« August 2013 | Main | October 2013 »

September 2013

JR西日本、北陸線に手持ちのクレジットカードで利用可能な「e5489早特3」設定

 JR西日本は、北陸線に、手持ちのクレジットカードで誰でも購入することのできる、インターネット予約専用商品「e5489早特3」を新たに設定します。

 「e5489早特3」の発売期間は11月1日から2014年3月31日まで(乗車1か月前の10時から3日前23時まで発売します)、利用期間は12月1日から2014年4月3日までです。「J-WESTカード」がなくても、「J-WESTネット会員登録(無料)」をするだけで、パソコンや携帯電話などから予約できます。乗車するときに、JR西日本の「みどりの窓口」等で、決済に使ったクレジットカードにより、切符に引き換えます。手持ちのクレジットカードで購入できるタイプの切符は、山陽新幹線などでもあり、最近のJR西日本の傾向のようです。喜ばしいことです。

 北陸線には、一時期、お試し用の「eきっぷ」等の設定がありましたが、これが変化したかたちとなっています。「サンダーバード」の普通車指定席に乗車でき(新幹線との乗継は不可)、片道乗車券(特急券の区間を含むことが必要です)と特急券のセットで発売します。特急券は大阪、新大阪、京都-敦賀、福井、小松、金沢、富山間で設定がありますが、大阪市内-金沢間の場合、運賃と通常期の普通車指定席の合計で7440円のところ、6200円で購入できます。1240円もお得です。ただ、この切符は席数限定の切符です。早めに購入する必要があります。予約した列車の変更はできず、変更したいときは払い戻す必要があります(手数料がかかります)。

 また、「J-WESTカード」会員限定の「e早特」(グリーン車用)を北近畿方面、山陰方面にも拡大します。反対に、以前にも触れたのですが、「ひかり早特きっぷ」など10月24日または31日に販売を終了する切符もあります。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/09/page_4475.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

「くまモン&くろちゃん」ラッピング新幹線、10月1日から運行

 JR九州とJR西日本は、熊本県とJR九州が開催する「どっちゃん行く?熊本」キャンペーンに合わせ、熊本県営業部長「くまモン」と阿蘇駅名誉駅長「くろちゃん」をラッピングした新幹線を運行します。「くまモン&くろちゃん」ラッピング新幹線です。

 「くまモン」や「くろちゃん」が散りばめられた、「くまモン&くろちゃん」ラッピング新幹線は、10月1日から11月4日の間、運行します(車両運用の都合により変更する場合があります)。N700系1編成(8両のもの)にラッピングを行い、山陽・九州新幹線の新大阪-鹿児島中央間を運行します。運行ダイヤは日によって異なり、本日9月30日からJR西日本のホームページ「JRおでかけネット」で公表される予定です。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/09/page_4467.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

「あかぎ」に指定席、チケットレスサービスも

 上野・新宿と高崎・新前橋・前橋とを結ぶ特急「あかぎ」。グリーン車が指定席であるほかは、すべて普通車自由席です。

 この「あかぎ」に、11月18日から普通車指定席が付くことになります(全列車に指定席が付きます)。確実に着席したいという利用者の意見を反映したものです。新たに指定席となるのは、3号車のみです(14両編成の「あかぎ1号」「あかぎ4号」は10号車も指定席となります)。

 JRの指定席特急料金は繁忙期は通常期よりも200円高く、閑散期は逆に通常期より200円安いです。しかし、「あかぎ」は通勤で利用する人が多いという特性から、指定席料金は年間を通じて同一とします。B特急料金の通常期料金を1年を通じて適用します。ところで、高崎線には、「草津」も走っていますが、こちらは特急料金の変更はないようです。繁忙期、通常期、閑散期と特急料金が異なります。「あかぎ」と「草津」とで指定席特急料金が異なることとなりますが、運行時間帯が異なることから何もせず割り切っているのでしょうか? なお、「あかぎ」の指定席車両(グリーン車を除く)も、自由席同様に定期券と併用して乗車することができます。もちろん、指定席特急券は必要です。

 11月17日5:30からは、現在「成田エクスプレス」に導入している「えきねっとチケットレスサービス」を「あかぎ」にも導入します。「えきねっとチケットレスサービス」を使ったときの料金は、通常の指定席特急料金より一律300円引き(子供は150円引き)となります。つまり、50キロまでなら自由席より210円高いだけの710円なのです。「えきねっとチケットレスサービス」では、携帯電話等で指定席特急券を購入すれば、紙の指定席特急券を受け取る必要なく「あかぎ」に乗車することができます。乗車券は別途購入する必要があります。また、駅や車内において購入内容を確認することがありますので、携帯電話等に購入完了メールや購入完了画面を保存する必要があります。

 車内改札についても変更点があります。「あかぎ」「草津」で指定席特急券を持っている人や「えきねっとチケットレスサービス」を利用している人は、車内での改札を省略します。自由席の利用者はこれまで通り、車内改札を行います。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/takasaki/news/docs/akagigou.pdf)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

関空リムジンバス、関西空港-名古屋線などを開設

 関西のみならず、中国地方や四国にも足を伸ばす、関空のリムジンバス。ついに名古屋にも行くことになりました。関西空港交通、南海バスは11月1日から、関西空港と名古屋を結ぶリムジンバス(関西空港-名古屋線)を1日2往復走らせます。

 関空は第1ターミナルビルから発着し、阪神高速4号湾岸線、堺泉北有料道路、阪和道、近畿道、第二京阪、京滋バイパス、新名神、東名阪道、名古屋高速を経由します。名古屋側の発着場所は名鉄バスセンターのみです。関空11:15発と19:15発、名鉄バスセンター7:40発と17:10発の1日2往復で、所要時間は新名神での休憩時間を含めて3時間20分です。車内にトイレはついています。運賃は片道4800円(子供は半額)、14日間有効の往復8000円です。長距離の路線なので、関空発、名古屋発ともに予約制です。乗車日1か月前の8時から受付を開始します。電話での予約は、運行には直接携わっていない、名鉄高速バス予約センターが行います。

 国際線が少ない岡山、高松、徳島はともかく、それなりに国際線が充実している名古屋にもリムジンバスができるとは思いませんでした。名古屋駅から30分で中部空港に着くことができますから。できることならば、関空の早朝・深夜便に対応できるよう、夜行的な設定があればいいとは思いますが。

 関空のリムジンバスにはもうひとつ、新規路線があります。同じく11月1日から、関西空港交通、近鉄バス、南海バス、大阪バスが、関西空港と東大阪を結ぶリムジンバス(関西空港-東大阪線)を1日13往復走らせます。大阪バスがリムジンバスを運行するのは初めてのことです。

 関空は第1ターミナルビルから発着し、阪神高速4号湾岸線、堺泉北有料道路、阪和道、近畿道を経由します。東大阪側の発着場所は長田駅、布施駅です。所要時間は70~75分です。運賃は片道1600円(子供は半額)、14日間有効の往復2800円、日帰り往復は2200円です。

 大阪バス関連で合わせて書きます。東大阪と京都とを結ぶ「京都特急ニュースター号」についてですが、11月1日から東大阪布施駅・東大阪長田駅-京都駅間の運賃が900円に値上げされます。定期券なども連動して値上がりします。回数券の販売も10月31日で終了します。10月31日までに買った回数券は有効期間内(1年間)において、追加料金なしで使えます。

(追記1)
 関西空港-東大阪線は2014年7月11日にダイヤ改正を行い、本数が1日9往復と4往復減少します。2015年4月1日からはさらに減少し、5.5往復となります。

(追記2)
 関西空港-名古屋線ですが、2015年3月31日に廃止されることになりました。
(参考:南海バスホームページ http://www.nankaibus.jp/info/pdf/130926_1.pdf、http://www.nankaibus.jp/info/pdf/130917_2.pdf、http://www.nankaibus.jp/var/rev0/0000/3743/e-osaka.pdf、http://www.nankaibus.jp/info/20150218.html、大阪バスホームページ http://www.osakabus.jp/newstar/kyoto/index.html、http://www.osakabus.jp/route/kanku.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

山陽、神戸新交通も「Suica」等利用可能に

 「PiTaPa」は全国の主な鉄道で使うことのできるICカードですが、今年春に全国の主要ICカードでの相互利用ができるようになっても、「PiTaPa」「ICOCA」以外のICカードでは乗ることができない鉄道会社、バス会社は多数あります。

 神戸と姫路を結ぶ山陽電鉄、ポートライナーと六甲ライナーを運営する神戸新交通はともに、「PiTaPa」「ICOCA」以外のICカードを使用することができませんでしたが、2014年春からはこの両社においても、「Suica」など主要なICカードが使えるようになります(具体的な日程については、後日発表されます)。山陽電鉄の本線、網干線全線、神戸新交通のポートライナー、六甲ライナー全線で使えます。

 特に山陽電鉄の場合、直通運転している阪神、神戸高速では「Suica」などが使えるにもかかわらず、これまで使えませんでした。現場ではいろいろトラブルがあったのでしょう。
(参考:山陽電鉄ホームページ http://www.sanyo-railway.co.jp/media/1379564769.pdf)

| | | Comments (2) | TrackBack (2)

気仙沼線にも移設案

 東日本大震災で被災した路線のうち、大船渡線の移設案については以前に紹介しましたが、気仙沼線についてもあることが判明しました。

 気仙沼線でBRTによる輸送が行われている区間のうち、移設案があるのは、清水浜-歌津間、蔵内-陸前小泉間、本吉-陸前階上間の3区間計約12キロ。清水浜-歌津間、蔵内-陸前小泉間はともに、津波でトンネルが浸水したため、内陸部に移設するか、より高いところにトンネルを掘るかします。移設ルートは両方とも約2キロです。本吉-陸前階上間は、防潮堤の整備計画との整合性を図るため、大谷海岸駅の移設を含めて7~8キロが新ルートになります。

 もっとも、これらの3区間を移設することが決まったわけではなく、どうなるかは流動的です。特に新ルートになるとトンネルの掘削などで時間がかかりますが、復旧に必要な費用と期間は未定です。復旧費は多額となりますが、JR東日本は全額を負担するのは困難だという考えを改めて示しました。当然の話でしょう。どうしても鉄道で残さないといけないほど需要があるわけでもなく、将来的にも採算が取れないことは明らかな路線なのですから。赤字になっても地元が補てんできる第三セクターで運営するのが妥当なところでしょう。そういう路線をJR東日本に押し付けるのがそもそもの誤りです。「安かろう、悪かろう」となっても文句は言えません。

 なおこの会議では、宮城県が被災した区間で交差する9つの河川の堤防を拡充する案を提示しました。鉄道橋の高さや接続部分の改良についてJR東日本や地元自治体と調整を進めることを確認しました。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20130808_03.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

「きんてつ鉄道まつり2013」で電動貨車(「マンモス」)、「楽」体験乗車

 近鉄は11月2日、3日の2日間、五位堂検修車庫と高安車庫において、第20回「鉄道の日」記念イベント「きんてつ鉄道まつり2013」を開催します。

 両会場ともに様々なイベントを行いますが(高安車庫では洗車体験や、線路の保守に関する仕事の体験もできます)、両会場へのアクセスの向上を図るため、高安車庫の最寄り駅である高安に急行を臨時停車させるとともに、五位堂検修車庫の最寄り駅である五位堂駅と高安駅との間を結ぶ専用列車を設定します。

 高安駅に停まる急行は名張方面が22本(11月3日は19本)、上本町方面が21本(11月3日は18本)です。9:30ごろから16:30ごろまで(11月3日は15:30ごろまで)、高安駅に急行が臨時停車します。

 さて、五位堂駅と高安駅との間を結ぶ専用列車とは、日ごろはなかなか乗ることができないものです。まず11月2日は、「マンモス」と呼ばれる電動貨車。通常は定期検査時などにけいはんな線車両を挟んで、東生駒車庫と五位堂車庫の間を回送するために使用しています。11月2日は「マンモス」に挟まれた奈良線用の5800形に乗車します。五位堂から高安に行くのが4本、高安から五位堂に行くのが4本あるので、乗車の機会は8回あります。定員が250人なので、2000人が乗車できます。ツアーの形式で行われ、旅行代金は大人・子供・乳幼児ともに1000円です。五位堂11:59発の始発便を除いて、事前予約が必要です。近鉄主要駅の営業所で9月20日から受け付けています。五位堂11:59発の始発便は当日10:00から11:30の間に、五位堂検修車庫で販売します。

 11月3日の専用列車は、団体専用列車の「楽」です。五位堂から高安に行くのが4本、高安から五位堂に行くのが4本あるので、乗車の機会は8回あります。定員が200人なので、1600人が乗車できます。ツアーの形式で行われ、旅行代金は大人・子供・乳幼児ともに1000円です。五位堂11:59発の始発便を除いて、事前予約が必要です。近鉄主要駅の営業所で9月20日から受け付けています。五位堂11:59発の始発便は当日10:00から11:30の間に、五位堂検修車庫で販売します。

 なお、名古屋からは貸切列車によるツアーも組まれています。近鉄名古屋から伊勢中川までの主要駅に停車し(宇治山田、鳥羽から参加する場合は、伊勢中川から乗車します)、その後は五位堂、高安に直行します。11月2日は「あおぞらⅡ」、11月3日は「楽」が使用されます。近鉄名古屋から鳥羽にかけての、近鉄主要駅営業所で9月22日から販売しています。近鉄名古屋からの旅行代金は大人4360円、子供2610円です。
(参考:近鉄ホームページ http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/saisyuu.pdf)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

青い森鉄道、「青い森703系」を導入

 青い森鉄道は、2014年3月のダイヤ改正に合わせて、新型車両2編成(4両)を導入することを発表しました。このダイヤ改正では、東青森-青森間に筒井駅を開業させるため、利用客の増加が予想されます。それに対応するために新たな車両をつくったのです。11月に車両の引き渡しを受けますが、試運転などを行ったうえで、2014年3月のダイヤ改正時から使用を開始します。八戸-青森間を走ります。

 新しい車両は、現行の701系とは異なり、「青い森703系」となります。JR東日本のE721系にベースにした車両のようです。外観は現行車両と同じ水色とシルバーの2色ですが、バリアフリー対応で床を18センチ下げたため、ドア部分にステップがありません。車椅子の利用者などがスムーズに乗降できるようになります。車内はセミクロスシートで、車体幅が15センチ広がったため、1編成の定員も701系に比べてロングシートタイプでは2人、セミクロスタイプでは12人増加し、270人となります。

 車両はステンレス製ですが、冬季の着雪をできる限り防ぐため、前面を繊維強化プラスチック(FRP)構造とし、さらに丸みを帯びた形状としています。トイレは大きくなり、車椅子利用者なども快適に利用できるようになります。

 青い森鉄道には現在9編成18両ありますが、大半はJR東日本から譲渡を受けた車両であり、車両を新造するのは2002年の目時-八戸間開業時以来です。新型車両は2編成で8億円しますが、購入するのは1編成だけで、もう1編成はリースとなります。実は青い森鉄道、年間4億円超の車両使用料をJR東日本に払っていますが、2編成を新造して、自社車両での運行にすることによって年間約7000万円以上の削減ができるとみています。
(参考:東奥日報ホームページ http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2013/20130924220558.asp?fsn=eb33f76037153e93cde084f7e7644d6f、毎日jp http://mainichi.jp/area/aomori/news/20130925ddlk02020066000c.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

三陸鉄道小本駅、津波避難所を兼ねたものに立て替え

 地元の岩泉町が所有する三陸鉄道小本駅の駅舎が建て替えられることになりました。小本駅は東日本大震災で津波の被害はありませんでしたが、災害公営住宅や小学校、中学校の移転用地造成、三陸北縦貫道路などの整備が進み、住民の利便性向上のために駅舎を建て替えることとなったのです。

 今の駅舎は小本観光センターとして使われ、1階に切符売り場や売店、2階が子ども図書館に活用されています。新しい駅舎は鉄筋3階建て、延べ床面積2271平方メートルで、今の駅舎を取り壊した跡地に建設します。集会室は3階(895平方メートル)に設置し、飲料水や非常食、毛布などを備蓄します。400人が避難でき、自家発電装置もあります。1階に切符売り場や売店、役場支所が入り、2階が診療所と津波資料室になります。エレベーターは三陸鉄道専用を含めて2基あり、2階から連絡通路で高架にあるホームに行くことができます。

