JR北海道11月の減速&減便のダイヤ改正(続報)、根室線に新車両か?
JR北海道が11月1日に減速&減便のダイヤ改正(改悪)の概要については以前にも書きましたが、そのときに予告していたように9月20日に、特急列車のダイヤが発表されました。その内容を、各線ごとに見ていきます。
(1)札幌-函館間(「スーパー北斗」、「北斗」)
「スーパー北斗」2往復の運行を取りやめ、「北斗」4往復の運休を継続することから(キハ183系の使用を見合わせているため、引き続き運休します。運転再開となるときには、改めて案内します。運転再開となった場合には、札幌-函館間は9往復となります)、5往復のみとなります。最高速度は120キロになります。平均所要時間は9分増加し3時間30分となり、最速列車は26分増加し3時間26分になります。
減速に伴い、接続できなくなる場合もあります。特急列車間では5本ありますが、中には「スーパー北斗21号」から旭川行き最終の「スーパーカムイ47号」に接続できなくなるという非常に厳しいケースもあります。
函館線に関しては、臨時列車も運転されます。3月31日までの毎日運転されるのが2往復、金・土・日・祝日等に運転されるのが1往復、年末年始等に運転されるのが1往復です(このほか、年末年始や雪まつり等にはさらなる臨時列車の運転も検討しています)。つまり、札幌-函館間は最低7往復は運転されるのです。車両は毎日運転される2往復がグリーン車、車内販売なしの4両編成、金・土・日・祝日等に運転される1往復及び年末年始等に運転される1往復がノースレインボー車両またはニセコ車両です。ノースレインボー車両は5両編成で、グリーン車はありませんが、3号車に販売カウンターがあります。ニセコ車両は3両編成で、グリーン車、車内販売はありませんが、2号車に自販機があります。
(2)札幌-釧路間(「スーパーおおぞら」)
1往復の運行を取りやめ、6往復となります。最高速度は110キロになります。平均所要時間は20分増加し4時間11分となり、最速列車は24分増加し3時間59分になります。かろうじて最速3時間台を維持しています。
減速に伴い、接続できなくなる場合もあります。特急列車間では2本ありますが、「スーパーおおぞら8号」から網走行き最終の「オホーツク7号」、「スーパーおおぞら12号」から旭川行き最終の「スーパーカムイ47号」に接続できなくなるという非常に厳しいケースとなります。
(3)札幌-旭川間(「スーパーカムイ」)
1往復の運行を取りやめ、23往復となります。最高速度は120キロになります。旭川行きは旭川着時刻を5~9分繰り下げ、所要時間は1時間25~29分となります(5~9分増延)。札幌行きは早朝時間帯を除いて旭川発時刻を5分繰り上げ、所要時間は1時間25分となります(5分増延)。
(4)札幌-東室蘭間(「すずらん」)
最高速度は120キロになります。また、特急列車間でみると、「スーパーおおぞら3号」の発車時刻繰り上げにより、南千歳駅で「すずらん3号」からの接続ができなくなります。
(5)札幌-稚内間(「サロベツ」)
「サロベツ」1往復は、キハ183系の使用を見合わせているため、引き続き運休します。運転再開となるときには、改めて案内します。運転再開となった場合は、最高速度や運転本数の変更はありません。
臨時列車は引き続き運転されます。3月31日までの毎日、旭川-稚内間に快速列車を1往復運転します。グリーン車、指定席、車内販売なしの2両編成です。車掌は乗務します。
なお、減速を予定していた「スーパーとかち」、「スーパー宗谷」、「エアポート」は1年後のダイヤ改正まで見直しを先送りしました。「スーパー宗谷」は札幌-旭川間を現行と変わらず最速1時間20分で走ります。「スーパーとかち」、「スーパー宗谷」は車両導入時期が6~14年前と比較的新しく、走行距離が短いため、「エアポート」は道央圏の普通列車との調整が必要なためです。「スーパーとかち」は「スーパーおおぞら」とのからみで時刻を変更しますが、「スーパーとかち6号」のように、12分も所要時間が短縮されるものもあります。
暗い話ばかりでは何なので、このような話も入れておきます。JR北海道の大江釧路支社長は6日、釧路市役所に行き、蝦名市長に、「スーパーおおぞら」の減便&減速のほかに、整備保守体制を充実させるために新車両の導入を検討していることを明らかにしました。しかし、その具体的な時期は決まっていないようです。そもそも減便&減速の解消時期も決まっていません。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130920-1.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m040081000c.html、北海道新聞ホームページ http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/490269.html)
