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ベトナム新幹線計画、見直しへ

 ベトナムにも新幹線の計画がありました。現在、ハノイとホーチミンとを結ぶ鉄道(全長1726キロ)は、所要時間が片道29~38時間もかかります。この両都市間に新線を建設し、移動時間を大幅に短縮する計画で、2010年3月の閣議で日本の新幹線方式での建設が承認されました。

 しかしその後の国会で、鉄道の建設費が当時のベトナムの国家予算(日本円で約3.8兆円)を上回る5兆円以上かかることが問題視され、新幹線ではなく最高速度160~200キロの準高速鉄道をつくることとなってしまいました。

 そこでベトナム鉄道公社は、ベトナム運輸省に対し、鉄道開発計画の修正案を提出しました。ハノイとホーチミンとを結ぶ既存の南北統一鉄道の整備・近代化を進めると同時に、2020年以降の南北準高速鉄道敷設に先行してハノイ近郊の50キロの区間に時速160~200キロの複線の準高速鉄道を試験的に建設します。南北統一鉄道の整備・近代化にかかる総事業費は約39.9兆ドン(約1936億円)で、このうち2020年までにかかる費用は約18.6兆ドンです。ハノイ近郊の準高速鉄道建設費は約36.8兆ドンです。

 ベトナム鉄道公社とともに新幹線計画の見直しを行ってきた日本の国際協力機構(JICA)は2020年度以降に予定されている準高速鉄道計画について、堅調な旅客需要が見込まれる2区間約600キロの建設を優先することを提案しています。2区間の事業予算は総額で400兆ドンあまりです。

 ベトナム運輸相の考えとしては、2020年までは在来線の改良に力を入れるべきであり、事業規模の大きい準高速鉄道の新設には慎重な考えを示しています。しかし、現在のベトナム国内の輸送能力に占める鉄道輸送の割合は旅客が4%あまり、貨物が2%弱です。もともとベトナムには2020年までに旅客は13%、貨物は14%に引き上げるという目標があったようですが、ベトナム鉄道公社の元幹部によれば既存の鉄道ではその目標達成は難しいとしています。
(参考:「鉄道ファン」2013年8月号 交友社、Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130514/mcb1305140701021-n1.htm)

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