 建て替えのスケジュールは、現駅舎の南側に無人の仮設駅舎を建設し、今月末に完成させる予定です。10月中旬から使用を始めます。仮設駅舎ができ次第、現駅舎を取り壊し、12月から建設を始めます。2015年3月完成予定で、事業費は約10億円、一部は復興交付金を使います。

 岩泉町としては、小本を町の東玄関として位置づけ、東日本大震災で被災した小本地区の復興のシンボルとしたいようです。もっとも、岩泉線が廃止される方向なので、三陸鉄道小本駅が鉄道としての町の玄関口になる可能性が高いです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130829mog00m040020000c.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

近鉄内部・八王子線、公有民営方式で存続に基本合意

 近鉄は、構造が特殊(特殊狭軌線)で赤字の内部・八王子線を公共交通として残すため、BRTに転換することを四日市市に提案していました。しかし、四日市市はそれを拒否し、交渉が続けられてきました。

 交渉の結果、近鉄が四日市市に土地を無償貸与し、車両や線路などの鉄道施設を無償譲渡することでほぼ合意しました。運行は、近鉄が設立する子会社が行う、公有民営方式を前提とすることとなりました。大手私鉄の近鉄のままだと、国からの補助金が入らないからです。しかし、赤字の補てんや車両更新の費用負担について話がまとまらず、四日市市は当初8月末だった交渉期限の延長を申し入れ、協議を続けていました。

 話が長くなりました。その内部・八王子線について、四日市市の田中市長は19日に近鉄の小林社長と会談し、内部・八王子線を公有民営方式で存続させることで基本合意しました。近鉄側が運営費や車両更新費の一部負担を受け入れることとなったからです。また、近鉄が四日市市に無償貸与する土地については、四日市市も固定資産税などの税制面で近鉄の負担を軽くするようにします。ただ、減るとはいえ移行後も発生する年約1.3億円の赤字補てんや初期投資の負担割合など、具体的な内容は明らかになっていません。市議会への報告や近鉄内部の手続きが終わってから明らかになるようです。

 先ほども述べたように、19日の合意は基本合意です。今後も引き続き詳細な協議は続きます。

(追記1)
 四日市市の計画では、運行を行う近鉄の子会社(資本金は3000~5000万円)に、四日市市が25%出資します。新会社の赤字は四日市市が穴埋めし、近鉄側は協力金として四日市市に8億円を拠出しますが、四日市市が新たに設ける基金に積み立てます。

(追記2)
 四日市市は第三種鉄道事業者となり、鉄道施設や車両を保有します。そして、近鉄と四日市市が出資して設立する新会社が第二種鉄道事業者となり、第三種鉄道事業者である四日市市から鉄道施設や車両を借りて運営します。同じく近鉄から分離した、伊賀鉄道や養老鉄道とは異なるパターンです(伊賀鉄道や養老鉄道は第二種鉄道事業者で、第三種鉄道事業者は近鉄)。近鉄からこの公有民営方式に移行するのは2015年春ごろを予定しています。

(追記3)
 四日市市の試算では、運行を行う新会社は、2015年度からの10年間で約4.5億円の黒字になるとしています。しかし、施設の改修や車両の更新は第三種鉄道事業者である四日市市が行う必要があります。その額は10年間だけで約19.7億円。近鉄が8億円負担するといっても(四日市市の試算より経営状態が悪化しても、追加負担は求めません)、残り12億円近くは四日市市が負担することになります。四日市市の負担は2025年度以降も毎年8000万円程度発生します。

 四日市市は利用者にも一定の負担をしてもらうため、運賃の値上げや定期券の割引率の引き下げを検討します。運賃の値上げ等により、年間の乗客数が現在の360万人から2割ほど減少するとみています。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20130919-OYT8T01581.htm、http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20130926-OYT8T01176.htm、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130920k0000m040162000c.html、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/09/2013092601001924.htm、近鉄ホームページ http://www.kintetsu.co.jp/all_info/news_info/130927utsuhachihp.pdf、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20130927/CK2013092702000018.html、鉄道コム http://www.tetsudo.com/news/889/%E8%BF%91%E9%89%84%E5%86%85%E9%83%A8%E3%83%BB%E5%85%AB%E7%8E%8B%E5%AD%90%E7%B7%9A%E3%80%81%E6%96%B0%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AB%E7%A7%BB%E8%A1%8C/)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

北条鉄道、市の広報で1回無料

 加西市は「北条鉄道利用促進キャンペーン第4弾」を実施しています。

 加西市の市民がこのキャンペーンを利用することができます。8月1日に発行された「広報かさい8月号」20ページに優待券があります。8月1日から10月31日までの間に、これを切り取って乗車すれば(降車時に運転士に渡します)、1回分の乗車が無料になります。コピーしたものは無効です。ホームページを印刷しても無効です。あくまで広報を切り取ってこないと無料にはなりません。これに加えて、北条鉄道からは、北条町駅で販売しているドーナツがプレゼントされます(運転士から「ドーナツ引換券」をもらいます)。

 以前にも書きましたが、地方の鉄道を支えるには、地元の人が利用しないといけません。それも無理に毎日利用してもらう必要はなく、年数回程度でもいいのです。北条鉄道は、三ノ宮に出かけるときの利用を勧めています。北条町から三ノ宮まで新快速を使って約85分、接続も良好です。新快速なら速く、鉄道を使う価値もあるでしょう。
(参考:加西市ホームページ http://www.city.kasai.hyogo.jp/04sise/11osir/osir1308/osir130801f.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南三陸の現状を見る(5)

 都賀から千葉までは快速でひと駅。千葉からは209系の普通に乗る。もともと209系は京浜東北線で使われた車両、10年しか持たないと言われ、当時よく売れていた使い捨てカメラから「走ルンです」とも言われたが、一部とはいえ、残っていたのだ。改造を受けたばかりなので、まだまだ使われる。大都会の京浜東北線とは違い、房総半島の先でも使われるので、一部にボックスシートが設けられ、トイレもついている。

 小湊鐵道は五井から出ている。JRからつながっている跨線橋で、弁当を売っている。近くの店がつくった弁当。実は千葉で駅弁を買ったが、晩までは持つようなので、夕食用に回し、新たに弁当を買う。いかの姿煮の弁当だ。このまま小湊鐵道といすみ鉄道を乗り通す予定なので、「房総横断乗車券」を買う。1600円で五井から大原まで行くことができ、引き返さない限り、何度でも途中下車ができる。ホームにはすでに13:41発の上総中野行きが停まっている。2両編成の後ろの車両に乗り、先ほど買った弁当を食べる。ロングシートだが、千葉から乗ってきた内房線のボックスシートよりも食べやすい雰囲気だ。

 小湊鐵道のディーゼルカーは五井を発車した。JRから離れて、田園地帯の中を走る。車掌が乗っていて、切符を持っていない人に切符を売っている。小湊鐵道の自動券売機は食券販売機みたいなもので、切符も食券みたいな薄っぺらいもの。しかし、車内補充券は車掌がパンチで穴を開ける、貴重なもの。思わず記念用に、短い区間の子供用切符を買い求めた。

 車内が暑くなってきた。小湊鐵道の車両は冷房がついているはずだが、後ろの車両のはどうやら調子が悪いようだ(前の車両はちゃんと冷房が効いている)。窓を開けることにした。涼しい風が入ってきた。昔懐かしい車両に車掌、窓からの涼しい風、ローカル線らしい光景だ。わざとらしくなく、好感が持てる。

 列車は山のほうに入っていった。五井を出た時点ではそれなりの乗客がいたが、上総牛久を過ぎ、かなり減っている。里見に着いた。駅員が運転士からタブレットを受け取り、駅に戻って電話をかける。五井行きの列車がやってきた。駅員はタブレットを受け渡しする。その駅員は走って上総中野行きの列車に新たなタブレットを渡す。かつてはどこでも見られたこの光景、今となっては貴重だ。しかも、里見の交換は今年の春に復活したもの。タブレットの交換もそのときに復活したのだ。

 終点の上総中野で、いすみ鉄道と接続。JR西日本から購入した、キハ28キハ52の2両編成が停まっている。前のキハ28が一部指定席(ボックスシート部分)、キハ52が自由席だ。一部指定席のキハ28も大多喜までは指定券なしで乗車できるが(指定券を持っている人が来れば譲らないといけない)、最初から自由席のキハ52に座る。キハ52は大糸線で使われていたときの雰囲気を強く残し、整理券発行機があり、優先席の柄もJR西日本のものだ。ボックスシートを確保できた。余談だが、キハ28のボックスシートにはテーブルが置かれている。車内でイタリア料理を出すイベントに備えて、あらかじめテーブルをセッティングしているらしい。

 上総中野を出発した。国鉄時代のチャイムが流れ、車内アナウンスが行われる。そういえば車内のポスターも国鉄時代のものだ。早速改札が行われた。急行券(この列車、大多喜から急行列車、「急行4号」となる)を持っていないので、車掌から買い求める。こちらの車内補充券も車掌がパンチを入れるタイプだ。小湊鐵道しか使えない切符なのに間違えて乗ってきた客、途中から急行になることを知らない客が多く、車掌がひとりひとりに説明するため、時間がかかる。

 大多喜から急行に変わり、乗ってきた客はいるものの、降りるほうが多く、かなり空く。引き続きボックスシートをひとりで占領できる。先ほども述べたようにこの列車、急行なので、通過駅がある。ポイントのない棒線駅でも減速する。中にはいったん停まってから発車する駅もある。安全対策か、それともいすみ鉄道が通過列車の運転を想定していなかったのか? 確かにいすみ鉄道の急行は観光列車であって、スピードを求める列車ではない。

 急行は国吉に10分停車する。交換待ちを行うが、売店が整備されていて、買い物ができる。列車を降りて(ただこの列車、ドアが壊れているようで、2両で4か所あるドアのうち、真ん中の2つしか利用できない)ここで買ったのが瓶に入ったジュース。ジュースはペットボトルや缶に入っているものだが、かつては瓶に入っていた。観光用に高い値段で売られていると思ったが(それでも買っただろう)、120円という普通の値段で売られていた。国吉には少し前まで久留里線を走っていたキハ30も停まっている。いつかはこれも復活させるのだろうか? 発車してから瓶入りのジュースを飲む。ボックスシートの窓側には小さなテーブルがあり、その下に栓抜きがある。そこで瓶を引っかけて栓を抜くのだ。かつては日常の光景だったが、今となっては貴重な体験だ。


 その後、終点の大原からは外房線の「わかしお22号」、東京からは「ひかり525号」で名古屋に戻りました。

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南三陸の現状を見る(4)

 舞台は三陸から東京近郊に移るが、このままこの旅行記を続けることにする。

 今日(9月14日)は東京近郊のJRに乗るので、池袋駅の自販機で「休日おでかけパス」を買う。山手線と常磐線を乗り継いで牛久に向かう。牛久に行った目的は、牛久に用事があるのではなく、常磐線から鎌倉に直通する「ぶらりお座敷鎌倉号」に乗るため。日ごろは直通しない区間を直通するため、普段通らないところを通る。常磐線から武蔵野線に行き、武蔵野南線から横浜・鎌倉に向かうのだ。その貴重な線路を通るため、牛久から横浜までの運賃が1450円のところ、急行券が950円、グリーン券が2000円もする。しかし、貴重な線路を通るコストなので仕方がない。

 お座敷列車、「リゾートエクスプレスゆう」がやってきた。485系を改造してつくった6両編成の車両だ。座席は畳敷きになっていて、靴を脱いで上がる。車内での移動のため、スリッパが備えつけられている。4号車には現在は使われてないようだが、ラウンジとハイデッカー式の座席がある。黒を基調としていて、バブルの雰囲気を感じさせる。さて、肝心の畳敷きのところだが、ひとつのテーブルを4人で使う仕組みになっている。2人以上のグループならいいが(宴会をしているテーブルもあった)、ひとりでは居心地が悪い。幸い、「リゾートエクスプレスゆう」の前後、運転席の後ろにはソファーのある小さな部屋がある。運転席越しに線路も見やすいので、ここに座ることにする。

 北小金を過ぎると、常磐線から分かれて別の線路をたどる。途中から、常磐線松戸方面からの線路も合流する。武蔵野線への連絡線だ。やがて連絡線は武蔵野線に合流したが、西船橋方面に分かれる線路は見当たらなかった(どうやら西船橋に行くなら、南流山で折り返すらしい)。武蔵野線の各駅ではカメラを持った鉄道ファンを見かける。臨時列車なのでダイヤの間を縫うように、ゆっくりと進む。

 武蔵野線内唯一の停車駅である新秋津を過ぎ、府中本町から武蔵野南線に入る。南武線とともに多摩川を渡り、普段は貨物列車しか通らない武蔵野南線に入る。武蔵野南線はトンネルが連続する。ところどころで地上に出るが、乗車したことがないところなので、どこかわからない。梶ヶ谷貨物ターミナル駅を通り過ぎ、またトンネルに入る。見慣れたところに着いたと思ったら、新鶴見信号場だ。横須賀線と並行して走り、鶴見でしばらく停まってから、東海道線に合流。横浜でお座敷列車を後にする。

 横浜から千葉まで横須賀線でつなぎ、駅の改良工事が行われている千葉で千葉モノレールに乗り換える。狙うは下が透明になっている「アーバンフライヤー」、ダイヤは公表されていて、9月14日の場合、千葉11:55発の千城台行きが該当する。千葉モノレールは「Suica」と「PASMO」しか使えないので、「Suica」をタッチする。千城台行きがやってきた。2両編成の最後尾に乗る。「アーバンフライヤー」は発車した。透明になっている部分は乗務員室にあり、客室部分がガラス張りになっているわけではない。また透明になっている部分はごくわずか。思っていたよりも小さかった。座席に目を移すと、背もたれが大きく、丸くカットされたロングシートが並んでいる。黒を基調としているが、上のほうがオレンジとなっている。

 千葉から25分ほどで終点の千城台に到着。「Suica」で改札を出たが、450円も差し引かれる。何らかのミスとも思ったが、間違いではない。結構高いのだ。モノレールの乗客は千葉から離れるにつれて減っていたが、総武線と接続する都賀で乗客が一気に増えたのも当然といえば当然のこと。モノレールは北のほうを遠回りしているのに加えて、高いのだ。バスで千葉に戻ることも考えたが、時間が読めないので、再び「アーバンフライヤー」に乗る。ただし、帰りは都賀まで。270円だが、これなら休日用の一日乗車券(「ホリデーフリーきっぷ」)のほうが安い。600円で乗り放題だ。一日乗車券は平日の昼間限定のもの(「お昼のお出かけフリーきっぷ」)でも600円なので、参考にされたい。(続く)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南三陸の現状を見る(3)

 列車は柳津止まり。ここからはBRTになる。22分の接続だが、ディーゼルカーに乗っていた十数人の客はみなバスに乗り込んだ。柳津を11:37に発車。しばらくは国道を走るが、なぜか大阪市バスの門真南行きとすれ違った。

 南三陸町に入ると様子が大きく変わる。かなり陸地のほうまで、建物がないのだ。あるのは土台ぐらい。バスは陸前戸倉から専用道に入る。震災前まで鉄道だったところだ。気仙沼線のBRTは専用道区間とそうでないところを繰り返す。南三陸町の中心は志津川。ここは役場も駅も津波の被害に逢い、駅は少し奥にある仮設の商店街のあるところに移っている。役場は小高い山の上、ベイサイドアリーナに移っている。ベイサイドアリーナのあたりには水産会社の工場のほか、銀行やコンビニ、住宅まである。BRTは朝晩の一部を除き、ベイサイドアリーナに立ち寄る。

 気仙沼線は比較的新しい路線のため、トンネルが多く、気仙沼近くになるまでは道路との交差(鉄道時代の踏切)は少ない。BRTの先行事例のひとつでもある、かしてつとは違う。バスは柳津から乗ったメンバーがほとんど変わらないまま走る。1時間2本に増える本吉から乗降が見られるようになったが、日中の利用者は多いわけではない。すれ違うバスを見る限り、乗客はいずれも数人。このバスも列車の接続がなければ、ガラガラのバスになっただろう。バスは混雑する気仙沼市内を走り(役所や大型のスーパーなど、需要がありそうなところなら、既存の駅にこだわらず、臨時駅を増設すればよいと思われる)、定時に気仙沼駅に着いた。

