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高崎線の新駅建設で北本市、住民投票へ

 高崎線の桶川-北本間に新駅を設置する構想があります。新駅の候補地は桶川市との境に近い北本市南部で、圏央道(建設中)と交差しています。インターチェンジも近くにできるようで、鉄道と高速道路を組み合わせて使うことも可能な駅の位置です。1985年ごろから北本市は駅の設置の要望を続けています。

 ただ、問題なのは、駅建設にかかる事業費をどうするのかということ。総事業費は約72.1億円、内訳は駅舎などの鉄道施設が約51.2億円で、東西の駅前広場や東西を結ぶ自由通路などが約20.9億円です。国庫補助金が15億円もらえますが、残りの57億円ほどは北本市が負担しないといけません。主な内訳は庁舎建設基金からの振り替えが18億円、南部地域整備基金が16億円、市債が16億円です。

 北本市としては、駅が開業することで人口が増え(開業から5年で人口が3200人増加するとみています)、開業から21年で税収が市負担分の事業費を上回るとしています。埼玉県全域での経済波及効果は約113億円に達するとみています。しかし、北本市としては史上最大規模の事業になるため、新駅開業に伴う効果を説明し、いったん新駅建設の是非を問う住民投票を行ったうえで建設に取り掛かりたいとしています。新駅設置を推進する立場である自治体が住民投票を求めるのは珍しい話です。北本市議会の9月定例会に住民投票の条例案を提案し、条例案が可決されれば、住民投票は12月15日に行われます。そこでも過半数の賛成意見があれば、今年度中にJR東日本に対して正式な要望書を提出し(これまでの事前協議の結果、JR東日本から駅設置の正式な要望書を出すことが求められました)、2016年に新駅設置の覚書をJR東日本と交わし、2017年度中に着工、2019年度中(2020年)に新駅が開業というスケジュールになります。

(追記)
 ところが、12月15日に行った住民投票の結果、反対派の市民団体が「活躍」したこともあり、賛成の3倍以上という圧倒的多数で反対票が多く、計画は白紙に戻るようです。
(参考:東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130822/CK2013082202000125.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20130906/CK2013090602000140.html、埼玉新聞ホームページ http://www.saitama-np.co.jp/news/2013/09/06/04.html、http://www.saitama-np.co.jp/news/2013/12/15/11.html)

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