません。その先になると、さらに不透明です。いくら首都圏とはいえ、人口はいずれ減少傾向になるでしょうから、鉄道会社も厳しくならざるを得ないでしょう。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130511-OYT1T00682.htm)
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Comments
ごぶさたしています。あの辺は実家近くなので良く知ってます。少し下流の下溝辺りから丹沢山系と眼下に相模川を望む「八景の棚」は地元民しか知らない景勝地。何十年先になるかわかりませんが多摩線が延びれば水郷田名とペアで新たなミニ観光地として話題を呼ぶかも知れません。しかし対岸愛川まで伸ばすと相模川を渡る数百mの橋が必要でそれがネックかと思います。以前日豊線を旅した時複線区間が杵築でなぜ再度途切れるか理由がわかりました。杵築駅を出てすぐの所に深い渓谷を跨ぐ鉄橋があり、ここがネックでなかなか複線化できないのだなと。橋を架けるのって結構金かかりますよね・・・
Posted by: miyahara | 2013.05.24 10:51 PM
miyaharaさん、おはようございます。
* 何十年先になるかわかりませんが多摩線が延びれば
鉄道が開通すれば、今まで知られなかったところでも知名度が上がります。
* 以前日豊線を旅した時複線区間が
このあたりは部分的に単線となっています。複線化は遅い列車の底上げにはなっても、最速列車のスピードアップには結びつかないことが多いので、どうしてもパンクしない限り後回しにされがちです。
Posted by: たべちゃん | 2013.05.25 06:58 AM