 行程を考えると、ここで一本落として、気仙沼でお土産を買っておきたい。しかし、気仙沼の駅前には店は少ない。駅前のレンタサイクルで自転車を借り、「お魚いちば」でお土産を買う。ここで遅いがお昼にしようと思ったが、時間がないので、「復活バーガー」なるものを買う。バンズの中にフカ(サメ)のカツが入っている。大船渡線のバスの車内で食べたが、何も知らなければ白身魚だ。

 気仙沼14:52発の陸前高田行きに乗る。大船渡線も気仙沼-盛間はBRTだ。気仙沼線のBRTは、専用道区間が短く(9月28日からは大幅に増えるが、それでも気仙沼-陸前高田間は全くない)、鉄道とは全く違うところを走る箇所もある。自動車専用道を走る区間(鹿折唐桑-長部間)もある。高速道路ではないので、路線バス用の車両でも問題ない。

 5分ほど遅れて臨時駅、奇跡の一本松に着いた。途中下車する。BRTでも、鉄道との合算距離が100キロを超えたら、途中下車できるのだ。高田の松原は7万本もあることで知られていたが、津波でたった1本を残して流されてしまった。その1本の松を人々は「奇跡の一本松」という。実はその一本松、塩水で根が枯れてしまったが、樹脂などを入れて、モニュメントとして残すそうだ。ただ、その奇跡の一本松のあたりには店はほとんどない。仮設の売店が2~3あるだけだ。近くには道の駅があったが、津波の被害に逢い、廃虚となっている。少し周りを歩いたが、ダンプカーなどのトラックがひっきりなしに走るのみ。砂ぼこりがひどい。次のバスは16:50発、まだ40分近くある。次のバスが来るまでの間、仮設の売店で時間をつぶす。

 次のバスも5分ほど遅れてやってきた。陸前高田の中心部は津波で壊滅的な被害を受けたので、役所などは高台に移っている。しばらくは高台を走る。とても地震まではバスが走るとは思わなかったところだ。バスはこれまで一般道を走り続けていたが、ようやく小友駅近くになって専用道を走る。しかし、それも駅を過ぎたところまで。再び一般道に戻る。とてもバスが通るとは思えないような細い道を登っていく。なお、9月28日のダイヤ改正からは終点盛まで専用道を走り続けるので、スムーズな走行が期待できる。盛のひとつ手前の大船渡から専用道を走る。右側に線路がやってきて、しばらく並行するといきなり盛駅。鉄道時代のホームをそのままBRTに転用している。

 盛から先は第三セクターの三陸鉄道。吉浜までは復旧し、残る区間の復旧作業が行われている。18:00発の吉浜行きは1両。クウェートの援助によってできた新車だ。ボックスシート主体で、真ん中にはテーブルがある。全体が木目調にまとめられ、温かみがある。定刻に盛を発車。しばらくはBRTのバスと並走する。三陸鉄道は震災の影響で時速45キロに抑えて走っているので(私が訪れた翌日の9月14日にダイヤ改正があり、最高速度が90キロとなった)、ほぼ同じ速さだ。最初は十数人いた乗客はだんだん減り、吉浜に着いたときは8人ほど。高校生は駅に着くとすぐに車に乗り込む。迎えが来ているようだ。明るいが無人の待合室を一歩出ると、自販機のほかに明るいものはない。1時間ほど待てば釜石への路線バスもあるが、日程の都合でここで折り返す。運転士は折り返しの間、時刻表の取り替えをしている。帰りの便に乗る人は私ひとりのみ。途中でひとり乗ったが、どこかで降りていった。

 今晩は盛から夜行バスに乗る。盛の停留所はサンリアというショッピングセンターにあるが、駅から歩いて5分ほどのところ。夕食を食べ、バス停に戻ると8人ほどが待っていた。岩手県交通の夜行バス、「けせんライナー」は21:20の発車時刻を過ぎてやってきた。3連休の前日のためか、今日は2台での運行。前のバスに乗り込む。余談だが、この「けせんライナー」、途中での休憩はない。車内にトイレと飲み物の用意はあるが、揺れる車内で歩きたくはない。いろいろ事情はあるだろうが、車外に出ることができる休憩はあるほうが望ましい。三陸側ではこまめに停まる「けせんライナー」だが、東京は池袋1か所のみ。事前のアナウンスがあるかと思ったら、何のアナウンスもなく、いきなり池袋に着いた。(続く)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南三陸の現状を見る(2)

 仙台駅前のホテルを出て、仙台6:23発の石巻行き直通快速に乗ることにする。発車5分前にホームに着いたが、まだ列車はホームに入っていない。それどころか、発車時刻を過ぎても列車は来ない。どうやら東北線で人身事故があったようで、列車が運休している。松島付近の連絡線の様子も見たかったが、運転再開がいつになるかわからないので(そのあとしばらくして運転を再開したようである)、急いで仙石線ホームに行く。仙台6:32発の快速高城町行きに間に合った。余談だが、仙台で石巻行きの直通快速を待っている人は驚くほど少なかった。時間帯から考えると、石巻には県庁などの出張所があり、そこへの通勤需要がありそうだが(いずれ転勤になることを考えると、引っ越しはできるだけ避けたい)。事前に東北線の運転見合せのことを知っていたかもしれないが。

 昨日と同じように松島海岸で乗り換え。駅前から出る代行バスに乗る。今日は2台で走る。直通快速から代わったかもしれないが、通勤のサラリーマンも多い。途中から石巻に通う通勤通学客も乗ってくる。補助席もほとんど埋まった。バスは野蒜あたりまで順調に走っていたが、朝の通勤ラッシュだろうか、ノロノロ運転となる。定刻より4分ほど遅れて、バスは矢本駅に着いた。何とか間に合った。矢本からはディーゼルカー。キハ110系の4両編成である。通学の高校生が多い。彼らは友達の分だろうか、ボックスシートを占領していて、空席が多いのに座りづらい。途中からも高校生などがどんどん乗ってくる。陸前山下では逆に高校があるからだろうか、降りる客がいた。

 石巻で石巻線に乗り換え。乗り換え時間がないのでせかされる。駅員が「今日は定時に出る」とアナウンスしていたので、仙石線の遅れはよくあることなのだろうか? 代行バスの遅れを引きずっているのだろうか? 石巻8:10発の浦宿行きはキハ48の4両編成。後ろの「石巻線マンガッタンライナー」車両にする。石ノ森章太郎の漫画のキャラクターが描かれている。通学の高校生が乗っていたが、渡波で降りる。男子ばかりだったので、水産高校だろうか? 列車は海岸のすぐそばを走る。それなのに列車が走っているということは、津波の被害が小さかったということか? 列車は女川のひとつ手前の浦宿でおしまい。女川へは代行バスが走っている。列車には高校生もいたが、彼らは歩いていく。こちらは女の子もいるが、明らかに男子が多い。代行バスは駅から道路を渡った向かいに停まっているが、乗ったのは2人だけ。こちらはJRバス東北が担当している。

 代行バスは走り出した。最初は震災前と変わらないような光景だが、女川に近づくと光景は一変する。大震災から2年半経たにもかかわらず、横倒しになった建物がある。海が見えないにもかかわらず、更地になっているところもある(更地になっているところは三陸のあちこちで見られた)。山にへばりついたような家を除けば、みな津波に流されたのだ。改めて津波の威力を思い知らされる。女川のバス停は山の上の総合運動公園。役場などの機能もこちらに移っている。しかし、店舗はこちらにはなく、次の浦宿行きの代行バスが出るまでの50分ほどをポールだけのバス停で待つことになる。ダンプカーなどの工事用車両だけが忙しく走り回る。

 再び代行バスに乗り、浦宿10:04発の小牛田行きに乗る。乗客は少ないが、その乗客は石巻で入れ替わる。石巻がこのあたりでは大きい町である証だろう。石巻からの客も決して多くはないが、スーツ姿のサラリーマンも見かける。仙台なら高速バスのほうが明らかに便利だが、石巻線にもそれなりのビジネス需要があるのだろうか? 前谷地で気仙沼線に乗り換え。キハ110が1両で来た。(続く)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南三陸の現状を見る(1)

 東日本大震災から2年半、南三陸の現状を見ることにした。名古屋から仙台へは、新幹線を乗り継ぐか、中部空港から飛行機に乗る、あるいは夜行バスに乗ればいいのだが、「Peach」に乗りたかったので、いったん関空に向かう。新横浜始発の「ひかり493号」と「はるか11号」を乗り継いで関西空港へ。「はるか11号」はガラガラの指定席に座ったが、自由席は意外と埋まっている。

 「Peach」は第2ターミナルから出るので、関西空港駅向かいのエアロプラザから無料のシャトルバスに乗る。5分ほどで第2ターミナルに着く。倉庫みたいなターミナルだ。空港に着くとすぐにチェックイン。乗客自らが自動チェックイン機に、予約確認書のバーコードをかざす。レシートみたいな搭乗券が出てくる。保安検査場を通過し、搭乗待合室でしばらく待つ。

 関空11:10発の仙台行きに搭乗する。待合室から歩いて移動する。搭乗橋があるわけでもなく、バスで運んでくれるわけではない。外を歩くのだ。乗った飛行機は通路をはさんで3列ずつしかない、小型のもの。少々窮屈だが、1時間しか乗らない国内線なら問題ではない。どんどん乗客が乗り込んだ。「Peach」は関空を出たが、意外なことに第1ターミナル側の滑走路に向かう。離陸しようとする飛行機の列に並び、順番が来たので、ようやく飛び立つ。いったん飛行機は南のほうに飛んだが、右に大きく旋回し、関空の上空を飛ぶ。そのまま泉州の上空を飛ぶ。まっすぐ仙台に向かうようだ。

 「Peach」には機内食の販売がある。有料で軽い食事や飲み物を売っているのだ。LCCはこういうところでも稼がないといけない。「千房」のお好み焼きと泉州玉ねぎのスープを頼む。機内では温めるだけだろうが、お好み焼きを食べることができるのは意外だ。何しろ雲の上で食べるのだから。眼下には名古屋や飯田、遠くには富士山が見える。

 1時間20分のフライトなので、少しすると着陸体制に入る。高度を下げ、雲の中に入り、建物がなくなった海岸を見て、太平洋に出る。やがて飛行機は左に大きく旋回し、定刻に仙台空港に着いた。仙台空港も搭乗橋はないが、バスが用意されている。2台に分乗してターミナルに着く。荷物は預けていないので、すぐに空港を出ることができる。

 向かいの仙台空港駅で石巻までの切符を買い(JRの区間がたった100メートル長いだけで、運賃が上がってしまった)、仙台空港12:53発の普通に乗る。E721系の2両編成、よく乗っている。仙台からは仙石線に乗り換え。石巻に行くには高城町行きに乗らないといけないが、しばらくないので、次に来た多賀城行き(仙台13:32発)に乗る。多賀城は高架駅になっていた。完成すると2面3線の駅だが、今は南側の島式ホームだけを使っている。多賀城では次の東塩釜行きを見送り、高城町行きの快速に乗る。それにしてもこの仙石線、信号機が見当たらない。実は東塩釜までは「ATACS」という新しい概念の信号方式を取り入れているのだ。代行バス乗り換え駅の松島海岸に到着。駅には自動改札があるが、そのまま代行バスに乗るので、自動改札に切符を入れてはいけない。

 ミヤコーバスの代行バスは駅前から発車する。観光バス1台が代行バスだ。席は半分以上埋まっているが、バス1台で足りるというのは少し寂しい。朝夕はそれなりに利用されるだろうが。バスは駅に停まるが、乗降は少ない。矢本まで行く客がほとんどだ。矢本で再び鉄道に乗る。仙石線は電化された路線だが、来たのはディーゼルカー。キハ110系の2両編成である。石巻のひとつ手前の陸前山下で高校生がたくさん乗るまでは静かな車内。

 石巻で明日の分の乗車券を買うと、すぐに仙台に引き返す。今度はミヤコーバスの高速バス。駅前から発車する。日中でも1時間に2本あり、気軽に利用できる。仙石線が部分運休している現状では、貴重な交通機関だ。高速道路を通るバスだが、短距離のため予約は受け付けず、先着順に乗ることができる。駅前のバスターミナルには列ができている。16:10のバスがやってきた。バスはほぼ席が埋まった状態で石巻駅前を出発。イオンなどでも客を乗せる。石巻河南インターから三陸自動車道に入る。対面通行区間が多く、割合混んでいる。4車線化工事が行われていた。最初は無料の高速道路だったが、鳴瀬奥松島インターからは有料になった。バスは仙台東部道路に入り、仙台東インターで降りたが、夕方のラッシュだろうか仙台市内は混んでいて、15分近く遅れて仙台駅前に着いた。(続く)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南三陸の現状を見る(0)

 みなさん、おはようございます。

 9月12~14日の3日間、三陸などに行ってきました。

 明日から何回かに分けて、そのときのことを書きます。

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

JR北海道11月の減速&減便のダイヤ改正(続報)、根室線に新車両か?

 JR北海道が11月1日に減速&減便のダイヤ改正(改悪)の概要については以前にも書きましたが、そのときに予告していたように9月20日に、特急列車のダイヤが発表されました。その内容を、各線ごとに見ていきます。

(1)札幌-函館間(「スーパー北斗」、「北斗」)
 「スーパー北斗」2往復の運行を取りやめ、「北斗」4往復の運休を継続することから(キハ183系の使用を見合わせているため、引き続き運休します。運転再開となるときには、改めて案内します。運転再開となった場合には、札幌-函館間は9往復となります)、5往復のみとなります。最高速度は120キロになります。平均所要時間は9分増加し3時間30分となり、最速列車は26分増加し3時間26分になります。

 減速に伴い、接続できなくなる場合もあります。特急列車間では5本ありますが、中には「スーパー北斗21号」から旭川行き最終の「スーパーカムイ47号」に接続できなくなるという非常に厳しいケースもあります。

 函館線に関しては、臨時列車も運転されます。3月31日までの毎日運転されるのが2往復、金・土・日・祝日等に運転されるのが1往復、年末年始等に運転されるのが1往復です(このほか、年末年始や雪まつり等にはさらなる臨時列車の運転も検討しています)。つまり、札幌-函館間は最低7往復は運転されるのです。車両は毎日運転される2往復がグリーン車、車内販売なしの4両編成、金・土・日・祝日等に運転される1往復及び年末年始等に運転される1往復がノースレインボー車両またはニセコ車両です。ノースレインボー車両は5両編成で、グリーン車はありませんが、3号車に販売カウンターがあります。ニセコ車両は3両編成で、グリーン車、車内販売はありませんが、2号車に自販機があります。

(2)札幌-釧路間(「スーパーおおぞら」)
 1往復の運行を取りやめ、6往復となります。最高速度は110キロになります。平均所要時間は20分増加し4時間11分となり、最速列車は24分増加し3時間59分になります。かろうじて最速3時間台を維持しています。

 減速に伴い、接続できなくなる場合もあります。特急列車間では2本ありますが、「スーパーおおぞら8号」から網走行き最終の「オホーツク7号」、「スーパーおおぞら12号」から旭川行き最終の「スーパーカムイ47号」に接続できなくなるという非常に厳しいケースとなります。

(3)札幌-旭川間(「スーパーカムイ」)
 1往復の運行を取りやめ、23往復となります。最高速度は120キロになります。旭川行きは旭川着時刻を5~9分繰り下げ、所要時間は1時間25~29分となります(5~9分増延)。札幌行きは早朝時間帯を除いて旭川発時刻を5分繰り上げ、所要時間は1時間25分となります(5分増延)。

(4)札幌-東室蘭間(「すずらん」)
 最高速度は120キロになります。また、特急列車間でみると、「スーパーおおぞら3号」の発車時刻繰り上げにより、南千歳駅で「すずらん3号」からの接続ができなくなります。

(5)札幌-稚内間(「サロベツ」)
 「サロベツ」1往復は、キハ183系の使用を見合わせているため、引き続き運休します。運転再開となるときには、改めて案内します。運転再開となった場合は、最高速度や運転本数の変更はありません。

 臨時列車は引き続き運転されます。3月31日までの毎日、旭川-稚内間に快速列車を1往復運転します。グリーン車、指定席、車内販売なしの2両編成です。車掌は乗務します。