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Comments
初めてコメント致します。
たべちゃんさんのブログは約二年位前から拝見しております。
ドライな切り口と正確で他を先取りした情報が楽しいです。
前置きが長くなりましたが、確かに所要時間の増大が目立ちます。
今更ながらですが…
北海道~首都圏はいくら航空機が天候に左右されると言っても飛べればあっと言う間です。新幹線に向ける資金とか人材があるならば、在来線が確実に運行出来るようにしていただきたいです。
札幌から道内各地へは高速バスが頻発していますが、私の場合は鉄道を重宝していました。道内の特急はきちんと走れれば確かにクオリティは高い。
北海道の鉄道でしか見られない雄大な車窓が展開して素晴らしかったです。
ただ、車両故障とか脱線などトラブルが頻発している現状を鑑みるとスピードダウンは無理もないがスピードダウン以上に信用をダウンさせられました。私自身、今度渡道した時に鉄道を選択するのは正直言って躊躇してしまいます。
北海道特有の寒冷な気候は維持も大変でしょうし、人材の獲得とか育成も容易ではないでしょうが在来線が確実に運行されればまだ生きる道はあると信じております。
長文失礼致します。
m(._.)m
Posted by: I love train | 2013.09.23 10:12 PM
I love train さん、はじめまして。
* 北海道~首都圏はいくら航空機が天候に
ただパイは巨大なので、1割2割でも新幹線を選んでくれたら、それなりの効果があります。北海道内の輸送でもスピードでほかを圧倒します。収支の安定に資することになります。
新函館は2年半後に開業しますが、札幌は20年ほど後です。中長期的な計画としてやっていく課題でしょう。
* ただ、車両故障とか脱線などトラブルが
一連のトラブルはかなり信用力を下げたと言えるでしょう。すでにその影響は現れていて、夏季1か月間の都市間輸送実績は前年同期比で8%減っています。特にトラブルの多かった函館線が18%減、高速道路が整備された石勝線が14%減です。
* 北海道特有の寒冷な気候は維持も大変でしょうし、人材の獲得とか育成も容易ではないでしょうが
厳しい言いかたですが、ローカル線の廃止も視野に入れざるを得ないでしょう。バスで走らせたら保線にかかるマンパワーを幹線に回すことができます。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130819-1.pdf)
Posted by: たべちゃん | 2013.09.24 05:25 AM
このままだと最悪の場合、正面衝突事故を繰り返した揚句に国交省から業務停止命令をくらった旧京福電鉄福井支社(これをキッカケにえちぜん鉄道に生まれ変わりましたが)同様、事態が改善するまで全ての列車を止めバス代行にするよう、国交省から業務停止命令や鉄道事業者免許取り上げ!?などという重い処分が下されるんじゃないか?と本気で心配になります。
しかし、レール幅が基準越えでも一年間放置なんて、国鉄時代にはあり得なかった失態ですが、一体何が原因なんですかねえ・・・「北海道新幹線も函館までJR東が運行せよ!」なんて話も出て来そうですよね・・・
Posted by: miyahara | 2013.09.25 02:16 AM
miyahara さん、おはようございます。
* このままだと最悪の場合、正面衝突事故を
京福でも運行を停止して混乱したのに、JR北海道だとそれよりはるかに大きな混乱となることでしょう。
* 「北海道新幹線も函館までJR東が運行せよ!」なんて話も出て来そうですよね・・・
距離もそうないので、JR東日本に委ねるという方法もあるでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2013.09.25 05:53 AM
ローカル線の廃止なんていうと
残るのが室蘭本線、函館本線、海峡線、千歳線
これ以外で残るのがあまりないような気がする
Posted by: フリーダム | 2013.09.29 01:45 PM
フリーダムさん、こんにちは。
* ローカル線の廃止なんていうと
正直言って、札幌近郊を除けば、函館、旭川、釧路に行く幹線ぐらいしか残らない危険性もあります(2011年度で輸送密度が2000人以上なのは、これぐらいです)。しかも、石勝線風に特急のみとか。
(参考:北海道庁ホームページ http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/P29-31.pdf)
Posted by: たべちゃん | 2013.09.29 02:52 PM