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熊本市電等へのICカード導入について

 熊本市電や熊本市内を走る民間バス5社(九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バス)は、共通のプリペイドカード「TO熊カード」で乗車できます。ICカードは使えません。しかし、「TO熊カード」の読み取り機の更新時期に合わせて、熊本でもICカードを導入することにしました。熊本市電は2014年度中、民間バス5社は2015年3月に導入します。

 ところがそのICカード、熊本市電とバスで別々のものとなるようです。熊本市電は全国相互利用型。熊本市電のICカードを持っていれば東京のJR(「Suica」エリア)などにも乗ることができますし、「Suica」「SUGOCA」など主要ICカードを持っていればそのまま熊本市電に乗ることができます。これに対してバスのほうは片利用型。熊本以外では利用できない地域限定カードですが、片利用型とするのは、観光客などの利用を考慮したものです。「Suica」「SUGOCA」など主要ICカードを持っていればそのままバスに乗ることができますが、バスのICカードを持っていても東京のJR(「Suica」エリア)などには乗ることができません。熊本市電すら乗ることができないようです(逆に熊本市電のカードを持っていれば、バスに乗ることができます)。熊本にICカードの発行や決済などを担う会社を置きます。バスのICカードには、定期券や1日乗車券の機能を盛り込むほか、5社間での共通定期や乗り継ぎ定期など、熊本独自の仕組みも検討しています。電子マネー機能は熊本市電、バス両方にあるようです。

 ここで問題になっているのは、バスのICカードの片利用型の費用負担について。バス会社は片利用のために追加でかかる費用を全額熊本市が負担するように要求していますが、熊本市は一部支援には前向きなものの、基本的には民間事業者が行うものだとしています。

 そもそも、現状では1枚のカードで共通利用できる熊本市電とバスが、別々のカードになってしまうところが大きな疑問点です。バス会社が熊本市電と同じような全国相互利用型を採用して、合同で1枚のカードをつくればいいですが、すでにバス会社は地域限定カードを導入することを決めていて、全国相互利用型には変更できないということです。

 地域限定カードは東京や福岡などでは利用できないものの、ICカード利用者に限定した割引を設定しやすいなど、メリットがあります。全国からのビジネス客や観光客対策として片利用型にしておけばよいでしょう(「Suica」などを持ってきた人には割引は特になくてもよいでしょう)。全国相互利用型と地域限定カード(片利用型)のどちらがよいかは難しいところです。ともかく、熊本市電とバスが共通のカードを採用することが大切でしょう。

(追記)
 熊本市交通局は、熊本市電ICカード導入業務の契約候補者を福岡市のニモカ社に決定しました。2回公募しましたが、ニモカ社しか応募がなかったのです。ニモカ社は西鉄が100%出資する子会社で、「nimoca」の発行事業などを行っています。

 西鉄ならば九州産交など熊本のバス会社ともつながりがあり、バスのICカードも「nimoca」をベースにしたほうがいいかもしれません。
(参考:くまにちコム http://kumanichi.com/news/local/main/20130628008.shtml、http://kumanichi.com/news/local/main/20130619006.shtml、毎日jp http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20130605ddlk43020442000c.html、熊本日日新聞 5月31日朝刊、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/09/16/206470.html)

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Comments

片利用カードは静岡でもありますけど
プレミアムの問題ですかね?

Posted by: フリーダム | 2013.07.08 10:01 PM

 フリーダムさん、こんばんは。

* プレミアムの問題ですかね?

 片利用型のほうがやりやすいですが、「manaca」のような全国相互利用型でもできないことはありません。

Posted by: たべちゃん | 2013.07.08 10:58 PM

これで県内バス業界は地域限定型を断念せざるを得なくなってきますね。熊本市は補助金は出さないと断言してますし。

最悪、バス業界がnimoca合流派と離脱派の二つに分かれてTo熊カードもnimocaもSUGOCAも使えないバスが出るかも・・・

Posted by: 通りすがり | 2013.09.17 09:56 PM

 通りすがり さん、こんばんは。

* これで県内バス業界は地域限定型を

 わざわざ地域限定型を採用するメリットはどこにあるのでしょうか?

 ある意味、「nimoca」をそっくりそのまま採用するという方法もあります。開発コストはかなり削減されることでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2013.09.17 11:04 PM

火の国熊本の街を走ります乗合路線バスには、
九州産業交通株式会社(九州産交)を始め、
熊本電鉄株式会社/熊本バス株式会社/
熊本市交通局(熊本市営バス)が有ります。
此のうち熊本市営バスに付きまして、小峰車庫/
本山車庫の扱い路線を熊本都市バス株式会社に順次
移管しております。 さて、熊本市交通局では
交通系ICカード『でんでんニモカ』のサービスを
開始致しました。 すでに熊本県内ではJR九州の
『SUGOCA』が使われておりますが、福岡県を
走ります福岡市営地下鉄と西日本鉄道の電車と
バスに広く使われております『NIMOCA』と
『はやかけん』と相互利用ができる事で有ります。
また、JR東日本の「SUICA」を始め
JR北海道の「KITACA」など全国の交通系
ICカードも相互利用できまして便利になったと
確信しております、 さて、7月13日/日曜日に
神奈川芸術劇場(KAAT)にて、7月20日/日曜日
から7月31日/木曜日まで東京・有楽町の東京国際
フォーラム/ホールCにて、フジテレビジョン開局
55周年記念公演のブロードウェイ・ミュージカル
『ピーターパン2014』を行います。 此の公演にて
福田早紀さん(ふくだ さき/本名同じ)が
白いウェンディーに登場致します。 此のお名前
『福田早紀』は、正しいでしょうか? 違う
場合は、お知らせください。
ありがとうございました。

Posted by: 渡辺和裕 | 2014.05.05 05:36 PM

 渡辺和裕 さん、おはようございます。

* さて、熊本市交通局では
交通系ICカード『でんでんニモカ』のサービスを
開始致しました。

 全国の主な交通系ICカードが使えるので、便利です。

Posted by: たべちゃん | 2014.05.06 05:30 AM

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