 なお、減速を予定していた「スーパーとかち」、「スーパー宗谷」、「エアポート」は1年後のダイヤ改正まで見直しを先送りしました。「スーパー宗谷」は札幌-旭川間を現行と変わらず最速1時間20分で走ります。「スーパーとかち」、「スーパー宗谷」は車両導入時期が6~14年前と比較的新しく、走行距離が短いため、「エアポート」は道央圏の普通列車との調整が必要なためです。「スーパーとかち」は「スーパーおおぞら」とのからみで時刻を変更しますが、「スーパーとかち6号」のように、12分も所要時間が短縮されるものもあります。

 暗い話ばかりでは何なので、このような話も入れておきます。JR北海道の大江釧路支社長は6日、釧路市役所に行き、蝦名市長に、「スーパーおおぞら」の減便&減速のほかに、整備保守体制を充実させるために新車両の導入を検討していることを明らかにしました。しかし、その具体的な時期は決まっていないようです。そもそも減便&減速の解消時期も決まっていません。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130920-1.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m040081000c.html、北海道新聞ホームページ http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/490269.html)

| | | Comments (6) | TrackBack (0)

「ひかり早特きっぷ」等廃止、名古屋-新大阪間の「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」は往復タイプに

 JR東海は、新幹線回数券などの特別企画乗車券について、利用の少ない商品・区間の発売を終了するとともに、一部の商品のリニューアルを行います。

 2013年10月31日利用開始分をもって発売を終了するのは、「ひかり早特きっぷ」(グリーン車用、普通車指定席用)、「のぞみJ回数券」(グリーン車用、普通車指定席用)、「新幹線熱海温泉割引きっぷ」、「沼津・静岡 新幹線きっぷ」、「こだま&伊豆フリーきっぷ」、「こだま&鎌倉・江ノ島フリーきっぷ」、「こだま&箱根フリーきっぷ」、「伊豆フリーQきっぷ」の8種類です。以前から発売されていたものから「こんなものあったのか?」と言いたくなるようなものまであります。同じ10月31日利用開始分をもって一部区間の発売を終了するのは、「新幹線回数券」(グリーン車用、普通車指定席用、普通車自由席用)、「岐阜新幹線スーパー回数券」、「こだま号専用グリーン回数券」、「ひかり・こだまグリーン回数券」、「ひかり・こだま自由席回数券」、「東京ひかり・こだま自由席回数券」、「新幹線自由席回数特別急行券」(代替商品は「TOICA定期券」です)の7種類95区間です。なお、10月31日までに買えば、有効期間終了日まで使えます。

 11月1日利用開始分からリニューアルされるのが、「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」。「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」は10月31日利用開始分(10月24日発売分)までとなり、11月1日からは「新幹線自由席用早特往復きっぷ」となります(前売り開始は10月1日から)。名古屋市内-大阪市内のみの設定で、「のぞみ」「ひかり」「こだま」の普通車自由席に乗ることができます(名古屋市内、大阪市内を除いて、在来線には乗車できません)。これまでの片道タイプから往復タイプ(3日間有効)になり、値段は8900円となります(片道あたりにすると4450円)。子供用の設定はありません。乗車日の1週間前まで発売し(「新幹線自由席用早特往復きっぷ」の場合は、ゆき乗車日の1週間前まで)、販売席数に制限があることは従来と変わりありません。「ゆき」の乗車日の変更はできず、途中下車はできません。名古屋地区及び大阪地区のJRの主な駅・主な旅行会社の支店・営業所で販売します。簡単にまとめると、「のぞみ」に乗ることができる代わりに、片道だけの利用ができず、値段が若干上がるということになります。

 余談ですが、1週間ほど前に(間もなく廃止もしくは大幅リニューアルされる)「ひかり早特きっぷ」、「ひかり・こだま自由席用早特きっぷ」を使って旅行に出かけました。近いうちに記事にしたいと思っています。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000019547.pdf)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

「中山道トレイン」、今年の秋は371系で運転

 この秋、名古屋から木曽路へ、観光用の列車が走ります。急行「中山道トレイン」です。

 「中山道トレイン」は10月12日~11月4日の休日に運転します。名古屋-奈良井間を1日1往復します。名古屋9:20発、奈良井11:54着と、奈良井15:42発、名古屋18:29着です。途中、多治見、恵那、中津川、南木曽、木曽福島、薮原に停まります。千種には停まらないので、御注意ください。

 「中山道トレイン」は7両編成で、全車指定席ですが、起用される車両は何と371系です(都合により371系で運転できないときは、急行券等は全額手数料なしで払い戻されます)。6月に中央西線で試運転を行ったのですが、それが実際に運行されることになったのです。当然ながら、2階建て車両も走ります。

 秋の木曽路を楽しみに、名古屋では珍しい371系に乗りに行ってみたいものです。
(参考:JR東海ホームページ http://shupo.jr-central.co.jp/train/371/nakasendo.html、千種駅の掲示)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

西鉄、福岡-佐賀空港線開設、「福岡都心ダブルパス」、新大牟田駅に西鉄高速バス乗り入れ

 西鉄バスに関する話題を3つ。

 まず一つ目は、9月2日から運行を開始した、高速バス福岡-佐賀空港線。九州の空の玄関というべき福岡空港には、福岡県外からの便も多数設定されていますが、逆に福岡県外の空港に福岡県から行くバスは珍しいです。

 福岡-佐賀空港線は、春秋航空の佐賀-上海線に接続するかたちで毎週月・水・土曜日の週3回運行します。西鉄天神バスセンター9:10発佐賀空港11:04着(佐賀空港13:10発に接続)、佐賀空港12:20発西鉄天神バスセンター14:18着(佐賀空港11:40着から接続)の1往復です。運賃は西鉄天神バスセンター、TVQ前、博多バスターミナル-佐賀空港間が1600円、高速基山-佐賀空港間が1100円です。4列シートのトイレなし車両を使い、予約不要の定員制です。定期券や往復乗車券の設定はありませんが、「nimoca」などのICカードが使えます。

 二つ目は、「福岡都心ダブルパス」。2013年10月1日から1年間の期間限定で導入するのですが(発売期間は9月24日~2014年3月31日、適用期間は10月1日~2014年9月30日)、西鉄福岡(天神)-高宮間の電車及び福岡都心部の一般路線バス(既存の都心フリー定期券のエリア)が乗り放題です。

 「福岡都心ダブルパス」は1か月券、3か月券、6か月券の3種類ありますが、1か月券の発売価格は12000円と、通常のバス・電車乗継ぎ定期券に比べて約25%安くなっています。また、バスの福岡都心フリー定期券(1か月10800円)に1200円を足すだけで、福岡(天神)-高宮間が乗り放題になります。なお、「福岡都心ダブルパス」は「nimoca」に搭載するものですので、「nimoca」を持っていない人は初回のみ500円のデポジットが必要となります。

 三つ目は、福岡空港と荒尾を結ぶ高速バスについて。10月1日から、九州新幹線新大牟田駅に乗り入れます。これまで、荒尾行きは下車のみ、福岡空港行きは乗車のみしかできませんでしたが、新大牟田駅では乗車も下車もできるので、大牟田市中心部からのアクセスが向上します。

 新大牟田-JR大牟田駅間は、現在路線バスで26分しますが、この高速バスでは最速で16分に短縮します。運賃は路線バスと同じ片道340円です。高速バスは平日で荒尾行きが12本、福岡空港行きが11本運転されています。JR大牟田駅前を5:58に出る始発に乗れば、新大牟田で始発の新幹線に間に合います。新大牟田駅へのアクセス改善策は、昨年の年末年始にも行っていましたが、今回の施策は功を奏するのでしょうか?

(追記)
 西鉄は、12月20日から福岡-佐賀空港線を増発します。ティーウェイ航空による佐賀―ソウル線就航に合わせたもので、毎週水・金・日曜日の週3回運行します。西鉄天神バスセンター13:10発佐賀空港15:04着(佐賀空港17:10発に接続)、佐賀空港16:50発西鉄天神バスセンター18:48着(佐賀空港16:10着から接続)の1往復です。
(参考:西鉄ホームページ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2013/13_064.pdf、http://www.nishitetsu.co.jp/release/2013/13_082.pdf、http://www.nishitetsu.co.jp/release/2013/13_118.pdf、西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_chikugo/article/40718)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

東急、ICカード定期所有者に抽選で一日乗車券プレゼント

 東急は、3月16日の東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転開始により利便性の高まった、東横線・目黒線を、日ごろ乗車する機会の少ない人に乗ってもらい、沿線に出かけてもらうため、9月24日から「東横線・目黒線お試しキャンペーン」を行います。

 キャンペーン期間は、9月24日から10月4日の間。ICカード定期券を持っている人が、武蔵小杉駅、横浜駅にある特設ブース(平日の17~22時の間のみ設置します)に行くと、キャンペーン期間中に1回に限り、抽選に参加することができます。ただし、ICカード定期券を持っていても、武蔵小杉駅、横浜駅のいずれかが定期券区間に含まれる定期券をすでに持っている人は対象外ですので、武蔵小杉や横浜には別途運賃を払って行かないといけません。特設ブースではスタッフが定期券の券面の確認をした後に抽選を行い、当選者にはその場で東急線一日乗車券をプレゼントします。用意されている一日乗車券は1000枚です。

 ICカード定期券を持っていることを条件にしていることから日常的に鉄道を使っている人が対象で、しかもお金を払って特設ブースに行かないといけないので、使いづらいキャンペーンかもしれませんが(そういう意味では意図が分かりにくいです)、当選すればラッキーです。日ごろ乗らない区間に乗って、出かけてみたいものです。
(参考:東急ホームページ http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/pdf/130913-2.pdf)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

JR東日本、日光線、烏山線の6駅舎をリニューアル

 5日のことですが、JR東日本大宮支社は、日光線の3駅と烏山線の3駅の駅舎をリニューアルすることにしました。今月から2014年3月まで工事を行います。

 日光線で建て替えの対象となるのは、鶴田、鹿沼、今市の3駅。日光線はこれまでもレトロな雰囲気を持つ駅舎への建て替えを進めていて、これですべての駅のリニューアルを完了させます。3駅ともクラシックルビーブラウンという色を基調にしたデザインとします。日光線を走る205系にも取り入れられている色です。3駅にはコンセプトがあります。駅名や地元のイメージを取り入れたもので、鶴田駅は「舞い降りた鶴」、鹿沼駅は「ぶっつけ祭り」、今市駅は「杉並木の木漏れ日」です。

 2014年の春に蓄電池電車の導入を予定している烏山線では、駅舎のある3駅すべてを建て替えます。学生の利用が多い仁井田駅は、混雑を考慮したシンプルな駅。コンセプトは「学生の駅」です。神社のある駅として親しまれている大金駅のコンセプトは「神社併設の駅」、烏山駅のコンセプトは那須烏山市の伝統行事「山あげ祭り」です。烏山線の駅舎のないこのほかの駅についても、ホーム上屋を整備します。

(追記)
 烏山線関連で書きますが、8月1日から烏山駅は駅業務を受託会社に委託するため「みどりの窓口」が廃止され(代わりに「指定席券売機」が設置されます)、大金駅は無人駅となります。
(参考:下野新聞ホームページ http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20130906/1343261、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130906/tcg13090602310001-n1.htm、那須烏山市ホームページ http://www.city.nasukarasuyama.lg.jp/7,17251,74,295.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

品川駅線路切り替えで「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」2日間運休

 東海道線及び横須賀線の品川駅構内において、新車両基地の使用開始および品川駅9、10番線の使用開始に伴い、線路切り替え工事を行います。その切り替え工事はおよそ34時間にわたるもので、東海道線は11月22日終電後から11月24日10:20ごろまで、横須賀線は11月23日終電後から11月24日10:20ごろまで行われます。悪天候等やむを得ない事情により実施できないときは、2014年1月24日終電後から2014年1月26日10:20ごろに延期します。

 この切り替え工事に伴い、工事時間帯において、東海道線は東京-横浜間で列車の運転を取りやめ、横浜駅での折り返し運転を行います。横須賀線は発着駅を新宿駅や大崎駅に変更して運転します。東京駅発着の特急「スーパー踊り子」「踊り子」は、発着駅を新宿駅や横浜駅に変更して運転します。列車名を変更するものもあります。

 影響が大きいものもあります。東海道線唯一の夜行列車、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」。東京-横浜間の運転ができないため、東京行きは11月22日、23日(始発駅基準)、高松、出雲市行きは11月23日、24日(始発駅基準)、全区間で運休します。名古屋や大阪のような中間地点で工事をするならともかく、端の東京で工事をしているのに、区間を短縮したり、行き先を変更したりすることはありません。首都圏だけでなく、四国や山陰まで影響がある夜行列車を運休させるのは、夜行列車自体の優先度が極めて低いということでしょう。区間を短縮したり、行き先を変更したりすることができない何らかの事情があるかもしれないですが、「サンライズ」に乗ろうとしている人は要注意です。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000019494.pdf)

| | | Comments (2) | TrackBack (0)

旧神岡鉄道の「ガッタンゴー」、延伸か?

 神岡鉄道は2006年に廃止され、線路跡の一部は観光施設として使われています。「レールマウンテンバイク・ガッタンゴー」です。旧鉄道路線のレール上を専用のマウンテンバイクで走ります。マウンテンバイクの後輪は直接レールの上にあり、レールの継ぎ目をちゃんと拾います。

 「ガッタンゴー」は神岡鉱山前-奥飛騨温泉口間の2.9キロのみを営業しています。雪のない4~11月に営業を行い、2012年度は営業日を休日から週6日に大幅に増やして2万人以上の利用者がありました。今年も8月までの利用者は1.77万人と昨年同期より3割以上も増えています。しかし、単線を往復するコースのため、今後の需要の伸びに対応できません。現在でも1日310人程度しか受け入れることができず、繁忙期には予約を断っていることもあります。

 そこで「ガッタンゴー」を運営するNPO法人神岡・町づくりネットワークは、今年5月、「旧神岡鉄道の利活用ビジョン」を飛騨市に提案しました。将来的には猪谷から奥飛騨温泉口までの全線を利用することを目標にしていますが、段階的にコースを延伸させるようです。最初は漆山-奥飛騨温泉口間、その後、猪谷-奥飛騨温泉口間の全線を利用できるようにします。

 これまで旧神岡鉄道の線路などを所有する飛騨市は、安全性の問題から、「ガッタンゴー」の延伸を認めない考えでした。しかし、飛騨市は考えを変え、延伸を検討する方針に変わりました。飛騨市は、安全対策の内容や必要額を見積もるための調査費用700万円を盛り込んだ、一般会計補正予算案を9月議会において提案します。10月にも調査に着手する予定です。

 飛騨市の態度が変わった原因は、「ガッタンゴー」の人気が高まり、観光客が増えているためでしょう。飛騨市の観光資源として、「ガッタンゴー」を考えているのかもしれません。

(追記1)
 「ガッタンゴー」はこれまで1人では利用できませんでしたが、サイドカー付きの車両を新たに導入し、1人でも利用できるようになりました。

(追記2)
 「ガッタンゴー」に新たな区間ができるようです。現在のコースから3キロほど北の、漆山から飛騨市神岡町二ツ屋までの3.4キロです。神岡の町を走る従来のコースと違い、渓谷の中を走るコースです。専門家が2014年6、7月に調査し、安全を確認したうえで工事を行います。飛騨市は橋などの点検、補修のために約1.8億円を計上した補正予算案を市議会6月定例会に提案します。

 2015年の北陸新幹線開業により、神岡にも観光客が来ると見込まれています。早ければ2015年11月の紅葉の時期に走らせたいとのことです。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/business/update/0907/NGY201309070043.html、「レールマウンテンバイク・ガッタンゴー」ホームページ http://rail-mtb.com/、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20140607/CK2014060702000026.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

「ななつ星in九州」、香港の旅行社が1便をまるごと買い取り

 JR九州は、「ななつ星in九州」を海外の富裕層にも利用してもらいたいとしています。2~3年後は、乗客の半分を海外から集めたいとしています。そこで、JR九州はヨーロッパ、韓国、台湾にある海外の複数の旅行社とも契約交渉をしていますが、12日に、香港のEGLツアーズ社と販売契約を締結することになりました。EGLツアーズは1986年設立。1995年に日本への送客を開始し、2012年度には89000人の旅行者を日本に送り込んでいます。

 EGLツアーズ社は2014年8月2日に出発する1泊2日のコースをまるごと1便を買い取り、別府市内の観光を加えて4泊5日の商品として販売します(「ななつ星in九州」の乗車は2日目、3日目になります)。香港を中心に24~28人の参加者を募ります。国内の旅行会社が1便まるごと買い取って旅行商品にすることはありますが、海外の旅行会社がまるごと買い取るのは初めてです。

