岐阜県と富山県、北陸新幹線で高山線特急増発を要望
先月のことですが、岐阜県の古田知事と富山県の石井知事が、高山市の飛騨高山美術館で懇談会を行いました。
この懇談会での主な内容は、高山線特急の増便。現在、高山-富山間は1日4往復しかありませんが、それを増便するよう、JRに要望していきます。
増発を求める背景にあるのは、2015年の北陸新幹線開業。現在、東京から高山に行くには、名古屋経由で4時間強かかります。しかし、北陸新幹線が開業すると東京-高山間が富山経由で3時間50分程度で結ばれます。鉄道での最速ルートが、今までの常識では考えられなかった富山経由になるのです。ところが、今の「ワイドビューひだ」のダイヤは、名古屋発着の視点しかなく、始発の富山着が12:26と遅く、最終の富山発は17:10と早いのです。
現行の運用では、富山着の最終及び富山発の始発を除いては、富山ですぐに折り返し、名古屋に戻ります。つまり、車両を増やさないことを前提とすれば、増発の余地は富山に朝に着く便と富山を夜に出る便の1往復しかありません。とは言っても、できる限りで増発を検討するのが望ましいでしょう。高山-富山間がJR東海、JR西日本の2社にまたがるのが大きなネックですが。
さて、話は変わりますが、7月23日、岐阜県経済同友会の観光振興委員会は、国や中部9県が進める「昇龍道プロジェクト」において、高山線を「龍の背骨」にあたるとして、貴重な観光資源として国内外にPRすべきということを発表しました。来年春に提言をまとめます。
そのうち、高山線に関しては、JR側に車内販売の再開や軽食を提供する車両の導入など、特急「ワイドビューひだ」の観光列車化を要望しています。ただ、相手がJR東海なので、そのような楽しむことのできる車両が出現することは期待できないでしょう。東海道新幹線の成功体験から、乗客を楽しませる車両をつくるのが非常に苦手です。儲からないとはいえ、3月に在来線特急の車内販売を廃止したような会社ですから。ビュッフェに至っては、夢物語です。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20130722/CK2013072202000041.html、岐阜新聞ホームページ http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20130724/201307241037_20521.shtml)
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Comments
>高山-富山間がJR東海、JR西日本の2社にまたがるのが大きなネックですが。
それより、今まで名古屋経由で向かっていた人が、北陸新幹線経由にシフトするのでは、JR東海は面白いはずはありません。
JR東海に富山接続特急を強化することは期待できません。
やるとしたら、JR西日本が「はまかぜ」タイプの車両を新造し投入するかでしょう。
Posted by: かにうさぎ | 2013.08.19 10:02 PM
かにうさぎさん、こんばんは。
* それより、今まで名古屋経由で向かっていた人が、
鉄道で名古屋で乗り換えで高山方面に行く客がどれぐらいいるのでしょうか? 東海道新幹線の莫大な輸送量に比べると無視できるほどの値でしょう。
Posted by: たべちゃん | 2013.08.19 10:19 PM
>東海道新幹線の莫大な輸送量に比べると無視できるほどの値でしょう。
それはそうでしょうが、富山経由にシフトするなら、JR東海が運営する名古屋-高山間の利用者には影響する。
高山線の利用者のうち首都圏発着者がどれだけ占めるかはわかりませんが、高山以南の列車が減便or編成減になる可能性もある。
高山以南の利用者を敢えて減少させてまで、JR東海が富山接続強化に力を入れるだろうかということが言いたかったわけです。
しかも、従来の名古屋経由でも、東京-高山は4時間程度で、北陸新幹線開業後の富山経由が絶対的に優位というわけでもない。
北陸新幹線には最速列車はせいぜい1日数本程度で、大半の列車はプラス10-15分程度余計にかかる。
JR東海が富山接続強化を渋ったところで、「JR東海のエゴ」といった批判が起きる恐れは少ないと思える。
Posted by: かにうさぎ | 2013.08.20 09:50 PM
かにうさぎさん、こんばんは。
* 高山線の利用者のうち首都圏発着者
それほど速くない割には結構高いので、そう利用者はいないでしょう。
