リニアの長野県内の駅は、飯田市座光寺・上郷飯沼地区の見込み
JR東海は今月18日に、リニア中央新幹線について、詳細な駅位置や路線を記した環境影響評価(アセスメント)準備書を公表します。これまで直径5キロの円で示されていた駅位置が、具体的になるのです。
中間駅の位置についてはこれまで報道されていましたが、このほど、長野県内にできる駅の位置が判明しました。飯田線元善光寺駅から南西方向に1キロ前後離れた、飯田市座光寺・上郷飯沼地区になるようです。これまでの話より、もう少し飯田市中心部に近づくようです。
ただ、以前にも書きましたが、座光寺地区には恒川<ごんが>遺跡群があります。これをどうやってクリアするかが問題となっていました。しかも今年7月には、飯田市教育委員会がこの遺跡群の一部の国史跡指定を申請しました。遺跡群の範囲はJR東海の当初想定より広がったのです。これに対してJR東海は、飯田市の意向に沿うかたちでリニアの位置を遺跡群の南側に修正しました。駅は上郷飯沼地区にもかかり、国道153号線の上を通ることとなりました。道路のアクセスが良くなったのです。鉄道のアクセスについても、伊那上郷と元善光寺の間に新駅をつくる構想があるようです。
なお、駅は2面4線で、幅は約50メートル。駅以外の区間の幅は、標準的な高架部分で約14メートルとなります。駅部と地上区間(両脇4メートルずつを含みますので、約22メートルということになります)は、JR東海が取得する予定です。
環境影響評価準備書は沿線7都県ごとに発表されます。東京都は品川駅の地下に、愛知県は名古屋駅の地下に設置されます。長野県以外の中間駅は、神奈川県が相模原市のJR・京王橋本駅近くに、山梨県が甲府市大津町の中央道南側に、岐阜県は中津川市のJR美乃坂本駅周辺に設置されます。神奈川県は地下駅、山梨県と岐阜県は地上駅となります。品川駅からの距離は、神奈川県駅が約38キロ、山梨県駅が約110キロ、長野県駅が約180キロ、岐阜県駅が約220キロ、名古屋駅が約286キロです。
(追記1)
中津川にできる車両基地は、美乃坂本駅の東北東約2キロ、中央道中津川インターチェンジ近くにできます。岐阜県中山間農業研究所中津川支所一帯です。車両基地は延長2.5キロ、最大幅500メートルで、面積は約70ヘクタールの計画です。車両基地につながる回送線は、駅を通りすぎた西側(名古屋方)から分岐するので、早朝、深夜あたりに品川-岐阜県駅、岐阜県駅-名古屋間の区間運転は期待できません。
(追記2)
愛知県内はすべて地下を走ります。大半が深さ40メートル以上の「大深度地下」です。内津峠付近から春日井市に入り、中部大学や王子製紙春日井工場付近を通過します。名古屋市内は官庁街を通過します。名古屋城と名古屋市役所の間を通り、東海道新幹線と直交するかたちで東西方向にホームを置きます。線路は名古屋駅を通りすぎ、名古屋市交通局東山線中村公園駅付近まで伸びます。当面は非常時用の引き上げ線ですが、将来的には新大阪方面の本線になるとみられています。
(追記3)
以前にも書いたように、名古屋暫定開業の段階では、リニアは1時間当たり5本運転します。4本がノンストップ便、1本が各駅停車便です。ノンストップ便は品川-名古屋間を約40分で結びますが、各駅停車便はひと駅停まるごとに8分伸び、品川-名古屋間では72分となります。
(追記4)
リニアが開業したら、リニアは出張などのビジネス客の輸送に、東海道新幹線は観光用などの輸送に棲み分けができる、という見かたもあります。そこで、東海道新幹線に食堂車を復活させるという構想もあるようです。
(追記5)
可児市は遺跡の保全などを理由に、高架橋ではなく地下トンネルに変更するように求めましたが、JR東海に拒否されました。
(参考:信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/20130826/KT130825ATI090001000.php、岐阜新聞ホームページ http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20130905/201309050822_20854.shtml、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20130905k0000m040169000c.html、朝日新聞9月12日朝刊 中部14版、朝日新聞9月19日朝刊 中部14版、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2013/09/22/206918.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1800T_Y3A910C1CR0000/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/NGY201311250024.html)
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