 ただ、海外での販売が順調かと言えばそうではありません。同じ9月12日に、JR九州が販売する2014年4~6月出発分の「ななつ星in九州」13本の利用客を抽選で選びました。客室全182室のうち国内在住者向けに募集した156室の当選倍率は平均9.0倍で、最も人気が高かったのは97倍でした。これに対して、(今回から設けた)海外在住者専用の受付枠として募集した部屋は26室ありましたが、香港やタイ、アメリカなどから9件の申し込みがあっただけです(余った客室については引き続き申し込みを受け付けます)。国内外とも同じ枠で募集した2013年10~12月、2014年1~3月の海外からの応募は合計7件で、それよりは増えているとも言えますが、海外からの応募を増やすのは難しいところです。「ななつ星in九州」は、同じ日本国内というアドバンテージがある国内では大人気ですが、海外にも同じような列車はたくさんあるのですから。

(追記)
 2014年4月8日から11日の3泊4日で、JTB九州が外国人客専用の「ななつ星in九州」を運行しました。シンガポール、台湾、香港、オランダから来た28人が乗車しました。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO59647500S3A910C1LX0000/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/business/update/0912/SEB201309120013.html、http://www.asahi.com/national/update/0910/SEB201309100001.html、JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/GeneralFrameset?OpenFrameSet、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140408/ent14040814220007-n1.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

北近畿タンゴ鉄道、観光車両追加へ

 今年春にデビューした北近畿タンゴ鉄道の観光車両「あかまつ」「あおまつ」は好評で、6月末までの利用者は約7000人と、前年同期の2倍以上となりました。そこで北近畿タンゴ鉄道は、2014年春にも1編成を追加することを考えています。車両を増やすことによって、集客増を狙っています。

 新しい観光車両の名前は「くろまつ」が有力とされています。「あかまつ」「あおまつ」同様、水戸岡鋭治氏に設計を依頼します。既存車両を改修して観光車両をつくりますが、約3000万円の改修費は京都府が半額、福知山市や舞鶴市など沿線5市2町が残りを負担します。車内には、地元の魚介類を使った料理を味わうことができるスペースや、地酒などを提供するカウンターも設ける予定です。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO59354210W3A900C1LDA000/)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

中央線、2016年以降に新型特急

 1年前にも同じような記事は書きましたが、JR東日本が新宿-松本間などを走る「スーパーあずさ」「あずさ」「かいじ」に、乗り心地を改善した新型特急を2016年以降に導入する方針であることが明らかになりました。

 乗り心地の改善方法はと言えば、E6系「スーパーこまち」などで活用した先端技術を採用し、カーブにを高速で通過する際に車体下部にある「空気ばね」によって車体を緩やかに傾けるもの。振り子式であることには変わりありませんが、E351系のような本格的なものではないようです。各座席にコンセントを設け、無線LANで高速インターネットに接続できるようにする計画です。ビジネス客に使いやすいようにするのです。これによって高速バスに対する競争力を高めるようです。

 さて、現在中央線を走っている特急はどうなるのでしょうか? 「スーパーあずさ」で使っているE351系は臨時列車などで使われるようです。こうなると(事前にどこで作動させるか調整が必要な)振り子機能は使われないことになるのでしょう。保守に手を焼くこともなくなります。「あずさ」「かいじ」のE257系は東京と伊豆急下田、修善寺とを結ぶ「踊り子」に転用するとの話もあります。以前の記事とは違う話です。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130916k0000e020205000c.html、Sponichi Annex http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/09/16/kiji/K20130916006628560.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

10月26日ダイヤ改正で「りんかん」「天空」増発

 南海高野線及び泉北高速鉄道(各駅停車の準急への変更や時刻の変更があります)では、10月26日にダイヤ改正を行います。

 まず最初の変更点は、「りんかん」の発着時刻変更及び増発。平日の「りんかん4号」の難波駅到着を約20分早め(変更後の難波着は8:31)、平日の「りんかん9号」の難波発を約25分遅くする(変更後の難波発は18:24)ことにより、通勤にも使いやすくなります。なお、平日の「りんかん9号」は現行の8両編成から4両編成になります。増発は夜間の特急が対象です。橋本行きの「りんかん」を平日は2本、休日は1本増発します。増発されるのは平日が「りんかん15号」(難波20:34発)と「りんかん21号」(難波22:35発)、休日が「りんかん21号」(難波22:40発)です。なお、「りんかん」の増発に伴い、平日20時台、22時台の「りんかん」は4両編成になります。8両編成の特急を分割することによって、乗車機会を増やそうとしているのでしょう。目の前に特急があれば、500円払って乗ってくれるかもしれませんから。高野下・極楽橋方面との接続も改善されます。平日の橋本行き「りんかん」について、「りんかん9号」(難波18:24発)から「りんかん21号」(難波22:35発)まで、増発便を含めてすべて橋本駅で高野下方面の各駅停車と接続します。また、難波22:05発を除いて、JR和歌山線とも接続します。

 現在、橋本-極楽橋間を1日2往復している「天空」ですが、3~11月の休日は3往復します。橋本8:30発(難波7:24発の橋本行き急行から接続)と極楽橋9:24発です。観光需要に対応するためでしょう。なお、「天空」は全車指定席ですが、併結している一般車両は、自由席として利用でき、予約及び座席指定料金は不要です。

 かつては難波-極楽橋間を直通の急行がたくさん走っていましたが、現在は数えるほどで、ほとんどが橋本での乗り換えを余儀なくされます。橋本でのスムーズな接続が求められます。今回の改正では、橋本を9時台に出る極楽橋行き各駅停車を1本増やすことにより(平日、休日ともに)、難波駅を8時台に発車する橋本行き急行との橋本駅での接続機会を増やします。そのほかの時間帯においても、難波発の「りんかん」や急行と、橋本始発の高野下・極楽橋方面行きの各駅停車との接続を改善します。

(追記)
 今回のダイヤ改正で、平日のみ難波23:40発の三日市町行き準急が走ることとなりました。三日市町までこの電車が先着します。泉北線に乗り入れず、高野線だけで完結する準急は、これまで平日朝ラッシュ時の難波方面にしかありませんでした。

 このほか、昼間の快速急行について、橋本行きとなっているものがあります。また、これまで昼間時間帯は急行または快速急行が毎時3本、区間急行が毎時2本走っていましたが、これがそれぞれ2本と3本になります。急行の一部が区間急行になるのです。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/130912.pdf、http://www.nankai.co.jp/traffic/jikoku/pdf/namba/k_01.pdf、泉北高速ホームページ http://www.semboku.jp/news/dt_290.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

「ななつ星in九州」は77系、一等車「イ」を復活させる

 9月13日、デビューまで1か月に迫った「ななつ星in九州」の車両が公開されました。これまでも「ななつ星in九州」は九州を試運転していましたが、車両は黒いカバーに覆われていたのです。

 機関車はDF200-7000、客車はラウンジカーの1号車からマイ77-7001、マシフ77-7002、マイネ77-7003、マイネ77-7004、マイネ77-7005、マイネ77-7006、マイネフ77-7007となっています。どうやら77系のようで、かつての一等車である「イ」が並んでいます。A寝台の「ロ」を使う案もあったのですが、1960年の等級見直しで消滅した「イ」を復活させたのです(JR西日本「やまぐち号」用で運行されることもあるマイテ49は除きます)。「ななつ星in九州」に対するJR九州の自信の表れでしょう。
(参考:Web日本鉄道旅行地図帳BLOG http://www.shinchosha.co.jp/railmap/blog/sden/2013/09/13.html、railf.jp http://railf.jp/news/2013/09/13/112000.html、大分合同新聞ホームページ http://www.oita-press.co.jp/worldTopics/2013/09/2013091401001281.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

大阪市交通局「復刻ラッピング列車」は6種類

 大阪市交通局は市営交通110周年記念事業の一環として、9月16日から約1年間、御堂筋線において市電及び市営地下鉄車両の往年の塗装をした「復刻ラッピング列車」を運行します。

 10系車両を使い、1号車、10号車は市電最後の日に走行した市電3001型、2号車、9号車は地下鉄開業時の車両である100型、3号車、8号車は戦後初の新造車である500型(塗装変更後のもの)、4号車、7号車は大阪市交通局で初めて高架部を走行した車両である6000型、5号車は9月30日から始まるNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の番組イメージをデザインしたラッピング、女性専用車の6号車はラッピングを行いません。また、この「復刻ラッピング列車」の車内広告スペースを活用して、歴史の足跡をたどる「大阪市交通局ヒストリー」や「大阪市交通局車両図鑑」などのポスターを掲出します。

 「復刻ラッピング列車」は先ほども書いたように、16日に運行を開始します。開始日の16日には、出発式を行います。12:15~12:45に、なかもず駅2番ホーム北端にて行う予定です。大阪市交通局長、NHK大阪放送局局長、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」ヒロインがテープカットを行い、なかもず駅駅長とNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」ヒロインが出発合図準備を行い、12:44に「復刻ラッピング列車」が出発します。
(参考:大阪市交通局ホームページ http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/110syunen/20130909_lapping.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

阪和線鳳、東貝塚、熊取の3駅に折り返し設備追加

 たった2本の線路で特急から普通までたくさんの列車をさばく阪和線。平日には1日500本以上の列車が走り、平均で10万人以上の利用がある主要路線です。その阪和線にはすでに運行管理システムが導入されていますが、老朽化しているため、今回更新します。それに合わせて、「安全考動計画2017」で掲げた輸送障害半減などの目標に向けて、その他の施策も行います。

 まず、新しい運行管理システムについて説明します。そもそも運行管理システムは、列車の進路を自動制御するとともに、臨時列車などのダイヤをコンピュータ上で管理する機能や、ダイヤに合わせて自動的に客を案内する機能を持ち合わせています。新しいシステムのポイントは4つあります。(1)操作性と応答性が向上し、特にダイヤが乱れたときにダイヤの回復を早期化できること (2)この新しい運行管理システムは指令員訓練装置にもなっていて、シミュレーションを行うことで指令員の異常時対応能力を向上させることができること (3)駅の発車標や自動放送を充実させ、案内レベルを向上させることができること。発車標は現在、阪和線の16駅に設置していますが、残る19駅にも設置し、阪和線全駅で遅れ時分が表示できるようにします。駅によっては発車標で案内できる列車の数が少ないので、それをより多く案内できるものにします。駅係員も列車遅れ時分を案内できるように、運行情報を確認できる機器を配備します (4)保守作業を行う際の手続きをシステム化し、保安度を向上させることができること 以上の4つです。9月28日に使用開始予定です。

 阪和線の改良点は新しい運行管理システムの導入だけではありません。東岸和田駅の高架化(2016年度供用開始予定)を進めるとともに、折り返し設備の新設・拡充と踏切長時間鳴動対策を行います。まず、JR京都線、JR神戸線で行われた折り返し設備の拡充・新設については、鳳駅、東貝塚駅、熊取駅で行います。例えば鳳駅には、和歌山方面への折り返し設備はありませんが、2番線と3番線で折り返しができるようにします。現在、天王寺方面へ折り返しできるのは3番線だけですが、1番線、2番線でもできるようにします。3駅での折り返し設備が完成すれば、鳳-熊取間で輸送障害が発生した場合でも、鳳から天王寺方面には1時間に8本、熊取から和歌山方面には1時間に4本の運転が可能となります。東貝塚の位置づけは良くわからないですが、隣の東岸和田が高架化で折り返すことができないので選ばれたのでしょうか? 折り返し設備の拡充・新設は、熊取駅が10月、東貝塚駅が11月、鳳駅が12月に使用開始予定です。踏切長時間鳴動対策とは、輸送障害のときに使うものです。現在、列車が鳴動開始点に来れば、踏切は降下します。輸送障害が起きても例外はなく、列車が停まっている間、ずっと踏切は下がったままです。そこで、指令所から信号の現示を制御できるように改修します。輸送障害で列車が停まっているときは、信号を赤にすることにより、踏切が上昇し、道路の通行が可能となります。高架化が行われる東岸和田駅付近の4つの踏切を除いて、天王寺-日根野間のすべての踏切で改修します。2014年4月以降順次実施予定です。

 話は変わりますが、以前に紹介した昇降式ホーム柵についても、合わせて書きます。2012年11月にJR西日本から発表があり、その後も技術開発を進めてきましたが、様々な機能の評価や実用性の検証を行うため、桜島駅で試行運用を開始することにしました。桜島駅の1番線において11月中旬から設置工事を行い、12月上旬から試行運用する予定です。この試行により、安全面、機能面での検証を深めて実用化につなげたいとしています。

(追記1)
 桜島駅に設置される昇降式ホーム柵は、ステンレス製のロープ5本が50~120センチの高さに水平に伸びたものです。電車が到着するとロープは高さ約2メートルに上がります。下がり始めたロープの下を無理にくぐろうとすれば、警告のアナウンスとともにロープの動きは止まります。

 JR西日本は、2017年度中の実用化を目指しています。

(追記2)
 11月14日に設置された桜島駅のホーム柵は、12月5日から2014年3月末まで稼働します。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/09/page_4431.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/OSK201310240048.html、桜島駅の掲示)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

広島で車と路面電車の衝突を避ける実証実験

 路面電車が縦横に走る広島で、車と路面電車との出合い頭の衝突事故を防ぐ実験を行います。

 マツダが東大、広島電鉄などと協力して今月から2014年3月まで広島市内で行う公道実証実験は、自動車と路面電車にセンサーと無線機を組み合わせた安全運転の支援装置をそれぞれ搭載し、センサーによる危険感知と無線による情報交換によって、路面電車の死角になっているようなケースでも自動車の位置や走る方向などを把握して衝突を防ぐものです。マツダが実証実験用に用意した車両は主力の「アテンザ」ですが、もともと「アテンザ」には事故のリスクを最小限に抑える先進安全技術を採用しています。しかし、この実証実験のために、さらにレーダーやカメラの数を増やし、危険感知の精度を上げました。

 車についてIT(情報技術)を活用する実証実験はトヨタも行っていますが(海外で渋滞を減らす実験を行っています)、路面電車を対象としたこのような実証実験は世界でも初めてのことです。路面電車の街、広島に本社を置くマツダらしい取り組みです。 個々人の能力に依存する(しかも、運転技術が劣る人も多く運転しています)車は、事故が起きる確率がどうしても高くなります。かと言って、車をこの世から追放するわけにはいきません。機械で安全性を高めることはどうしても必要となります。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130903/biz13090321300019-n1.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

大阪市営バス、民営化は2014年7月以降に

 大阪市営バスの民営化は2014年4月を予定していましたが、延期となりました。早くても2014年7月になります。

 大阪市営バスの民営化が遅れている理由は、バス民営化の審議が遅れているため。3月議会、5月議会の2回とも継続審議となっています。10日から開かれる9月議会でも民営化は審議されますが、そこで民営化に必要な条例案が議決されたとしても、公募手続きや市職員の転籍、システム改修に最低でも10か月とみられていることから、2014年4月からの民営化は断念しました。

 もっとも、このまま市議会に民営化の条例案を提案しても、承認されるとは限りません。市議会は、民営化によって生活に必要な路線の廃止につながると懸念しています。大半は利用者の少ない路線でしょうが、路線が廃止されると高齢者(「敬老パス」を使っているので、お金は払っていないのですが)を中心とした票を失い、次の選挙に不利です。そこで市議会は、大阪市が100%の株を持ち、大阪市営バスの運行を委託している大阪運輸振興に一括して譲渡することなどを要求しています。そこで大阪市交通局は一部の事業を大阪運輸振興に譲渡するという修正案を提示する方向です(最終的には第三者に意見を求め、修正案を確定させます)。すべて公募で引き継ぐバス事業者を決めたいとしていた橋下市長としては不本意ですが、市議会との約束で一部は大阪運輸振興に随意契約で渡さないといけません。

 さて、今回の修正案は、2014年4月に現在の8営業所、103路線体制を7営業所、88路線体制に再編したうえで、いずれも経営状態がよく、市域を広くカバーすることのできる中津、守口、鶴町の3営業所、31路線を譲渡するものです。民間事業者が撤退するなどの事態にも対応できるように、大阪運輸振興の経営基盤を安定させることを重視しています。本来は採算の取れない路線をあぶり出し、収支の改善を図るはずだったのですが(バスを完全に廃止できなくても、「赤バス」廃止後の代替交通のように、ダウンサイジングは図れます)、大阪市の孫会社にバス事業をゆだねることによって、改革が中途半端になる危険性が高いです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/osaka/news/20130907ddlk27010428000c.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

