JR北海道、11月に減速&減便のダイヤ改正で、「北斗」系統たったの5往復
相次ぐ車両トラブルが起こったJR北海道。その対策として最高速度・運転本数を見直すダイヤ改正(内容は「改悪」としか言いようのないものですが)を11月に行うことは以前にも書きましたが、その概要がJR北海道から発表されました。
ダイヤ改正は11月を予定しています。最高速度・運転本数を見直すことにより余裕を生み出し、メンテナンス体制の強化を行います。具体的な特急の時刻等は9月下旬に発表される予定です。ダイヤ改正により、特急のみならず、普通列車にも時刻変更や遅れが生じ、これまでできた列車の乗り継ぎができなくなるところもあります。
それでは各系統別に内容を詳しく見ていくことにしましょう。ただ詳細は検討中とのことです。なお、札幌-網走間「オホーツク」、函館-新青森間「スーパー白鳥」「白鳥」については、最高速度・運転本数の変更はありません。
(1)札幌-函館間(「スーパー北斗」、「北斗」)
これまで最高速度が130キロ、本数が11往復、平均所要時間が3時間21分だったのが、120キロ、5往復(6往復減)、3時間30分(9分遅)となります。
こんなに本数が減るのは、「北斗」4往復について、キハ183系の使用を見合わせているためです。原因を究明の上必要な対策を行い運転再開となった場合には、札幌-函館間は9往復となります。それまでの間は、臨時列車を運転する予定です。
(2)札幌-釧路間(「スーパーおおぞら」)
これまで最高速度が130キロ、本数が7往復、平均所要時間が3時間51分だったのが、110キロ、6往復(1往復減)、4時間11分(20分遅)となります。ここだけは最高速度が20キロも低くなります。後述の「スーパーとかち」とのスピードの差は気になるところですが。
(3)札幌ー帯広間(「スーパーとかち」)
これまで最高速度が130キロ、本数が5往復、平均所要時間が2時間35分だったのが、120キロ、5往復(変わらず)、2時間36分(1分遅)となります。
(4)札幌-稚内間(「スーパー宗谷」)
これまで最高速度が130キロ、本数が2往復、平均所要時間が4時間58分だったのが、120キロ、2往復(変わらず)、5時間04分(6分遅)となります。
なお、同じ区間を走る「サロベツ」1往復については、キハ183系の使用を見合わせているため、引き続き運休します。課題が解決され、運転再開となった場合は、「サロベツ」については最高速度や運転本数の変更はありません。
(5)札幌-旭川間(「スーパーカムイ」)
これまで最高速度が130キロ、本数が24往復、平均所要時間が1時間20分だったのが、120キロ、23往復(1往復減)、1時間25分(5分遅)となります。
(6)札幌-東室蘭間(「すずらん」)
これまで最高速度が130キロ、本数が5往復、平均所要時間が1時間26分だったのが、120キロ、5往復(変わらず)、1時間28分(2分遅)となります。
(7)札幌-新千歳空港間(快速「エアポート」)
これまで最高速度が130キロ、本数が上り57本、下り59本、平均所要時間が36分だったのが、120キロ、上り57本、下り59本(変わらず)、37分(1分遅)となります。
以前にも書きましたが、減速や減便は本質的な対策ではありません。一刻も早く問題を解決して、元通り、さらにそれ以上のスピードで走ることができることが望ましいと言えます。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2013/130904-1.pdf)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「JR北海道」カテゴリの記事
- 「青春18きっぷ」は値上げせず、「北海道&東日本パス」は小幅な値上げ(2025.06.03)
- 白糠に道内で22年ぶりの踏切(2025.05.11)
- 青函トンネル以外の共用走行区間でも時速260キロ運転へ(2025.05.05)
- JR北海道、2025年度中に特急全車指定席へ(2025.04.30)
Comments
既読かも知れませんが下記記事をネットで見つけました。詳しい分析がされていると思いますのでお知らせします。
Business Media 誠・杉山淳一の時事日想
「なぜJR北海道でトラブルが続くのか」
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1307/26/news016.html
マニュアルが守られない理由を鉄道事故の観点を加えて整理すると次のようになる。
(1)マニュアル作成者が現場を理解していない
(2)新しいマニュアルが従来のマニュアルとかけ離れている
(3)マニュアルを覚えない、参照しない
(4)1人くらいマニュアルを守らなくても……と考える
(5)マニュアルそのものが間違っている
他に「JR東海、JR四国の成功例も学べ」等。
サイトの連載記事「杉山淳一の時事日想」は他にも鉄道に関する詳しいレポートが多数あり非常に読み応えがあります。ただ過去記事の検索が困難なのが欠点です。
Posted by: miyahara | 2013.09.06 11:16 PM
miyahara さん、おはようございます。
* 既読かも知れませんが
この記事は私も読みました。
* サイトの連載記事「杉山淳一の時事日想」は
「杉山淳一の時事日想」は私も参考にしているところがあります。
Posted by: たべちゃん | 2013.09.07 07:04 AM
ありがとうございます。今回の減速のニュースを聞いて思い出すのは、国鉄末期に東北や上越の特急を増発や路盤破壊防止のため減速した話です。上野仙台間が3時間台→4時間台にのびたりしました。結局は新幹線開業で抜本的解決が図られましたが・・・。
国鉄時代の新幹線こだまの表定時速が東京大阪で130km程度だった事を考えると、気動車のスーパー北斗が札幌函館間3時間で表定時速110km以上というのは「速いな」と思う反面、やはり無理があったのかも知れませんね。
新聞記事を読むと今回の減速・減便でJR北は年間16億円の減収だそうです。早く元に戻れば良いのですがね・・・
運転士の居眠りや、覚せい剤所持で逮捕、というニュースを聞くと、やはり会社の体質にも何か根深い病根があるのかな?だとすれば根本的解決までには長い道のりになりそうですね・・・困ったものです。
Posted by: miyahara | 2013.09.07 10:42 PM
miyahara さん、おはようございます。
* 国鉄末期に東北や上越の特急を増発や路盤破壊防止のため減速した話です。
特急を遅くすることで増発できましたし、なにより新幹線開業が目前なので、暫定的措置の意味合いがありました。
それと比べると、今回の措置は将来が見えないです。
Posted by: たべちゃん | 2013.09.08 05:58 AM
はっきりいって、無茶苦茶ですけど
東海道新幹線の収益を北海道に回す
これぐらいのことができない限り
解決すると思えないのですけど
Posted by: フリーダム | 2013.09.22 12:15 AM
フリーダム さん、おはようございます。
* はっきりいって、無茶苦茶ですけど
確かに東海道新幹線をJR東海が独占していることの弊害はあるでしょう。
ただ、JR東海とJR北海道は関係が薄いので、(関係の深い)JR東日本に頼るほうがやりやすいかもしれません。ローカル線のバス転換などの収支改善策も必要でしょうが。
Posted by: たべちゃん | 2013.09.22 06:56 AM