南海三国ヶ丘駅、橋上駅舎化でJRとの乗り換え不便に?
南海三国ヶ丘駅は、JR阪和線との乗り換え駅。南海は堺市及びJR西日本の協力を得て、施設の利便性や集客力の向上を目的とした「三国ヶ丘駅改良事業」を2011年4月から推進しています。その事業のもと、駅舎の橋上駅舎化などを進めてきましたが、9月7日始発列車から、東西自由通路及び橋上駅舎の供用を開始することになりました。
東西自由通路は、東口(現行の北口、西口との関係をわかりやすくするために北口から改められます)と西口から線路をまたいで東西を行き来できる通路です。当然ながら従来のように改札内に入る必要はありません。東西自由通路のエスカレーター(東側2基、西側1基)も、同日から供用を開始します。東西自由通路のエレベーター(2基)については今後整備を進め、東側は2014年1月ごろ、西側は2014年3月ごろにそれぞれ完成する予定です。
これまで南海の改札及び駅務室は、北口と西口に分かれていましたが、橋上駅舎化によって、1か所に集約されます。橋上駅舎化と同時に、改札内と高野山方面ホームとを結ぶエスカレーター(2基)の供用を開始します。既存の駅施設については、次のようになります。東口(現行の北口)については、JR専用の改札口となります。南海の改札を撤去、南海からJRへの連絡改札口を閉鎖し、JRから南海への連絡改札口をJRの出場専用の改札に変更します。JRへの改札口は拡大されるようです。現行の北口にある南海の駅務室はJRの駅務室(仮設)に変更されます。西口の改札口は閉鎖します。既存の跨線橋は橋上駅舎と一体化させて使用し、改札内地下道は閉鎖されます。なお、東西自由通路のエレベーターの供用が始まるまでの間は、車椅子を利用する人に対しては1階に通路を設け、駅係員による対応を行います。
この橋上駅舎化によって、南海とJRとの乗り換えが不便になります。例えば、JRから南海高野山方面に行く場合、階段をひとつ上るだけで済みましたが、橋上駅舎化後は、階段の上り下りが3つ要ります。乗り換え時間には余裕を持っておく必要があるでしょう。反対に、期待が持てることもあります。これまで三国ヶ丘は利用者が多い駅にもかかわらず、南海が管理していたので、「みどりの窓口」がありませんでした。阪和線内で「みどりの窓口」がないのは、東佐野・山中渓・紀伊中ノ島のみです。南海の橋上駅舎化によって、JRも独立して駅務室が設けられることになるので、三国ヶ丘に「みどりの窓口」ができるかもしれません。
今後は、商業施設のリニューアルをはじめ、東西自由通路のエレベーター(2基)や、改札内と難波方面ホームとを結ぶエスカレーター(2基)の設置工事などを進めます。商業施設のリニューアルオープンを含めた全面開業は2014年春を予定しています。
(追記)
南海とJR西日本の改札分離により、三国ヶ丘駅に「みどりの券売機」(指定席自動券売機)が設置されました(その後、「みどりの券売機プラス」になっています)。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/130813.pdf、JR西日本ホームページ http://www.jr-odekake.net/eki/img/premises/0621909.pdf)
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