沖縄にバス・モノレール共通ICカード

 9月6日までに、沖縄県内のバス4社と沖縄都市モノレール、沖縄県で構成する「沖縄本島IC乗車券システム検討委員会」は、2014年度中に沖縄本島を運行するバスとモノレールに共通IC乗車券を導入することで合意し、基本計画をまとめました。

 沖縄の共通ICカードは、「Suica」など、全国の公共交通機関との互換性は持たないもの。沖縄県内での利用に特化しているため、ビジネス客や観光客には使いづらいかもしれません。ICカードはプリペイド決済方式で、カード型、キーホルダー型、モバイルIC型(スマートフォンに搭載します)の3種類を用意します。いずれもバス車内やモノレール券売機などでチャージして使います。カード型、モバイルIC型には定期券機能もあります。観光客向きのキーホルダー型はシーサーをモチーフにするなど沖縄らしいデザインにします。ID情報は運営会社(交通事業者の出資により設立します)が管理し、紛失した際は使用を停止し再発行することもできるようです。

 支払いごとに付与されるポイントを運賃として利用することのできるポイントサービスや、スマートフォンで残高などを確認することができるウェブサービスも導入します。商業施設で利用できる電子マネー機能も搭載予定です(2015年3月末目標)。なお、1日乗車券や高齢者割引などの各交通機関の既存のサービスをどれくらいICカードに取り込むかは未定とのことです。将来的には、クレジットカードや電子クーポンなどの機能拡張も検討しています。

(追記1)
 沖縄都市モノレール、沖縄本島内の路線バスで共通に使うことのできるIC乗車券ですが、2014年10月から沖縄都市モノレールで先行運用を始め、2015年4月からバスを含めた本格運用に移ります。初年度のカード発行目標は3.5万枚、10年後は35.6万枚です。

 ICカードを運営するのは、沖縄都市モノレールとバス4社などが出資した会社、「沖縄ICカード」。5社から徴収するカード精算手数料などが主な収入源となります。バスの車内読み取り機、モノレールの券売機や自動改札機などの機器代は、一括交付金による沖縄県の補助金約20億円で賄います。

 なお、「Suica」など全国の主なICカードと相互利用しない理由については、開発費用及び毎年の維持手数料がかかることと、自由なデザインのものをつくることができることを挙げています。

(追記2)
 沖縄本島IC乗車券のカード名称とデザインが決定しました。

 カードの名称とデザインは公募しましたが、名称は357件、デザインは48件の応募がありました。名称は「OKICA」が採用されました。「OKINAWA IC CARD」の略称です。デザインは琉球紅型を背景に、バスやモノレールのほか、守礼門や観覧車、ジンベイザメなど沖縄の旅やデートの目的地を連想させるものを配置しています。

(追記3)
 「OKICA」は2014年10月20日に沖縄都市モノレールで先行導入されます。自動改札機は10月20日から30日にかけてすべて置き換えられ、QRコード化も同時に行われるため従来の磁気乗車券、回数券は使えなくなります。回数券については、代替措置としてポイント制度を導入し、月の利用金額に応じて最大15%を還元します。

(追記4)
 「OKICA」のバスへの導入は、当初から少々遅れて、2015年4月下旬となるようです。那覇バスターミナルの一時移転に伴うダイヤ変更作業の影響のようです。
(参考:沖縄タイムスホームページ http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-09-07_53800、http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81757、http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=107089、琉球新報ホームページ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-215807-storytopic-4.html、沖縄県ホームページ http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/koho/koho/topic/20140128.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

関東鉄道、0.07キロの支線を建設、11月開業予定

 関東鉄道は常総線開業100周年事業の一環として、0.07キロの支線を建設することにしました。11月1日の開通を予定しています。

 つくられる支線は「とばのえ支線」、騰波ノ江駅構内にあります。関鉄レールファンCLUBとの協力により、1067ミリ軌間でつくられます。トロッコの走行を前提としています。

 かつて騰波ノ江駅には貨物線があり、農産物などの発着貨物を受ける線路がありました。今回、その貨物線のあったところに線路を復活させ、駅を訪れた利用者がトロッコに乗ることができるようにします。

 9月21日、22日、「とばのえステーションギャラリー」の開催に合わせて、「とばのえ支線」敷設の保線作業体験を行います。事前に関東鉄道に電話で申し込む必要があり、定員は各日先着10人、犬釘の打ち込みによるレールと枕木の締結作業を行います。保線体験証明書が進呈されます。

(追記)
 予定より遅れましたが、「とばのえ支線」は完成し、11月23日から開通式典とトロッコ乗車体験会を行います。
(参考:関東鉄道ホームページ http://www.kantetsu.co.jp/news/130921_hosen/hosentaiken.html、http://www.kantetsu.co.jp/joso100/news/news_torocco.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

10月から高岡-白川郷間に「世界遺産バス」実証運行開始

 2015年春開業予定の北陸新幹線沿線で、新幹線駅からの二次交通を充実させようとする動きが出ています。

 今回取り上げるのは、世界遺産として知られる五箇山や白川郷。以前にも白川郷方面への二次交通について記事にしましたが、今年も10月からバスの実証運行を始めます。

 加越能バスが高岡駅から城端駅、五箇山の相倉、菅沼を経由し、白川郷まで行くバス、「世界遺産バス」を運行するのです。10月5日から2014年3月までの休日に運行し、1日4往復します。高岡-白川郷間にはひたすら国道を走る路線バスもありますが、この「世界遺産バス」は一部区間(高岡インター-福光インター間)で高速道路を使うため、所要時間が45分短縮され、1時間50分で結びます。城端駅-白川郷間は観光地近くの主要停留所にも停まります。運賃は未定です。富山県は運行経費の補助や旅行商品の宣伝というかたちで支援します。

 この「世界遺産バス」のほかにも新幹線駅から観光地への二次交通を充実させる試みが行われます。秋からは富山駅と氷見市のひみ番屋街を往復する富山地方鉄道の「富山ぶりかにバス」や、富山県東部を周遊する黒部市や交通事業者による黒部市公共交通戦略推進協議会の「にいかわ観光地周遊バス」も実証運行を開始します。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20130823/CK2013082302000034.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

山田線運休区間に新駅構想

 山田線の宮古-釜石間は東日本大震災の影響で運休の状態が続いています。その運休中の山田線に、新駅設置の構想があります。4月17日の宮古市議会鉄道復興対策特別委員会で、宮古市側が明らかにしました。

 宮古市が山田線の復旧に合わせて設置を検討しているのは、宮古市八木沢地区。磯鶏-津軽石間(7キロ)にありますが、山あいにあるため、津波の浸水を免れています。近くには市営団地や岩手県立大の宮古短期大学部があるほか、岩手県が災害公営住宅(復興住宅)を70戸整備することを予定しています。この新駅は宮古市の請願に基づくものであるため、設置費用はすべて宮古市が負担することになります。

 気仙沼線、大船渡線はBRTになり、それなりの改善が図られましたが、山田線の運休区間は鉄道に固執するがゆえに、未だにJR東日本による振替輸送はなされていません。BRT化への提案も拒否したままです。JR東日本は宮古-釜石間の鉄路復旧費について、線路のかさ上げ費用などを含めて210億円との概算を示していますが、運行再開後に乗客数が増加することを鉄路復旧の条件として挙げています。ある意味もっともなことで、バスで対応できるぐらいの需要しかいないところに鉄道を敷くことは無意味です。しかもその赤字は山田線とは全く縁がない、新幹線や首都圏の利用者が負担します。そう考えると、BRTあたりで運行コストを削減することを非難することはできません。宮古市としては新駅を設置することにより利便性が増加し、山田線の利用促進につなげたいとしていますが、ひと駅の設置で解決できるかどうかは厳しいところです。

 なお、宮古市の新駅構想は、JR東日本には正式に申し出たわけではないので、JR東日本サイドからの反応はありません。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/feature/eq2011/information/20130418-OYT8T00734.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

南海フェリー、2014年3月までの期間限定で自転車、二輪車の輸送運賃無料に

 和歌山市、徳島市と南海フェリーは、期間限定で自転車と125cc未満のバイクの輸送運賃を無料にするキャンペーンを行います。

 無料化を行うのは、自転車が10月1日から2014年3月31日まで、バイクが11月1日から2014年3月31日までです。自転車で600円、バイクで1200円の輸送運賃が無料となります。大人片道2000円、往復3800円の旅客運賃は必要です。

 このキャンペーンに対し、和歌山市、徳島市はそれぞれ60万円を上限に助成します。これ以外の経費は南海フェリーが持つことになります。キャンペーンの利用台数には制限がありません。

 実はこのようなキャンペーン、昨年も行っています。2012年10月から2013年3月の間、和歌山市と南海フェリーは、自転車輸送運賃の無料キャンペーンを行っていたのです。その期間の自転車利用台数は1210台、前年同期比で約1.5倍になりました。そのことから今年も行われることとなり、徳島市が新たに参加することになったのです。この南海フェリーは災害時の緊急輸送機関としても重要だと認識しており、徳島市としてはこのキャンペーンを行うことにより、和歌山と徳島を結ぶ航路の認知度を高め、利用促進につなげたいとしています。
(参考:徳島新聞ホームページ http://www.topics.or.jp/localNews/news/2013/08/2013_13770643774802.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

阪急・嵐電の西院駅、直結へ

 阪急と嵐電の西院駅。しかし、この両駅を乗り換えようと思ったら、意外と手間がかかります。というのも、阪急の駅は西側、嵐電の駅は東側にあるのですが、阪急西院駅は西側のみに改札があるのです。嵐電に近い東側には改札がないのです。阪急の改札口から嵐電の西院駅までは約260メートル離れています。

 そこで阪急、嵐電の両社は、阪急西院駅に東改札口を設置し、乗り換えをスムーズにしようとしています。計画では阪急西院駅のホーム東側に四条通りを挟んで南北2か所に改札口を新設します。南側の東改札口は梅田方面ホームの改札で、嵐電の四条大宮方面ホームに隣接します。嵐山から梅田に行きやすくなります。北側の東改札口は河原町方面ホームの改札です。嵐電の嵐山方面ホームは四条通の北側に移設し、梅田から嵐山に行きやすくします。南北の東改札口にはエレベーターを設置します。

 また、阪急西院駅の西側にある既存の改札口は地下化し、住民の要望が強かったエレベーターを新設します。駅ビルを建て替え、保育施設や医療機関などを誘致します。

 この事業は国交省の鉄道駅総合改善事業に申請しており、認められれば2014年度に調査設計を実施し、2015年度の着工を目指します。国と京都市など地方自治体が1/3ずつ負担することになります。

 この西院駅の乗り換えの不便さは、最近出てきた問題ではありません。しかし、それほど問題ではなかったようです。というのも、隣の大宮駅に阪急の特急が停まっていたので、大宮駅(嵐電は四条大宮駅)が乗り換え駅として機能していたのです。しかし、大宮駅に特急が停まらなくなり、西院での乗り換え需要が相対的に増えたのでしょう。西院駅の改良には、そういう背景があると思われます。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20130829000020)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

「神戸-関空ベイ・シャトル」連絡バス、第2ターミナルビルまで延長

 神戸空港と関空とを約30分で結ぶ高速船「神戸-関空ベイ・シャトル」についての話題です。

 関空側の港(関西空港桟橋)と関空との間には連絡バスが走っていますが、関空行きについては、10月1日から(通年)、全便第1ターミナルビル経由で第2ターミナルビルまで行くことになりました。関西空港桟橋から第2ターミナルビルまでの所要時間は20分です。逆に関空発は、全便が第1ターミナルビル発です。第2ターミナルビルからは第1ターミナルビルで乗り換える必要があります。何らかの事情があるのでしょうか?

 なお、9月30日までの期間限定で実施していた早朝と深夜の増便と往復割引キャンペーンは、利用者からの要望が多く、また利用実績も増加傾向にあるため、2014年3月31日まで延長します。往復割引キャンペーンは、往路を2014年3月31日に利用した場合、復路は2014年4月29日まで有効です。

 増便されるのは神戸空港5:30発と22:45発、関西空港桟橋6:30発と0:00発です。神戸空港5:30発はポートライナーとの接続はありません。関西空港桟橋0:00発はポートライナーとの接続がないため、神戸空港から三宮まで直行の無料連絡バスを運行します。

 神戸空港と関空との間を往復すると通常では3600円かかりますが(片道のちょうど倍)、往復割引を適用すると3000円となります。日帰りで往復すれば2400円ですが、関空から神戸に日帰りで行く人が神戸空港22:45発に乗れば、1000円になります。
(参考:海上アクセス株式会社ホームページ http://www.kobe-access.co.jp/pdf/1308tami.pdf、http://www.kobe-access.co.jp/pdf/1308sou.pdf、http://www.kobe-access.co.jp/pdf/1308oufuku.pdf、トラベルビジョン http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=58749)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

しなの鉄道に観光列車

 しなの鉄道は、2014年夏を目途に観光列車を導入する方針です。

 観光列車は115系3両編成を改装してつくります。車両の色を塗り替え、県産木材を使って大幅な改装を行います。車内では地元の食材を使った食事を提供します。また、沿線地域と連携し、車内で観光地の紹介や特産品の販売を行うコーナーをつくったり、停車中に沿線自治体が観光PRをしたりということも考えているようです。列車は家族連れがゆったりとくつろぐことができるように、定員は現行車両の約180人(座席だけの定員?)から100人程度に減らします。週末や春休み、夏休み、年末年始などに軽井沢-長野間で年間180日ほど運行する見込みです。

 話は変わりましたが、しなの鉄道は同じ8月27日、第一四半期(4~6月)の輸送実績と経営状況を発表しました。それによりますと、輸送人員は前年同期比1.7%増の約271.6万人、運賃収入は2.4%増の約5.88億円ということです。

 細かく見ていきますと、輸送人員のうち、通勤定期利用者は前年同期とほぼ同数の約75.4万人、通学定期利用者は2.7%増の約124.1万人。これに対して定期外利用者は1.8%増の約72.1万人、特に4月は7.0%増でした。しなの鉄道は169系引退イベントの効果とみています。169系の力は絶大だったのです。営業利益は前年同期比32.3%の約1.22億円、経済利益は41.2%増の約1.1億円ですが、この要因は橋の塗装工事の有無によるもので、通年ではこのような大幅増加はないとみています。
(参考:信越観光ナビ http://www.shinetsu-navi.jp/2013/08/28_034413.php)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

大阪からポートアイランドまで直通運転?

