沖縄にバス・モノレール共通ICカード
9月6日までに、沖縄県内のバス4社と沖縄都市モノレール、沖縄県で構成する「沖縄本島IC乗車券システム検討委員会」は、2014年度中に沖縄本島を運行するバスとモノレールに共通IC乗車券を導入することで合意し、基本計画をまとめました。
沖縄の共通ICカードは、「Suica」など、全国の公共交通機関との互換性は持たないもの。沖縄県内での利用に特化しているため、ビジネス客や観光客には使いづらいかもしれません。ICカードはプリペイド決済方式で、カード型、キーホルダー型、モバイルIC型(スマートフォンに搭載します)の3種類を用意します。いずれもバス車内やモノレール券売機などでチャージして使います。カード型、モバイルIC型には定期券機能もあります。観光客向きのキーホルダー型はシーサーをモチーフにするなど沖縄らしいデザインにします。ID情報は運営会社(交通事業者の出資により設立します)が管理し、紛失した際は使用を停止し再発行することもできるようです。
支払いごとに付与されるポイントを運賃として利用することのできるポイントサービスや、スマートフォンで残高などを確認することができるウェブサービスも導入します。商業施設で利用できる電子マネー機能も搭載予定です(2015年3月末目標)。なお、1日乗車券や高齢者割引などの各交通機関の既存のサービスをどれくらいICカードに取り込むかは未定とのことです。将来的には、クレジットカードや電子クーポンなどの機能拡張も検討しています。
(追記1)
沖縄都市モノレール、沖縄本島内の路線バスで共通に使うことのできるIC乗車券ですが、2014年10月から沖縄都市モノレールで先行運用を始め、2015年4月からバスを含めた本格運用に移ります。初年度のカード発行目標は3.5万枚、10年後は35.6万枚です。
ICカードを運営するのは、沖縄都市モノレールとバス4社などが出資した会社、「沖縄ICカード」。5社から徴収するカード精算手数料などが主な収入源となります。バスの車内読み取り機、モノレールの券売機や自動改札機などの機器代は、一括交付金による沖縄県の補助金約20億円で賄います。
なお、「Suica」など全国の主なICカードと相互利用しない理由については、開発費用及び毎年の維持手数料がかかることと、自由なデザインのものをつくることができることを挙げています。
(追記2)
沖縄本島IC乗車券のカード名称とデザインが決定しました。
カードの名称とデザインは公募しましたが、名称は357件、デザインは48件の応募がありました。名称は「OKICA」が採用されました。「OKINAWA IC CARD」の略称です。デザインは琉球紅型を背景に、バスやモノレールのほか、守礼門や観覧車、ジンベイザメなど沖縄の旅やデートの目的地を連想させるものを配置しています。
(追記3)
「OKICA」は2014年10月20日に沖縄都市モノレールで先行導入されます。自動改札機は10月20日から30日にかけてすべて置き換えられ、QRコード化も同時に行われるため従来の磁気乗車券、回数券は使えなくなります。回数券については、代替措置としてポイント制度を導入し、月の利用金額に応じて最大15%を還元します。
(追記4)
「OKICA」のバスへの導入は、当初から少々遅れて、2015年4月下旬となるようです。那覇バスターミナルの一時移転に伴うダイヤ変更作業の影響のようです。
(参考:沖縄タイムスホームページ http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-09-07_53800、http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81757、http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=107089、琉球新報ホームページ http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-215807-storytopic-4.html、沖縄県ホームページ http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/koho/koho/topic/20140128.html)
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