「ワイドビューひだ」を導入したところまでは勢いがあったのですが、東海北陸道が開通し、高速バスが多数走るようになっても、積極策はとりませんでした。
JR東海が狭い考えにとらわれて高山以北の増発をしないということも十分ありますが、それでは高山線が緩慢なる死を迎えるだけです。
Posted by: たべちゃん | 2013.08.21 05:35 AM
>JR東海が狭い考えにとらわれて高山以北の増発をしないということも十分ありますが
もし、JR東海がこの区間を増発するとしたら、「しらさぎ」が金沢で分断されることに伴い、名古屋-富山間の直通利用者を高山線経由にシフトを狙ってということでしょう。
現在でも、名古屋-金沢はともかく、富山なら「しらさぎ」も「ひだ」も時間的に余り差がないが、本数面で「しらさぎ」が優位だ。
北陸新幹線開業後、金沢乗換を嫌う利用者が高山線経由を望むということになれば、「ひだ」増発に向けた理由付けができます。
となると、車両増備が必要だが、「ひだ」用85系も25年以上経過し、非振り子式ということを考慮すれば、新たな車両をJR西日本・東海で開発するのもいいでしょう。
Posted by: かにうさぎ | 2013.08.23 09:19 PM
かにうさぎさん、こんばんは。
* もし、JR東海がこの区間を増発するとしたら、「しらさぎ」が金沢で分断されることに伴い、
以前( https://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2011/07/post-8839.html )にも書きましたが、「しらさぎ」に関しては、北陸新幹線開業に伴い、本数が減るとの話もあります。首都圏からの利用が減るためです。名古屋発着はともかく、米原発着は危ないかもしれません。
Posted by: たべちゃん | 2013.08.23 10:56 PM
首都圏-高山については名古屋乗り換えの割引きっぷを使って対抗する気がします。
ただ、利用者側から見れば「一周きっぷ」という方法もありますね。
少し話題がそれますが、しらさぎは北陸新幹線に流れないであろう敦賀・武生・鯖江の利用客が意外と多いです。あと、金沢-名古屋の輸送も無視できないほどの量なんですね。私自身、最初、東海北陸道が全通した時に金沢発着のしらさぎがどうなるか気になりましたが、ずっと存続していますし。
ですので、本数減はあっても1往復程度と踏んでおりますが、短編成化というのは考えられますね。
米原発着に付いてはサンダーバードの増結用編成利用に切り替え、「6連のサンダーバードと3連のしらさぎが敦賀以東で併結」ということも考えられそうです。
Posted by: うえしょう | 2013.08.25 10:43 AM
うえしょう さん、こんにちは。
* 首都圏-高山については
さて、JR東海はどういう対策に出るのでしょうか?
* ただ、利用者側から見れば
普通の乗車券で途中下車ができること自体が「裏技」の部類なので、ある程度切符の制度を知っている人でないと難しいでしょう。
* 少し話題がそれますが、しらさぎは北陸新幹線に
名古屋との需要はある程度ありますので、名古屋直通のは心配ありません。問題は、米原発着についてでしょう。東海道新幹線からの乗り継ぎ客は福井までですから、乗継需要はかなり減ってしまいます。
Posted by: たべちゃん | 2013.08.25 03:41 PM
> 問題は、米原発着についてでしょう。
実際に金沢に住んでみてわかったのは、名古屋へ行くのですら米原から新幹線乗り継ぎというケースは結構多いことです。
米原発着をあわせないと1時間ヘッドにならないのと、新幹線自由席も使える割引きっぷが発売されていることがその理由です。
もっとも今の状態なら名古屋発着を増やしてもよいくらいなんですけど、需要が落ち込むとなると難しいところです。
Posted by: うえしょう | 2013.08.27 12:28 AM
うえしょう さん、おはようございます。
* 実際に金沢に住んでみてわかったのは、
本来は名古屋発着の「しらさぎ」を増やせばよいのですが、一社だけでは解決しないので、改善が進みません。JR東海が絡むとどうも話はややこしくなります。
話は変わりますが、コメントもかなり増えてきましたので、本日の23:59で締め切りとさせていただきます。ご了承ください。
Posted by: たべちゃん | 2013.08.27 05:37 AM