 神戸に二つある人工島、ポートアイランドと六甲アイランド。この二つの島には、鉄道アクセスがあります。新交通システムのポートライナーと六甲ライナーです。新交通システムの性格上、JRなどとの直通はできません。JRなどから乗り換えて10分程度で人工島に着きますが、閑散としているという批判があります。

 というのも、神戸に行くならこれでいいものの、大阪あたりに行くには不便だからです。ポートライナーや六甲ライナーで三宮や住吉に行き、そこからJRなどで大阪に向かい、場合によってはそこから再び地下鉄に乗るので、距離の割には時間がかかります。まだ三宮に直結しているポートライナーはいいものの、繁華街ではなく、快速しか停まらない住吉と接続する六甲ライナーはさらに悲惨なようです。

 そこで、もしポートライナーや六甲ライナーが新交通システムではなく、既存の鉄道(JR、阪急、阪神)から延伸したり分岐したりする鉄道であったならば、ポートアイランドや六甲アイランドは繁栄したのではないか、と考える人がいます。関西のとある私鉄の重役は、神戸新交通(ポートライナーや六甲ライナーを運営する会社)を傘下に入れ、三宮駅の大工事を行い、直通できるようにすればいい、と考えているようです。

 現実に、ポートライナーや六甲ライナーを阪急や阪神あたりから直通できるようにすることは夢物語です。まず不可能と言ってもいいでしょう。せいぜいできることは、このことを教訓として、他線と直通運転ができない新交通システムはできるだけ採用しないようにするということぐらいです。
(参考:Business Journal http://biz-journal.jp/i/2013/07/post_2561.html)

| | | Comments (2) | TrackBack (0)

SL「やまぐち号」、部分運行案浮上

 7月末の豪雨災害により、山口線地福-益田間と山陰線益田-奈古間が運休したままとなっています。山口線津和野-益田間と、山陰線益田-須佐間は年内をめどに復旧させる予定ですが、残る区間は2010年の美祢線の被害よりも大きいため、JR西日本は全線復旧するには(美祢線で要した)約1年2か月以上かかるとみています。

 山口線の看板列車は、SLの「やまぐち号」。以前にも書いたように、豪雨災害以降、運休したままとなっています。

 ところが、そのSL「やまぐち号」、部分運行の話があるようです。すでに運行を再開している新山口-地福間(43.9キロ)だけでSLを走らせるのです。地福には、新山口のような転車台はなく、地福で折り返した場合、復路はSLを後ろ向きに走らせないといけないなどという問題はありますが(JR西日本は後ろ向きでも走ることができるC56を使うようです)、問題を解決して、部分的でもSLを運行したいとしています。早ければ年内の運行もあるようです。

 話は変わりますが、この近隣では8月末に再び豪雨災害があり、三江線江津-浜原間と山陰線江津-浜田間が運休しています。山陰線江津-浜田間は9月末に復旧する予定ですが、橋脚が流されるなどの被害が出た三江線の運転再開の見通しは立ってはいません。ただ、三江線の利用状況が利用状況なだけに、このままJR西日本が鉄道として運営すべきかは疑問なところでもあります。

(追記)
 山陰線江津-浜田間は9月25日に運転再開見込みとなりました。
(参考:中国新聞ホームページ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201309070032.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/area/shimane/articles/OSK201309070070.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/shimane/news/20130903ddlk32040604000c.html、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/09/page_4489.html、山口新聞ホームページ http://www.minato-yamaguchi.co.jp/yama/news/digest/2013/0907/2p.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

いすみ鉄道国吉駅に腕木式信号機登場

 いすみ鉄道の国吉駅に、腕木式信号機が設置されました。国吉駅の大原側に設置されています。

 腕木式信号機はかつてはどこでも見られたものですが、今では貴重な存在です。いすみ鉄道に新たに設置されたものも、展示物として設置されたものであり、実際の機能は果たしていません(いすみ鉄道は特殊自動閉塞式を採用しています)。国鉄型気動車とともに、昭和の懐かしい光景を再現するためのアイテムです。
(参考:いすみ鉄道ホームページ http://www.isumirail.co.jp/?p=907)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

JR四国で販売する「ICOCA」のデザイン

 8月26日のことですが、JR四国及びJR西日本から、2014年春以降、JR四国で発売する「ICOCA」のデザインの発表がありました。

 JR四国で発売される「ICOCA」は「SHIKOKU ICOCA」(JR西日本が商標登録出願中)といいます。デザインも「ICOCA」と異なり、電車が3本描かれています。上の2本は快速「マリンライナー」風、下の1本は2両編成であることから121系風でしょうか?

 以前のおさらいも兼ねてですが、2014年春にJR四国で「ICOCA」サービスが導入されるのは、予讃線高松-多度津間及び瀬戸大橋線児島-宇多津間。「SHIKOKU ICOCA」もJR四国における「ICOCA」サービス導入日から発売されます。「SHIKOKU ICOCA」は高松駅、端岡駅、坂出駅、宇多津駅、丸亀駅、多度津駅の6駅でのみ発売します(営業時間内のみの発売です)。JR西日本では、児島駅を含めて発売する駅はありません。「SHIKOKU ICOCA」の利用可能エリアは「ICOCA」と同様ですが、「SHIKOKU ICOCA」には定期券機能はありません。ICカードを普及させるためにも、エリアの拡大(観音寺、琴平、志度ぐらいは拡大してもらいたいものです)とともに、定期券機能の組み込みが求められます。なお、発売額は2000円(デポジット500円を含みます)で、大人用のみの発売です。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/08/page_4351.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (2)

高崎線の新駅建設で北本市、住民投票へ

 高崎線の桶川-北本間に新駅を設置する構想があります。新駅の候補地は桶川市との境に近い北本市南部で、圏央道(建設中)と交差しています。インターチェンジも近くにできるようで、鉄道と高速道路を組み合わせて使うことも可能な駅の位置です。1985年ごろから北本市は駅の設置の要望を続けています。

 ただ、問題なのは、駅建設にかかる事業費をどうするのかということ。総事業費は約72.1億円、内訳は駅舎などの鉄道施設が約51.2億円で、東西の駅前広場や東西を結ぶ自由通路などが約20.9億円です。国庫補助金が15億円もらえますが、残りの57億円ほどは北本市が負担しないといけません。主な内訳は庁舎建設基金からの振り替えが18億円、南部地域整備基金が16億円、市債が16億円です。

 北本市としては、駅が開業することで人口が増え(開業から5年で人口が3200人増加するとみています)、開業から21年で税収が市負担分の事業費を上回るとしています。埼玉県全域での経済波及効果は約113億円に達するとみています。しかし、北本市としては史上最大規模の事業になるため、新駅開業に伴う効果を説明し、いったん新駅建設の是非を問う住民投票を行ったうえで建設に取り掛かりたいとしています。新駅設置を推進する立場である自治体が住民投票を求めるのは珍しい話です。北本市議会の9月定例会に住民投票の条例案を提案し、条例案が可決されれば、住民投票は12月15日に行われます。そこでも過半数の賛成意見があれば、今年度中にJR東日本に対して正式な要望書を提出し(これまでの事前協議の結果、JR東日本から駅設置の正式な要望書を出すことが求められました)、2016年に新駅設置の覚書をJR東日本と交わし、2017年度中に着工、2019年度中(2020年)に新駅が開業というスケジュールになります。

(追記)
 ところが、12月15日に行った住民投票の結果、反対派の市民団体が「活躍」したこともあり、賛成の3倍以上という圧倒的多数で反対票が多く、計画は白紙に戻るようです。
(参考:東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130822/CK2013082202000125.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130906/CK2013090602000140.html、埼玉新聞ホームページ http://www.saitama-np.co.jp/news/2013/09/06/04.html、http://www.saitama-np.co.jp/news/2013/12/15/11.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

政府も沖縄鉄軌道構想に財政支援へ

 このblogでも何度か取り上げた沖縄鉄軌道構想。沖縄県の構想では、那覇空港から名護までの約70キロを1時間で結ぶものです。沖縄県は計画を具体化させて、2014年度から市町村との調整に入る予定です。この計画に政府も財政支援を検討しています。平成26年度予算案の概算要求で、鉄道構想の調査費を内閣府予算に盛り込みます。

 沖縄県の構想では、米軍普天間飛行場跡地(予定)に駅を設置します。まとまった土地なので、再開発をやりやすいです。鉄道に加えて、バス路線など交通インフラを総合的に整備します。予定通りに返還が進めばという前提ですが、基地の象徴から沖縄の負担軽減と経済振興の象徴に変わります。

 このblogを御覧になっている方なら御存じのこととは思いますが、沖縄にも戦前は鉄道がありました。しかし、戦争で鉄道はなくなり、米軍統治下では鉄道整備は進みませんでした。沖縄県が鉄道構想を打ち出すのは、沖縄振興の象徴になるからです。沖縄は那覇などがある南部に人口が集中し、北部は人があまり住んではいません。しかし、鉄道は名護まで行くので、北部振興にもつながるとしています。

 ただ、鉄道建設には莫大な費用がかかります。総額8000億円まで膨らむともいわれ、また鉄道が長い間なかったこともあり、車に依存することが多く、採算がとれるかが課題となっています。沖縄県は鉄道にするかモノレールにするかなど複数の案を考えていて、政府としてもどのような鉄道にするかを独自に調査し、採算性を見極めます。

 もっとも、鉄道計画の前提としては、普天間飛行場の返還が必要です。日米合意で2022年度以降に予定されていますが、代替となる名護市辺野古に移設できないと返還はされません。政府は基地移設の前提となる辺野古での埋め立て申請を沖縄県に出していますが、それが却下されると話が進みません。鉄道はできず、基地は普天間に固定されたままになってしまいます。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130821/plc13082101370001-n1.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

DMV導入で左荒線実現へ?

 8月27日のことですが、JR東日本の左沢線と山形鉄道のフラワー長井線を、DMVで結ぶことを目的として、沿線の長井市、寒河江市、大江町、白鷹町、朝日町、山辺町、中山町、川西町と山形県などが、DMV推進協議会を設立しました。

 DMVは左沢線の左沢と山形鉄道の荒砥の間、道路上を走ることになります。国道287号線を走ることになります。左沢と荒砥の間はかつて民間の路線バスが運行されていたこともあります。一定のニーズがあったといえます。左沢と荒砥を結ぶ鉄道計画もありました。1927年に整備が決定され、測量・調査が行われましたが、戦争により中止になってしまいました。左荒線と呼ばれていたのですが、これがDMVという新しい方法で実現するのかもしれません。

 国交省はDMVを導入しようとしています。早期実現のために、廃線跡などを活用した専用路線を使うことを前提に議論しています(そこまでしてDMVを導入する必要があるのかとは思いますが。普通の路線バスで十分でしょう)。新たに線路を敷くことが不要で、しかも車両が安いからです。DMVは1台3500万円程度で、1両約1.3億円の鉄道車両の約1/4です。燃費や保守点検の費用も、鉄道に比べて安いです。バスよりも割高でしょうが。ただ、DMVは2004年にJR北海道がマイクロバスを改造して開発をはじめてから10年近くたちますが、明知鉄道などいくつかで実験を行っただけで、実用化には至っていません。その理由は、DMVとしてのメリットがないからです。はっきり言って舗装して普通のバスを走らせたほうがいいのです。

 さて、左沢線、山形鉄道にDMVを導入することはできるのでしょうか?
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130828t55007.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/otona/railwaynews/02/yamagata/20130904-OYT8T00302.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

大船渡線、陸前高田-細浦間を内陸に移設か?&岩泉線の廃止を地元に伝達

 今はBRTにて運行中の大船渡線気仙沼-盛間ですが、鉄道で復旧させる話はあります。というより、鉄道で復旧させるのが最終目標なのです。

 4日に一関市で、大船渡線の復旧について国と岩手県、宮城県、沿線自治体、JR東日本などが協議する「復興調整会議」の第5回会合が行われました。その中でJR東日本は、陸前高田-細浦間を内陸に移設する2つの案を示しました。今後、震災前とほぼ同じルートで復旧する案を含めて検討することとなります。

 先ほども述べたとおり、移設ルートは2つあります。脇ノ沢駅西側から脇ノ沢、小友両駅を含めて数百メートルから1キロほど内陸側に移設して細浦駅南側で現行ルートに合流するAルートと、Aルートの途中で現行ルートの小友駅に合流する(移設するのは脇ノ沢駅のみ)Bルートです。脇ノ沢-細浦間は8.8キロありますが、移設により7~8キロに短縮されるようです。新ルートにすれば、駅や線路のかさ上げは必要なく、津波を避けて走ることができます。また、脇ノ沢駅付近は高台移転を行うため、現行の駅付近には人は住みません。人のいないところに駅があるというミスマッチを解消することができます。これとは別に、陸前高田駅付近も移設され、駅も内陸側に移転します。

 ただ、依然としてJR東日本からは鉄路復旧の明言はなく、現行ルート及び移設ルートの費用や復旧期間の提示はありませんでした。早期の鉄路復旧を求める地元からは批判的な声が強いです。とは言っても、JR東日本としては危険性の高いところを走らせるわけにはいきません。上場会社なので赤字確実の路線に莫大な投資をするわけにもいきません。国などの支援がないと復旧はできません。陸前高田市サイドは移設案は現実的ではないと批判していますが、(JR東日本が運営するという)気仙沼線の現状からすれば、一番現実的なのはBRTの充実を図ることです。30分から1時間おきにBRTが来るというのは、鉄道時代にはできなかった話です。

 話は変わりますが、JR東日本は5日、土砂崩れによる脱線事故により2010年から運休が続いている岩泉線について、鉄道を廃止してバスによる代替輸送を行う方針を、県や沿線自治体に正式に伝えました(廃止の方針は以前から決まっていましたが)。安全を確保するのに約130億円という巨額の費用がかかるということと運休前から乗客数が極めて少なかったのがその理由です。線路跡などは宮古市と岩泉町に無償譲渡します。

 このJR東日本の方針に対して地元は反発していますが、現状を冷静に分析すると、鉄道の廃止しか結論は出ないでしょう。廃線跡を活用して、道路の改良を図ったほうがよほど有用です。

(追記)
 岩泉線に並行する道路でネックになっているのは、宮古市と岩泉町の境にある国道340号の押角峠。峠の前後5キロは道幅が狭く、急カーブ、急勾配の連続で、特に冬場の通行が困難なため、住民は改良を強く望んでいます。そこでJR東日本は、岩手県が押角峠の改良を行う場合、(具体的な方法には触れませんでしたが)何らかの協力をすることを岩手県などに伝えています。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20130904-OYT8T01374.htm、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130905_3、東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013090501001575.html、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/09/20130910t33014.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

2014年の熊野大花火大会、高速道路をバス専用道に?

 毎年お盆の時期に行われる熊野大花火大会は、例年15万人以上の人が訪れる大きなイベント。東海地方や関西地方からも大勢の人が海中などからの花火を見に行きます。公共交通が不便なエリアにあり、しかも(花火ということから)夜に行われるので、マイカーで行く人が多いです。

 しかし、過疎地帯ということもあり道路はあまり整備されていません。花火大会当日には渋滞が20キロ以上になります。花火が終わってから観光バスが到着したり、救急車の通行に支障が出たりなど、いろいろな問題があります。

 そこで出てきたのが、9月29日に全線開通する高速道路、熊野尾鷲道路(尾鷲南インターチェンジ-熊野大泊インターチェンジ間、18.6キロ)を活用するアイデア。国交省は、2014年以降、尾鷲でマイカーからバスに乗り換えて花火会場に行く「パーク・アンド・バスライド」の導入を検討します。熊野尾鷲道路はシャトルバスや観光バスなどの公共交通専用道路とします。マイカー利用者については尾鷲で乗り換え、シャトルバスに乗ることを勧めますが、国道42号を進むことはできます。津方面からマイカーで花火大会に来る人の3割がシャトルバス利用に切り替え、渋滞の長さが約8キロ短くなることを目標としています。今年は尾鷲市内でのスペース確保の可否や、花火会場での歩行者の通行量の調査といった下調べを行いました。

 「パーク・アンド・バスライド」は大規模なイベントや都市中心部への通勤通学のために使われることが多いのですが、イベントのために20キロ以上も離れた都市間で行われるのは珍しいようです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20130808/CK2013080802000007.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

JR北海道、11月に減速&減便のダイヤ改正で、「北斗」系統たったの5往復

 相次ぐ車両トラブルが起こったJR北海道。その対策として最高速度・運転本数を見直すダイヤ改正(内容は「改悪」としか言いようのないものですが)を11月に行うことは以前にも書きましたが、その概要がJR北海道から発表されました。

 ダイヤ改正は11月を予定しています。最高速度・運転本数を見直すことにより余裕を生み出し、メンテナンス体制の強化を行います。具体的な特急の時刻等は9月下旬に発表される予定です。ダイヤ改正により、特急のみならず、普通列車にも時刻変更や遅れが生じ、これまでできた列車の乗り継ぎができなくなるところもあります。

 それでは各系統別に内容を詳しく見ていくことにしましょう。ただ詳細は検討中とのことです。なお、札幌-網走間「オホーツク」、函館-新青森間「スーパー白鳥」「白鳥」については、最高速度・運転本数の変更はありません。

(1)札幌-函館間(「スーパー北斗」、「北斗」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が11往復、平均所要時間が3時間21分だったのが、120キロ、5往復(6往復減)、3時間30分(9分遅)となります。

 こんなに本数が減るのは、「北斗」4往復について、キハ183系の使用を見合わせているためです。原因を究明の上必要な対策を行い運転再開となった場合には、札幌-函館間は9往復となります。それまでの間は、臨時列車を運転する予定です。

(2)札幌-釧路間(「スーパーおおぞら」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が7往復、平均所要時間が3時間51分だったのが、110キロ、6往復(1往復減)、4時間11分(20分遅)となります。ここだけは最高速度が20キロも低くなります。後述の「スーパーとかち」とのスピードの差は気になるところですが。

(3)札幌ー帯広間(「スーパーとかち」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が5往復、平均所要時間が2時間35分だったのが、120キロ、5往復(変わらず)、2時間36分(1分遅)となります。

