雪を運ぶJR貨物
JR貨物は、北海道内で貯蔵されている雪を首都圏に運ぶことを検討しています。
JR貨物がそのような検討をしている理由は、北海道から本州への貨物列車への需要が季節によって大きく変動するため。秋以降はジャガイモや玉ねぎなどの収穫が本格化するため、本州行きの積荷が増えますが、春から秋、特に5~7月にかけては運ぶものが少ないのです。加えて、東日本大震災後、省エネへの動きが強まりました。電気料金は値上げされますので、企業としては何とかして電気を節約しないといけません。そこで出てきたのが、貨物の少ない時期に冷房用に雪を運ぶというアイデアです。8月9日にはJR貨物の関係者などが、沼田町にある沼田式雪山センターなどを視察しました。ここは貯蔵した雪を冷房や農作物保管用などに一般販売しているところで、約3000トンの雪を保管しています。
実はJR貨物は2012年夏に、東京都内のホテルに、北海道から冷房用の雪を1か月ほど運んだことがあります。今後は採算性を中心に検討していくようです。
(追記)
しかし、2012年に環境省の予算(2012年度からの3年間で3.7億円)を使って、北海道から東京に雪を運んだ事業について、輸送に多くのエネルギーを費やしたことから、かえって二酸化炭素の排出量が増えたとの指摘があり、環境省は事業の見直しをすることになりました。
(参考:「鉄道ファン」2013年11月号 交友社、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/TKY201311140441.html)
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