くま川鉄道の水戸岡デザイン新車両は「田園シンフォニー」がテーマ
以前にも書いたように、くま川鉄道は保有している8両のうち老朽化している6両を2014年度までに廃車し(JR九州から来た車両(1両)はこの夏に廃車される予定です)、新たに5両を製造します。このうち、今年度(2014年3月予定)に3両を投入します。6月25日に開かれた株主総会で、その3両の概要が明らかになりました。
3両の新車両は、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が手掛けるものです(昨年の記事ではこれが「最後の仕事」と言われていましたが、それからも次々に仕事が舞い込んでいます。最近ではこういう話もあります)。
「田園シンフォニー」を基本理念としたこの車両は、外観の色がそれぞれ異なり、赤、茶、ベージュとなります。田園の中に溶け込み調和しながら、動くと時々目立つ外観をイメージしたもののようです。内装には人吉球磨産のヒノキを使い(椅子や床、テーブルなどに使用します)、全車両にトイレ、車椅子に対応するスペース、子供用展望席を備えます。座席配置はボックスシートでテーブルがあるのが特徴的です。くま川鉄道の田中人吉市長によれば、新車両は、ベートーベンの「田園」にちなみ、車両にト音記号をデザインするようです。
株主総会では、2012年度決算も報告されました。2012年度の営業損益は6000万円の損失で23年連続の赤字、経常損失も2300万円で9年連続の赤字でした。純損益は人吉球磨10市町村が拠出する赤字補てんなどで2100万円の黒字となっています。輸送人員は前年度比1.8%増の74万人、うち通学は56.2万人でした。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/otona/railwaynews/11/kumamoto/20130626-OYT8T00545.htm、くまにちコム http://kumanichi.com/news/local/main/20130626003.shtml、「鉄道ジャーナル」2013年6月号 鉄道ジャーナル社)
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