(4)札幌-稚内間(「スーパー宗谷」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が2往復、平均所要時間が4時間58分だったのが、120キロ、2往復(変わらず)、5時間04分(6分遅)となります。

 なお、同じ区間を走る「サロベツ」1往復については、キハ183系の使用を見合わせているため、引き続き運休します。課題が解決され、運転再開となった場合は、「サロベツ」については最高速度や運転本数の変更はありません。

(5)札幌-旭川間(「スーパーカムイ」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が24往復、平均所要時間が1時間20分だったのが、120キロ、23往復(1往復減)、1時間25分(5分遅)となります。

(6)札幌-東室蘭間(「すずらん」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が5往復、平均所要時間が1時間26分だったのが、120キロ、5往復(変わらず)、1時間28分(2分遅)となります。

(7)札幌-新千歳空港間(快速「エアポート」)
 これまで最高速度が130キロ、本数が上り57本、下り59本、平均所要時間が36分だったのが、120キロ、上り57本、下り59本(変わらず)、37分(1分遅)となります。


 以前にも書きましたが、減速や減便は本質的な対策ではありません。一刻も早く問題を解決して、元通り、さらにそれ以上のスピードで走ることができることが望ましいと言えます。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130904-1.pdf)

| | | Comments (6) | TrackBack (3)

バリアフリーになっていない地下鉄の駅にヒーロー登場

 東京メトロの方南町駅は、エレベーターもエスカレーターもありません。しかし、ここで1日数時間活躍するヒーローがいます。

 そのヒーローの名は「ベビーカーおろすんジャー」、全身緑色のコスチュームに身を包んでいる彼は、子連れの乗客のためにベビーカーを抱えて階段を下ります。ときには、高齢者のために重い荷物を運ぶこともあります。なかなかの評判です。

 しかし、彼も一日中ヒーローとして働くことはできません。普段は食品店で働いているからです。今後はレッド、ブルー、イエロー、ピンクの仲間を増やし、チームを組んで活動したいと考えているようです。
(参考:ロイターホームページ http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE97M03L20130823)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

リニアの長野県内の駅は、飯田市座光寺・上郷飯沼地区の見込み

 JR東海は今月18日に、リニア中央新幹線について、詳細な駅位置や路線を記した環境影響評価(アセスメント)準備書を公表します。これまで直径5キロの円で示されていた駅位置が、具体的になるのです。

 中間駅の位置についてはこれまで報道されていましたが、このほど、長野県内にできる駅の位置が判明しました。飯田線元善光寺駅から南西方向に1キロ前後離れた、飯田市座光寺・上郷飯沼地区になるようです。これまでの話より、もう少し飯田市中心部に近づくようです。

 ただ、以前にも書きましたが、座光寺地区には恒川<ごんが>遺跡群があります。これをどうやってクリアするかが問題となっていました。しかも今年7月には、飯田市教育委員会がこの遺跡群の一部の国史跡指定を申請しました。遺跡群の範囲はJR東海の当初想定より広がったのです。これに対してJR東海は、飯田市の意向に沿うかたちでリニアの位置を遺跡群の南側に修正しました。駅は上郷飯沼地区にもかかり、国道153号線の上を通ることとなりました。道路のアクセスが良くなったのです。鉄道のアクセスについても、伊那上郷と元善光寺の間に新駅をつくる構想があるようです。

 なお、は2面4線で、幅は約50メートル。駅以外の区間の幅は、標準的な高架部分で約14メートルとなります。駅部と地上区間(両脇4メートルずつを含みますので、約22メートルということになります)は、JR東海が取得する予定です。

 環境影響評価準備書は沿線7都県ごとに発表されます。東京都は品川駅の地下に、愛知県は名古屋駅の地下に設置されます。長野県以外の中間駅は、神奈川県が相模原市のJR・京王橋本駅近くに、山梨県が甲府市大津町の中央道南側に、岐阜県は中津川市のJR美乃坂本駅周辺に設置されます。神奈川県は地下駅、山梨県と岐阜県は地上駅となります。品川駅からの距離は、神奈川県駅が約38キロ、山梨県駅が約110キロ、長野県駅が約180キロ、岐阜県駅が約220キロ、名古屋駅が約286キロです。

(追記1)
 中津川にできる車両基地は、美乃坂本駅の東北東約2キロ、中央道中津川インターチェンジ近くにできます。岐阜県中山間農業研究所中津川支所一帯です。車両基地は延長2.5キロ、最大幅500メートルで、面積は約70ヘクタールの計画です。車両基地につながる回送線は、駅を通りすぎた西側(名古屋方)から分岐するので、早朝、深夜あたりに品川-岐阜県駅、岐阜県駅-名古屋間の区間運転は期待できません。

(追記2)
 愛知県内はすべて地下を走ります。大半が深さ40メートル以上の「大深度地下」です。内津峠付近から春日井市に入り、中部大学や王子製紙春日井工場付近を通過します。名古屋市内は官庁街を通過します。名古屋城と名古屋市役所の間を通り、東海道新幹線と直交するかたちで東西方向にホームを置きます。線路は名古屋駅を通りすぎ、名古屋市交通局東山線中村公園駅付近まで伸びます。当面は非常時用の引き上げ線ですが、将来的には新大阪方面の本線になるとみられています。

(追記3)
 以前にも書いたように、名古屋暫定開業の段階では、リニアは1時間当たり5本運転します。4本がノンストップ便、1本が各駅停車便です。ノンストップ便は品川-名古屋間を約40分で結びますが、各駅停車便はひと駅停まるごとに8分伸び、品川-名古屋間では72分となります。

(追記4)
 リニアが開業したら、リニアは出張などのビジネス客の輸送に、東海道新幹線は観光用などの輸送に棲み分けができる、という見かたもあります。そこで、東海道新幹線に食堂車を復活させるという構想もあるようです。

(追記5)
 可児市は遺跡の保全などを理由に、高架橋ではなく地下トンネルに変更するように求めましたが、JR東海に拒否されました。
(参考:信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/20130826/KT130825ATI090001000.php、岐阜新聞ホームページ http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20130905/201309050822_20854.shtml、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130905k0000m040169000c.html、朝日新聞9月12日朝刊 中部14版、朝日新聞9月19日朝刊 中部14版、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/09/22/206918.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1800T_Y3A910C1CR0000/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/NGY201311250024.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

沖縄のバス停標識は鉄道の駅名標風に

 沖縄は鉄道がひとつしかなく、公共交通はバスに頼る割合が高いです。しかし、バスは鉄道に比べてわかりにくいという欠点があります。沖縄県交通政策課によれば、バスに関する県民アンケートで最も多かった要望は、定時性の確保。その次に多かったのは、上屋の整備などのバス利用環境の改善や路線情報のわかりやすさです。

 そこで沖縄県やバス会社などでつくる県公共交通活性化推進協議会が協議し、沖縄県内のバス停を2014年度から改修することが検討されています。バス停に雨よけのひさしやベンチを備えた上屋を設置するほか、鉄道の駅名標のように大きく見やすく表示します。車道側にバス停の名前を隣のバス停とともに大きく書いています。本当に駅名標みたいです。歩道側には時刻表や路線図があります。バス会社ごとにバラバラな時刻表も統一します。沖縄本島内にバス停は約2000か所ありますが、歩道の幅なども考慮して改修内容を決めます。

 増加する外国人利用者にもわかりやすいように、一部鉄道路線であるように、バス停に番号を振ることも考えています。「A01」のように、アルファベットと番号を組み合わせます。今後、外国人に実際に見てもらい、効果があるようならバス会社の標識設置に沖縄県が助成することも考えています。車内案内については、英語、中国語、韓国語などを液晶表示します。2013年度に導入を検討し、2014年度の実施を目指します。

 バス路線が重なる国道58号線では、バス路線を系統ごとに色分けして見やすく工夫します。大きく3系統に分け、どの方面のバスか簡単にわかるように、車体にも系統の色の電光表示などを施すことも検討しています。
(参考:琉球新報ホームページ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-211364-storytopic-4.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

JR東日本新潟支社長、「北越」の存続について発言

 以前にも書いた「北越」存続についての話です。JR東日本の関森新潟支社長は、8月27日の定例会見で、2015年春に北陸新幹線が開業しても、「北越」を存続させる可能性があることを述べました。

 北陸新幹線開業後も「北越」を運行するかどうか現時点では確定していませんが、直江津以西を運行するJR西日本は「北越」を廃止する考えです。直江津から金沢という長い区間、新幹線と並行して走るわけですから、廃止は妥当でしょう。「北越」を無駄に走らせるぐらいなら、「サンダーバード」などを富山まで維持するほうがはるかに有用です。金沢止まりの単なるローカル新幹線にすぎない北陸新幹線は関西や名古屋にとっては百害あって一利もない新幹線ですから。

 それなのに、「北越」に存続の可能性があるのはどうしてかと言えば、沿線自治体が存続を強く要望しているため。上越、北陸新幹線の間にあり、新幹線駅から離れている柏崎市あたりです。確かに都市間列車としての「北越」のニーズはあります。JR東日本は、「北越」の存続について、JR西日本や第三セクターのえちごトキめき鉄道などとの協議を進める考えですが、JR西日本の態度を考えると、えちごトキめき鉄道と協議し、上越妙高方面に直通させたほうがよいでしょう。

 なお、「北越」は、特急にもかかわらず、古い国鉄型車両が使われています。しかし、支社長の話によれば、新型車両に置き換える予定はないようです。これでは快速「くびき野」と同じです。「くびき野」も都市間列車であることには変わりがありません。新幹線開業を機に、「北越」と「くびき野」を統合して、快速として走らせるのが望ましいのかもしれません。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/130828/ngt13082817030002-n1.htm)

| | | Comments (8) | TrackBack (0)

ロンドン交通局、バス運賃の現金払いを廃止か?

 ロンドンを走るバス。近い将来、現金では乗れなくなるかもしれません。

 というのも、ロンドン交通局には、バスの支払いをICカードのみとし、現金払いを廃止する計画があるからです。いくらプリペイドカード「オイスターカード」やキャッシュカードの支払いといった非接触ICカードでの利用が普及し、現金での利用が1%程度にとどまる(しかも、その8割は「オイスターカード」の残高不足によるもの)とは言え、現金での支払いができなくなるのは大きな話です。

 バスでの現金払いを廃止すれば、乗降時間の短縮につながり、年間で最大2400万ポンド(約36億円)のコスト削減になるとみています。意見は交通局のウェブサイトで8月19日から10月11日まで受け付けています。

 地上鉄道「オーバーグラウンド」でも、9月15日以降、有効期限7日以上の「トラベルカード(定期券に相当するもの)」の紙による発行を中止します。「オイスターカード」への情報書き込みで対応します。ただ、1日用の「トラベルカード」は紙での販売を継続しますし、現在使用中の紙の「トラベルカード」は有効期限が切れるまで使えます。

(追記)
 話は変わりますが、2014年7月、オランダの主要幹線から紙の切符が消えました。非接触式スマートカードを使うことになります。旅行者向けの使い捨てのものも用意されています。
(参考:レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/08/23/204787.html、「鉄道ジャーナル」2014年11月号 鉄道ジャーナル社)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

銚子電鉄、6日に車内で泊まるミッドナイト撮影会を実施

 今週金曜日の6日、銚子電鉄で撮影会を行います。

 しかし、ただの撮影会ではありません。平日の開催なので、撮影会が行われるのは夜。20:45から22:15の間に受付を行い、21:00から23:00までの間、仲ノ町構内でデキ3のライトアップ撮影会を行います。その後、貸切列車で撮影地に移動(撮影地は当日発表されます)、深夜の本線上に停車し、日が変わって7日の0:00から1:30の間、本線車両撮影会を行います(撮影会場へは最寄駅から徒歩で移動します)。撮影終了後は再び貸切列車で仲ノ町に戻り、仲ノ町構内に停まっている2000系車両で休憩できます。朝6:00に集合記念写真を撮影した後に解散となりますが、旅行代金(6000円)には弧廻手形1日分が含まれていますので、解散後も引き続き銚子電鉄で撮影することができます。

 定員は30人、申し込みは本日2日までですが、すでに満席となっています。
(参考:日本旅行ホームページ http://ep.nta.co.jp/shinjyuku/choshinight/、銚子電鉄ホームページ http://www.choshi-dentetsu.jp/)

| | | Comments (0) | TrackBack (0)

仙台市地下鉄などにICカード導入、名称を一般公募

 仙台市交通局、宮城交通、仙台市都市整備局からなる仙台IC乗車券推進協議会は、2014年度から導入する「仙台IC乗車券」の名称を一般公募します。

 名称の条件は、「覚えやすく、呼びやすいものであること」「未発表の作品であること」などです。ひらがな、カタカナ、漢字、英語など表記については自由です。仙台市民に限らずだれでも応募でき、郵送、FAX、メールにより、9月17日(必着)まで受け付けます。なお、応募用紙はインターネットからダウンロード可能です。

 応募された名称は、仙台IC乗車券推進協議会で審査を行い、最優秀賞に選ばれたひとつをIC乗車券の名称として採用します。最優秀賞受賞者には、1.5万円分の図書カードが贈られます(複数の者から最優秀賞名称が出たときは、抽選で1人に絞ります)。また、最終審査に残った応募者にも、抽選で数名に図書カードが贈られます。

 「仙台IC乗車券」は2014年度に地下鉄南北線、2015年度に路線バス及び地下鉄東西線(現在建設中)に導入される予定です。使い方などは「Suica」などほかのIC乗車券と同様になるようです。なお、2015年度以降、「Suica」との相互利用が検討されています。

(追記)
 仙台IC乗車券推進協議会は、仙台市地下鉄などで導入されるICカードの名称を、「イクスカ」に決定しました。「行く」と仙台弁の語尾「~すか」を組み合わせています。英語のexcursion(小旅行、遠足)の意味もかけています。ちなみに、応募総数は2198通、応募作品数は1057作品、「イクスカ」を応募した人はたったの6人でした。

 今後は、カードのデザインなどを決定し、「イクスカ」の表記方法やロゴと合わせて後日発表します。
(参考:マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2013/08/24/005/index.html、仙台市交通局ホームページ http://www.kotsu.city.sendai.jp/iccard/meisyo/kettei/pdf/icmeisyou.pdf、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131109t11028.htm)

| | | Comments (0) | TrackBack (1)

谷町線30系引退運転で、谷町線、中央線直通運転

 大阪市営地下鉄30系は、万博の観客輸送と新線建設による必要車両数の増加などに対応するため、1968年から1984年にかけて製造されました。このうち、1973年以降に製造されたものは改良がなされているため、「新30系」などと呼ばれています。

 しかし、その30系も大半が廃車となり、新30系2編成が谷町線に残っているのみ。そのわずかに残っている谷町線の新30系も、このほど引退することになりました。10月初旬に廃車となります。

 「さよなら30系 Last Run」として、ヘッドマーク(期間の途中で、デザインが変わります)を付けた車両が谷町線を定期列車として走ります。8月25日から9月29日までの毎週日曜日(6回)、10:06から15:58まで、大日-八尾南間を3往復します。なお、運行状況によって遅れたり、ほかの車両に振り替えられたりこともあります。

 そして10月6日には、「さよなら30系」撮影会・特別運転が行われます。まず、大日検車場内の撮影ポイントから30系車両等を撮影することができます。その後、大日検車場から谷町四丁目駅を経由し、森ノ宮駅まで直通する30系に乗車します。車内では30系車両説明会が行われます。谷町線と中央線をつなぐ渡り線に乗ることができる、貴重な機会です。森ノ宮駅で特別運転を終了した後は、大阪港-森ノ宮間を回送として往復運転します。谷町線の電車を中央線で見ることができる、貴重な機会です。大阪港付近は高架なので、撮影もしやすいでしょう。

 「さよなら30系」撮影会・特別運転に参加するには事前申し込みが必要です。定員は55組110人、小学生以上が参加できます(未成年者は必ず保護者の同伴が必要です)。応募は参考に掲げた、大阪市のホームページ( http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/110syunen/20130823_30kei_event.html )から行います。応募期間は9月2日から15日まで、応募多数の場合は抽選を行い、9月下旬ごろに当選者に対して通知を行います。参加費は無料です(参加にかかる交通費は各自負担)。
(参考:大阪市ホームページ http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/announce/110syunen/20130823_30kei_event.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/08/21/204619.html)

| | | Comments (0) | TrackBack (2)

« August 2013 | Main | October 2013 »